今回レビューする「シロナガス島への帰還」は、圧倒的な“遊びやすさ”が特徴。
低価格(500円)、短時間(約7時間でクリア)、シンプル(基本は読むだけ)。
それでいて十分に面白い。
手軽に、でもしっかり楽しませてくれるゲームを遊びたい…と思うなら、ぜひ本作を手に取ってみてください。
話の展開にはどこか既視感があります。
本作ならではを求める方には、物足りない内容になるでしょう。
しかし物語の勢いが強く、テンポもよいため、一気に遊ばせる力を持っています。
値段、プレイ時間、内容…どれをとっても手を出しやすい遊びやすさも魅力。
次の一本に迷う、全てのゲームファンにオススメの作品です。
タイトル | シロナガス島への帰還 |
ジャンル | ADV(ノベル) |
対応機種 | PC |
価格 | 500円 |
プレイ時間の目安 | 7~9時間 |
判定 | 良作 |
備考 | 追加要素ありでSwitchへの移植が決定済 |
あらすじと総評
【シロナガス島への帰還 -Return to Shironagasu Island-】は、テキストタイプのADV。ノベルゲーです。
ジャンルは孤島を舞台にしたミステリーサスペンス
鬼虫兵庫(おにむし ひょうご)氏が個人で開発した作品です。
あらすじ
主人公はニューヨークで私立探偵を営む、池田 戦(いけだ せん)
相棒(?)であるセーラー服の少女、出雲崎ねね子(いずもざき ねねこ)と共に、とある人物の自殺の理由を探る依頼を受けます。
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真相が眠るのは、絶海の孤島「シロナガス島」
そこで二人は、殺意と陰謀に満ちた事件に巻き込まれることになります
総評
一気にエンディングまで遊ばせる力を持った作品だと感じました。
振り返ってみると、既視感のある物語だと思います。
説明が足りていない点もありますし、ミステリーとしての驚きも、やや薄い。
しかし遊んでいる最中、これらはまるで気になりませんでした。
なにせ本作は、物語の勢いが強い。
日常の描写はそこそこに、事件が次へ次へと、テンポよく展開します。
そのたびに新事実が判明し、主人公たちの状況も大きく変化。
時にドキリとするホラー描写まで盛り込まれており、まず退屈させられることがありません。
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2022/01/スクリーンショット-20.jpg)
更に特筆したいのは、その“遊びやすさ”です。
ポイントは、以下の3点。
・500円
・クリアまで約7時間
・読むだけのシンプルなゲーム
安くて、コンパクトで、シンプル…と、遊び始めるまでのハードルが、まるで無い作品なのです。
コアゲーマーはもちろん、新しいゲームへの腰が重くなってしまった人にでも、本作ならば自信をもってオススメできます。
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緻密な物語ではありません。
こちらを裏切る意外性も弱く、画期的な何かもありません。
しかし、起伏あるシナリオをハイテンポで駆けるその勢いは、ただ強烈。
プレイヤーを飲み込み、一気にエンディングまで運ぶ力を持っています。
500円、クリアまで7時間程度、基本は読むだけ…と、遊びやすいのも嬉しい。
誰にでもオススメしたい一本です。
詳しいレビュー
勢いに飲み込まれる、ミステリーサスペンス
まず挙げたい本作の魅力は、勢いでもってプレイヤーを離さない物語です。
というのもこの「シロナガス島への帰還」
物語のテンポが実に良い。
日常の描写はそこそこに。
事件から事件へ、そこから新事実が判明し…と、プレイヤーを引っ張る展開が連続します。
時にはギャグで緩めることも。
しかしそれも用量が丁度良い。
時には惨たらしい死のシーンもあり。
本作はプレイヤーが退屈しだす前に、新展開へと進みます。
プレイ時間が短いことも相まって、エンディングまで一気に運ばれてしまう内容だと感じました。
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クリアして振り返ってみれば、大筋にはどこか既視感があります。
ミステリーとしては意外性も弱く、もっと予想を裏切ってほしかったとも。
しかしこれらも、冷静になって考えてみると…の話。
物語の勢いに乗せられている最中は、全く気になりません。
土曜日に遊び始め、日曜の昼にはクリアしていました。
ただADVとして斬新なモノはありません。
そのため、このジャンルのファンほど、満足度が低くなるかもしれません。
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安い、短い、シンプル。遊びやすさは満点。
実をいうと、本作の最大の魅力は“遊びやすさ”であると感じました。
なにせ本作は、ゲームを遊び始めるうえでの精神的なハードルとなりうるものが、何一つないのです。
まず、安い。
本作は通常価格500円。
内容から考えてこれは破格です。
次に、短い。
クリアまでの時間は、約7時間です。
1日1時間でも1週間でクリア。
大作ゲームの合間や、平日の空き時間でも十分に遊びつくせる内容です。
そして、シンプル。
大半は読み進めるだけのADVです。何も覚える必要はありません。
時にネガティブに語られることもある、読むだけのノベルゲー。
しかし逆に言えば、チュートリアルなど一切必要ないジャンルでもあります。
これだけ敷居が低い上、しかも十分に面白いのだから、本作は誰にでもオススメしたい。
何を遊ぶかで迷うあなた。
とりあえずこの「シロナガス島への帰還」を始めてみてはいかがでしょう。
![](https://otateki-output.com/wp-content/uploads/2022/01/スクリーンショット-20.jpg)
終わりに
私は遊び終えた後、物語が残した余韻を感じるのが好きです。
でもやっぱり、展開で一気に持っていかれる作品もいいなと感じました。
間違いなく、こちらを楽しませるエンターテイメントな本作。
敷居が低い一本なので、迷う前にプロローグだけでも遊んでみてほしい。
すぐにエンディングまで“運ばれて”しまうことでしょう。
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