【返校 -Detention-】レビュー・評価 低価格ながらも満足感の高い良ホラーゲーム

4.0
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1960年代の台湾を舞台にしたホラーアドベンチャー『返校 -Detention-』
配信開始した時から気になっていたんですが、なかなか触れずにいました
年末年始のセールでようやく購入し、一気にエンディングまでプレイ

台湾産でありながら、忘れかけた和ホラーの雰囲気を感じさせる良作でした

今回はその感想を。

返校 -Detention- とは


Nintendo Switchのeショップにて配信中
1296円(税込)

1960年代の台湾の学校が舞台の2Dホラーアドベンチャー
廃墟と化した学校に迷い込んだ少女を操作し、謎を解き明かしながら脱出を目指します

ボリュームは値段相応で、5時間程度でクリア可能
そのぶんゲーム内容は濃密
ホラー要素も強いため満足感は十分です

雰囲気満点でしっかり怖い良作ホラー

本作の最も良い点は、レベルの高いグラフィック、演出、サウンドが作り出す雰囲気であると感じました。

廃墟と化した校舎を探索する内容となっているのですが、とにかくおどろおどろしい空気をじっとりと感じながらプレイすることができます。

ボロボロの建物、狂気じみた装飾品、不気味に恐怖を煽るサウンド
2Dながらグラフィックの描きこみも丁寧
イヤにリアルに描かれた背景は、いつ何が起こるか分からない気味の悪さを常に感じさせます。

演出もよくできており、要所要所でしっかり怖がらせにくる。
特に血に関係する演出は印象的
ゲーム全体が淡い色使いの中、血だけは鮮やかに赤いので余計に怖い。

ホラーゲームとしての雰囲気は十分で、とにかくここにいたら危ない、脱出しなければと思わされます。

本作は台湾産のゲームですが、場の空気や演出でじっとりと怖がらせにくる手法は和ホラーのそれを感じました。
あの真綿で首を締められるような恐怖感を味わいたい、というプレイヤーには特にオススメできます。

当時の時代背景を土台にした物悲しいストーリー

舞台となっている1960年代の台湾。
この頃の台湾は、反体制派に対する厳しい弾圧が行われていた時代。
本などは厳しく検閲、反政府的な思想は取り締まられ投獄、処刑も行われていたようです。

本作のストーリーも、そんな時代背景の中で自由を求めた人たちの切ない物語。

真相が明らかになるにつれて後悔や償えない罪、戻らない命を感じさせる切ないストーリー
プレイヤーにやり切れない思いを抱かせながらエンディングへと進んでいきます。

実際にあった事を土台にしているだけに説得力がある内容。
演出の上手さもあって印象に残るシーンが多く、怖いだけでなくストーリーも楽しみながらプレイできました。

ゲームとしての真新しい体験は無し

本作は基本に忠実なホラーADVとなっており、何か新しい体験があるわけではありません。
探索し、アイテムを集め、謎を解いて先に進むことを繰り返す内容。

画期的な表現やシステムはありませんが、そのぶん覚えることも少ないためプレイのハードルも低い。
難易度も低いため、手軽に楽しむことができます。

しかし何か遊びとして新しいものを求めている人には向きません。

ボリュームは値段相応

本作は新品で1300円、セールで800円と低価格のDL専用タイトルです。

手ごろな値段で楽しめますが、クリアタイムは5時間程度と値段相応。
一日で遊びきれてしまう内容なので、映画を見る感覚でプレイするといいですね。
ゲーム体験自体は濃密なものとなっており、満足感は十分です。

総評 忘れかけた和ホラーの雰囲気を感じる、低価格良作ホラー

低価格ながらも、満足感は十分でしっかり怖い。
場の空気でじっとり怖がらせにくるその感覚は、CSゲームでは絶滅しかけている和ホラーを思い出させます。
一日でクリアできる内容ですが、そのぶん濃密な体験がつまっているので気になりません。 ホラーゲーム好きにはぜひ遊んでほしいタイトルです。

ゲームとして新しいものや、価格以上の遊びごたえを求める人には不向き。
とはいえセール価格なら1000円を切る値段、試しに遊んでみる価値はありですよ。

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