【シロナガス島への帰還】レビュー・評価 安くて短い、でも面白い。遊びやすさと面白さを両立したお手頃ADV。

4.0
ADV(ノベル)
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新しいゲームに手を出すのが、面倒くさくなることがあります。

家庭用ゲーム機のパッケージタイトルは、安くても6000円くらい。
安い買い物とは言えません。
クリアするには、時間もかかります。
大作級になると、一か月以上プレイし続けることも。

値段に見合ったボリュームある体験こそ、ビデオゲームの特徴。
しかし、時にそれが“重さ”に感じられることは、たぶん誰にだってあるでしょう。

低価格、短時間で濃密な体験ができるインディーズに注目が集まるのは、こんな背景も確かにあるのだと思います。
“遊びやすさ”は、今や立派な長所です。



今回レビューする「シロナガス島への帰還」は、圧倒的な“遊びやすさ”が特徴。

低価格(500円)、短時間(約7時間でクリア)、シンプル(基本は読むだけ)。
それでいて十分に面白い。
手軽に、でもしっかり楽しませてくれるゲームを遊びたい…と思うなら、ぜひ本作を手に取ってみてください。

話の展開にはどこか既視感があります。
本作ならではを求める方には、物足りない内容になるでしょう。

しかし物語の勢いが強く、テンポもよいため、一気に遊ばせる力を持っています。
値段、プレイ時間、内容…どれをとっても手を出しやすい遊びやすさも魅力。
次の一本に迷う、全てのゲームファンにオススメの作品です。

タイトルシロナガス島への帰還
ジャンルADV(ノベル)
対応機種PC
価格500
プレイ時間の目安7~9時間
判定良作
備考追加要素ありでSwitchへの移植が決定済

あらすじと総評

【シロナガス島への帰還 -Return to Shironagasu Island-】は、テキストタイプのADV。ノベルゲーです。
ジャンルは孤島を舞台にしたミステリーサスペンス
鬼虫兵庫(おにむし ひょうご)氏が個人で開発した作品です。

シロナガス島への帰還
同人アドベンチャーゲーム『シロナガス島へ...

あらすじ

主人公はニューヨークで私立探偵を営む、池田 戦(いけだ せん)
相棒(?)であるセーラー服の少女、出雲崎ねね子(いずもざき ねねこ)と共に、とある人物の自殺の理由を探る依頼を受けます。

相棒(?)、出雲崎ねね子



真相が眠るのは、絶海の孤島「シロナガス島」
そこで二人は、殺意と陰謀に満ちた事件に巻き込まれることになります

総評

一気にエンディングまで遊ばせる力を持った作品だと感じました。

振り返ってみると、既視感のある物語だと思います。
説明が足りていない点もありますし、ミステリーとしての“驚き”も、やや薄い。

しかし遊んでいる最中、これらはまるで気になりませんでした。
なにせ本作は、物語の勢いが強い。
日常の描写はそこそこに、事件が次へ次へと、テンポよく展開します。
そのたびに新事実が判明し、主人公たちの状況も大きく変化。
時にドキリとするホラー描写まで盛り込まれており、まず退屈させられることがありません。



更に特筆したいのは、その“遊びやすさ”です。
ポイントは、以下の3点。

・500円
・クリアまで約7時間
・読むだけのシンプルなゲーム


安くて、コンパクトで、シンプル…と、遊び始めるまでのハードルが、まるで無い作品なのです。
コアゲーマーはもちろん、新しいゲームへの腰が重くなってしまった人にでも、本作ならば自信をもってオススメできます。



緻密な物語ではありません。
こちらを
裏切る意外性も弱く、画期的な何かもありません。

しかし、起伏あるシナリオをハイテンポで駆けるその勢いは、ただ強烈。
プレイヤーを飲み込み、一気にエンディングまで運ぶ力を持っています。
500円、クリアまで7時間程度、基本は読むだけ…と、遊びやすいのも嬉しい。
誰にでもオススメしたい一本です。

詳しいレビュー

勢いに飲み込まれる、ミステリーサスペンス

まず挙げたい本作の魅力は、勢いでもってプレイヤーを離さない物語です。

というのもこの「シロナガス島への帰還」
物語のテンポが実に良い。

日常の描写はそこそこに。
事件から事件へ、そこから新事実が判明し…と、プレイヤーを引っ張る展開が連続します。
時にはギャグで緩めることも。
しかしそれも用量が丁度良い。
時には惨たらしい死のシーンもあり。

本作はプレイヤーが退屈しだす前に、新展開へと進みます。
プレイ時間が短いことも相まって、エンディングまで一気に運ばれてしまう内容だと感じました。


クリアして振り返ってみれば、大筋にはどこか既視感があります。
ミステリーとしては意外性も弱く、もっと予想を裏切ってほしかったとも。


しかしこれらも、冷静になって考えてみると…の話。
物語の勢いに乗せられている最中は、全く気になりません。
土曜日に遊び始め、日曜の昼にはクリアしていました


ただADVとして斬新なモノはありません。
そのため、このジャンルのファンほど、満足度が低くなるかもしれません。

安い、短い、シンプル。遊びやすさは満点。

実をいうと、本作の最大の魅力は“遊びやすさ”であると感じました。

なにせ本作は、ゲームを遊び始めるうえでの精神的なハードルとなりうるものが、何一つないのです。

まず、安い。
本作は通常価格500円。
内容から考えてこれは破格です。

次に、短い。
クリアまでの時間は、約7時間です。
1日1時間でも1週間でクリア。
大作ゲームの合間や、平日の空き時間でも十分に遊びつくせる内容です。

そして、シンプル。
大半は読み進めるだけのADVです。何も覚える必要はありません。
時にネガティブに語られることもある、読むだけのノベルゲー。
しかし逆に言えば、チュートリアルなど一切必要ないジャンルでもあります。

これだけ敷居が低い上、しかも十分に面白いのだから、本作は誰にでもオススメしたい。

何を遊ぶかで迷うあなた。
とりあえずこの「シロナガス島への帰還」を始めてみてはいかがでしょう。

終わりに

私は遊び終えた後、物語が残した余韻を感じるのが好きです。
でもやっぱり、展開で一気に持っていかれる作品もいいなと感じました。

名作とまでは言いません。

しかし間違いなく、こちらを楽しませるエンターテイメントな本作。
敷居が低い一本なので、迷う前にプロローグだけでも遊んでみてほしい。
すぐにエンディングまで“運ばれて”しまうことでしょう。

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