私もハネッコのようになれたら…と思うけれど

ゲーム雑記
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ポケットモンスター バイオレット』を遊んでいて、驚かされた。

私が最後に遊んだポケモンは
ポケットモンスター ムーン
もう6年も昔らしい。
このシリーズと言えば草むらを歩いていると野生のポケモンが“とびだしてくる”のが通例だった。
だがいつの間にやらそれも変わったようで、野生ポケモンとのエンカウント方式がいわゆるシンボルエンカウントに変化していた。

マップにいる野生ポケモンたちは、それぞれが思い思いの時間を過ごす。
中にはプレイヤーを見つけるや即突進してくる気性の荒いヤツもいるけど、なんとも人畜無害と言うか、のほほんと歩いているだけのも結構いて、最初の内は観察しているだけでも面白い(行動のバリエーションに乏しいためやがて飽きる)


自然体を見せるポケモンたち。
その中に、私を大いに驚かせてくれたポケモンがいた。
そのポケモンとは意外や意外。
三十路の真っ只中におり、最近はすっかりポケモンの名前を覚えられなくなった私にもなじみ深い
ポケットモンスター 金・銀』で初登場した、わたくさポケモン

ハネッコだった。

人に集まってくるハネッコたち

このシリーズの新作で「自分世代」のポケモンを見つけると、見知らぬ土地で知り合いに偶然出会ったような気分にでもなってくるから面白い。
フィールドをフワフワ歩くハネッコを見つけた私は「あっ! ハネッコだ!」とさっそく駆け寄ってみた。
ランダムエンカウントであった従来のシリーズならばこの辺りで演出と共にバトルが始まるのだろうが、今作では接触するまでそうならない。
うっかり触れてしまわないよう近づいてみると、ハネッコもこちらに気づいた。
その直後、ハネッコたちの取った行動に、私は驚いた。

なんと、正に興味津々の様子で、笑顔と時折「?」を浮かべながら、ハネッコたちもまたプレイヤーへと近づいてきたのである。

集まってくるハネッコたち

本作におけるエンカウント前のシンボル状態のポケモンには、いくつかの行動パターンがある。
その中の一つが「プレイヤーを見つけると集まってくる」。
ハネッコをはじめ、何種類かのポケモンにはこのパターンが設定されているようで、プレイヤーが近づくとポケモン側もこちらに向かって集まってくる。

人を見かけると、近寄ってくる。

この行動パターンに、驚かされたのだ。

私を警戒し続ける、近所の茶トラ

私の家の近所には、一帯をナワバリにしている野良猫がいる。
野良猫は何匹もいるけれど、特に茶色のトラネコは毎日のように姿を見る。
数軒隣のおばあさんが朝晩欠かさずエサをやっている(やるな)からだろう。
おばあさんの影響で、どうも自宅の真ん前が根城になっているようなのだ。

汎用
画像はイメージです

そういうわけだから茶トラとはすっかり顔なじみ。
なんだけれど、あやつめ、もう数年来の付き合い(?)だというのに、私への警戒を一向に緩めないのだ。

私の姿を確認すると、それはもう気合いの入った眼差しをこちらに向け、じっと離さない。
手足を縮め身を強張らせたその姿勢は正に臨戦態勢。
「そこから一歩でもオレに近付いみろ…」と言わんばかりに警戒するその姿は、まるで身辺警護中のセキュリティポリスだ。

もちろんこちらには茶トラを襲おうなんて気は全くない。
私は特別ネコが好きではないが、かといって嫌いでもない。
さすがに自宅敷地内でフンをされたりすれば困る。
だがそのようなことをせず、茶トラが茶トラのテリトリーで過ごすぶんには干渉するつもりは一切ないのだ。

だから私を全身全霊で警戒する茶トラを見るたびに「何もしないんだけどなぁ…」と、一向に理解し合えないお互いの関係にやるせなさを感じたりもする。
嗚呼、言葉の通じない相手とは如何にして意志を伝え合えば良いのだろう。

だが、野生動物たちの気持ちを想像してみれば、その警戒心は致し方ないとも思う。

画像はイメージです

自分の何倍も大きい体の生き物ってのは、それだけで怖いだろう。
昔PSVRで巨大生物に襲われる動画を見ようとしたことがあるんだけど、怖すぎて最後まで見られなかった。
茶トラだけでなく、カラスだってタヌキだってセミだって、人間に対してあんな恐怖を抱いているのかもしれない。
それに人間が多くの動物の生態系を破壊し、私利私欲で絶滅すらさせてきたのは紛れもない事実だし。

ただそれを踏まえてもなお、こちらに攻撃の意思は一切ないのに警戒されるってのは、ちょっぴり寂しさというか、心の距離の遠さをリアルに感じてしまってガッカリしたりもするのだ(動物からすれば全く身勝手な話である)

だからこそ、ハネッコの行動に私は驚いた。

こちらを警戒するのがデフォルトの野生動物たち。
しかしハネッコは違った。
睨むどころか、臨戦態勢をとるどころか、ニコニコ笑顔すら浮かべてこちらに無警戒に近寄ってくるのだから。
このまま近づいて接触すればバトルになり、私のクワッスのみずでっぽうを浴びせられる(効果はいまひとつだ…)恐れだってあるのに。

驚くと同時に、嬉しい気持ちになった。
だってあの茶トラとは何年経っても通じ合わない心が、今このハネッコたちとは通じているように感じられたからだ。
そう、こちらに攻撃の意思はないのだ。
それが、やっとわかってもらえた…

そしてなによりも、ハネッコたちを可愛いと思った。
今まで「可愛いけど進化してもパッとしないポケモン」みたいなイメージだったハネッコだけど、一気に大好きなポケモンになった。

今ではジムバッジもある程度集まってきて、クワッスは最終進化系になるまで成長してエアスラッシュ(ハネッコに効果抜群)を使えるようになった。
そろそろエンディングを見たいがため、先を急ぐ旅路ではあるが、それでもハネッコたちを見かけると思わず立ち止まってしまう。
ハネッコたちも、変わらず近寄ってきてくれる。
自分よりも何倍も体の大きいポケモントレーナーが、自分たちを一撃で戦闘不能にできるポケモンを何匹も連れて歩いているのに。

ハネッコのように、いられたら

茶トラのことを何だか悪者のように言ったけれど、何を隠そう、私もどちらかと言えば茶トラのような性格の人間だ。

初対面は言わずもがな、あるいは同僚や付き合いの長いフォロワーさん相手でも、どこか一線を引いてしまうと言うか、自分のパーソナル、本音、本性から遠く離れた部分しか見せられない。
それは一種の警戒、本当の姿を知られることの怖さ、距離を近づけることの不安からくる警戒であり、その点で私は人間関係において茶トラのような人物であると自覚している。
そしてそんな自分を変えられない。

だが、もしハネッコたちのように無警戒で、笑顔すら浮かべて人に近寄ることができたら…
それは同時に、相手の警戒を解くことにも繋がるのかもしれない。
相手だってきっと、こちらを攻撃しようなんて意志は全くなくて、むしろもっと近づきたいと思っているのかもしれない。

私もハネッコのようになれたら…と思うけれど。

うーん。オニゴーリよ。君は私に似ている(?)

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日々プレイしたゲームの、忖度のないレビュー。オタクしていて思ったことを書いています。ADV、音ゲーが特に好き。

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