タイトル | 魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis |
ジャンル | 戦場の魔法少女ADV |
対応機種 | PC |
価格 | 通常版 7,800円(税別) |
プレイ時間の目安 | 15~20時間 |
備考 | ・18歳未満及び高校生以下は購入、プレイできません。 |
総評
魔法少女たちが「消費」される様を容赦なく描く作品。
一方で、それだけに終わらない感動をもたらす内容でもありました。
本作がまずプレイヤーに見せつけるもの。
それは主人公含めた魔法少女たちが、徹底的に「消費」される姿です。
本作の魔法少女たちは、エイリアンと戦う存在。
その魔法の力を高めるには、性的な成熟が必要不可欠…と、なんとも成人向けらしい設定が用意されています。
しかし魔法少女たちは、そのようなことを何も知らされていません。
そして戦いのために、体と心を一方的に汚され続けます。
でもそれは勝つために必要なこと。
命を落としたくなければ、役立たずと言われたくなければ、受けいれるしかない。
この点の描写は残酷きわまりなく、本作最大のウリと言えます。
ワンシーンが激しい上、数も十分すぎるほど。
ごく一部のグロテスクなCGにはモザイクがかけてありますが、他は容赦なし。
人類を守る戦士として、決意を胸に参戦した魔法少女たち。
それどこまでも堕ちていく。
しかし本作の面白いところは、これだけでは終わらないことです。
本作のもう一つの見どころ。
それは肉体、精神を傷だらけにされた主人公が、大切なものを見つける姿です。
主人公は凌辱と戦いの連鎖により「自分」を失っていきます。
尊厳、意志を剥がされ、大義名分のもとで消費される主人公。
そうして汚れきり、人形のように使われ続け、やがて自分で自分を大切にすることすらできなくなります。
それでも、主人公は戦いをやめません。
魔法少女であり続けようとします。
では主人公を支えるものは、いったい何なのでしょうか。
光の見えない戦いの中で、何を見つけるのでしょうか。
一方で気になったのは、ハードなシーンを増やすためか、話が堂々巡りに感じられる場面が多かったこと。
やや持ち上げて大きく落とすの繰り返しなので、なかなか話が上向きになりません。
もちろん話は進んでいるのですが、同じ展開を繰り返しているようにも見えてしまいます。
ハードなシーンが多いゲームです。あくまでもこちらが主軸だと思った方が良いかも。
数が多すぎるため、後半はややマンネリも感じられます。
好きでなければ気が滅入ってしまうでしょう。
しかし、ただ堕とすだけではない作品。
およそ人間と扱われていないシーンばかりだからこそ、大切なものを見つける場面は印象に残りました。
読後感も爽やかです。
物語の面白さだけでなく、ハードな成人向け表現も含めて楽しめる方にオススメの一本です。
テキストADVファンによる、テキストADVファンのための、オリジナル雑誌“風”記事。
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