インディーズでは随分と数が増え、スマホアプリでも未だ人気のジャンル「音ゲー」
今回レビューする「Muse Dash」も、中国のPeroPeroGamesが作った音ゲーです。
内容はシンプルなもので、簡単に言ってしまえばレーンが上下2つになった「太鼓の達人」
音ゲーとしてオーソドックスな作りで、やることは他のタイトルとほとんど変わりません。
しかし、本作はとある表現を使うことで、これまでの音ゲーにはなかった爽快感を生み出しているタイトルでした。
タイトル | Muse Dash (ミューズダッシュ) |
ジャンル | 音ゲー |
対応機種 | Switch / スマホ / PC |
価格 | 【パッケージ版】3,960円 【限定版】7,480円 【DL版】3,240円 (全てSwitch版) |
備考 | Switch版にはスマホ、PC版で配信されている有料楽曲パックが全て収録 今後も無料で追加される |
総評
本作はシンプルな音ゲーです。
飛んでくるノーツが、ラインに重なった瞬間にボタンを押す。
真新しい要素はありません。
最も面白いのは
・音ゲーにおけるラインを「女の子」
・飛んでくるノーツを「ザコ敵」
と表現している点。
リズムに合わせてボタンを押すことで、女の子はザコをドンドン吹っ飛ばしていきます。
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2021/04/EynExLkU8AcCbZQ-800x450.jpg)
ガワを変えただけではあります。
しかしこのガワが、音ゲーのリズムにノる爽快感と、ザコをブッ飛ばす爽快感をリンクさせ、二重の気持ち良さを味わえるゲームになっています。
収録曲も十分な数(数えてみたら260曲↑)
女の子の衣装を変えたり、全員日本語ボイスを収録していたりとキャラゲー要素も充実
インディーズタイトルとは思えない、遊び応え十分な作品であると感じました。
音ゲー好きなら触って損なしなゲームです。
一方、ノーツの速度を変えられないタイプなので、音ゲー初プレイにはオススメしづらい作品。
遊びとしても新しい物はありません。
詳しいレビュー
音ゲーなのに、ブッ飛ばす爽快感
本作はシステムはシンプルです。
レーンが2本になった「太鼓の達人」のようなゲーム
そんな本作を他にはない魅力を持ったゲームたらしめているのは、表現方法です。
音ゲーでありながら、見た目はまるで2Dアクションゲームのようにデザインしてあるのが特徴。
・一般的な音ゲーの判定ラインが「美少女キャラ」
・飛んでくるノーツが、クリボーのような「ザコ敵」
基本的に音ゲーというのは無機質なデザインがされているもの。
謎のオブジェが次々に飛んできて、それをひたすら処理する。
それに対して本作は、美少女キャラがドンドンザコをブッ飛ばす…というデザインです。
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2021/04/EyqrkRmU4Ac8Ie8-800x450.jpg)
無機質に描かれがちな点を、女の子と敵キャラという生き物として表現する。
これが
・ボタンを押して音楽にノる気持ちよさ
・次から次へとザコ敵を吹っ飛ばす気持ち良さ
この2つの気持ち良さを、リンクさせています。
リズムに合わせてボタンを押すことで、音楽にノりつつ次々にザコをブッ飛ばす。
音ゲーでありながら、ブッ飛ばす爽快感を味わえる新感覚ゲーム。
それが「Muse Dash」なのです。
曲中にメリハリを生む「ボス戦」
本作は、楽曲のサビなどの盛り上がりどころになると「ボス戦」が始まります。
…とは言っても、やることは変わりません。
それまで突っ込んできていたザコが、ボスが発射する弾になるだけです。
しかし、これが想像以上にメリハリを生み、一曲のプレイを大いに盛り上げてくれています。
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2021/04/EyqqPXvUUAAAWhi-800x450.jpg)
音ゲーは曲が始まると、あとはひたすらボタンを押し続けるのみ。
画面が見づらくなるといけないので、ビジュアル的な変化をさせづらいジャンルです
そのため、音楽は盛り上がっても見た目は変わりません。
そこを本作では、サビに合わせてボスを登場させ、見た目も大胆に演出
音楽の盛り上がりを更に煽ってきます。
とは言えボス登場中は譜面も難しくなり、高レベルの曲になると飛んでくるザコの数もスゴいことに。
画面はかなりゴチャゴチャするため、正直いって「見づらい!」と感じることも少なくありません。
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2021/04/EyqqPXcVgAUojdJ-800x450.jpg)
しかしその難しさとゴチャゴチャは、サビを迎えて最高潮に盛り上がる音楽と一体になってゲームを遊ぶような、そんな感覚を味わわせてくれるんです。
音楽に聴覚を煽られ、ボスと一層密度を増す画面に視覚を煽られ、高揚した精神をぶつけるようにリズムのノってボタンを押す…
気持ちよく音楽を感じながらプレイできる作品です。
音ゲーにとって「見づらさ」というのは重大な問題になります
しかし、それを多少犠牲にしていたとしても、本作のボス戦は良い
そう言えるだけの魅力を持った要素だと感じました。
積み重ねられた、250を超える収録曲
本作のニンテンドーストアの説明文を読むと
「97曲の楽曲全数収録、以降続々無料更新!」
とあります。
うーん、これはもったいないと感じます。
なぜなら、本作はその「以降続々無料更新!」を積み重ね、今や250曲以上が収録された大ボリューム作品になっているからです。
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2021/04/EyqqPXVVoAAjkjU-800x450.jpg)
とは言え全てが書き下ろし曲ではありません。
同人CDや他作品とのコラボ曲が多く、オリジナル曲はあまり多くない。
しかしそれにしても250曲はとんでもない数です。
Switch版なら、更新で追加される曲も全て無料で遊べるため、今後も増えていく可能性アリ。
一方、曲のジャンルにはやや偏りがあります。
いかにも音ゲーっぽい曲が大半。
ジャズやミドルテンポなポップスもありますが、激しい楽曲が多めです。
妙に気合の入ったキャラ描写
本作は判定ラインを走る美少女キャラとして表現しています。
この美少女キャラにはそれぞれ日本語ボイスが収録されており、コスチュームまで複数用意されているのはポイントが高い。
ローカライズはともかく、日本語ボイスまでやってくれるインディーズはほとんどありません。
動きも2D絵でありながらヌルヌルで、表現をアクションゲームのようにした分、キャラクターの描写に手を抜いていない。
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2021/04/EyqqPXRVoAQFqE9-800x450.jpg)
コスチュームもアイテムによるアンロック式で複数用意。
それぞれにゲーム中発動するスキルも設定されています。
キャラクターのファンになってしまうかも?と思うほど、描写に気合いを感じます
(実際フィギュアも発売されているようです)
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2021/04/EynExLmUYAADN5R-800x450.jpg)
以上、「Muse Dash」のレビューでした
音ゲー好きになら自信を持ってオススメできるタイトルで、インディーズからこんな音ゲーが生まれていることを嬉しく思います。
ガワを変えただけ…と言えばそれまでです。
しかしそれだけのことが、プレイに新しい感覚を与えることもある…そのことの好例と言える一作。
やや難しめなので、音ゲー完全初心者にはオススメしづらい。
しかしゲーム自体はシンプルで、目立った欠点もありません。
音ゲーマーならぜひチェックしてほしい作品です。
↓こちらも音ゲーマーにオススメのタイトル
PS4でゲーセンで遊ぶような本格音ゲーを遊びたい!という方にオススメです