PS3とWiiの時代、家庭用ゲーム機向け音ゲーは絶滅しかけていた。
PS2の頃まで、精力的に新作を発売していたコナミが、PS3時代に家庭用音ゲーからほぼ撤退してしまったからだ。
コナミは元々、ゲームセンター向けの音ゲーを多数手がけており、それらのPS2への移植にも積極的だった。
しかし、かつては社会現象にもなった音ゲーも、時代の流れと共に衰退。
コナミは、2009年に発売された「beatmania IIDX 16 EMPRESS + PREMIUM BEST」を最後に、家庭用への移植をスッパリとやめてしまったのである。
(音ゲー自体はPSP、Wiiなどで新作は発売していたが)
PS2向けに
・ビートマニア
・ポップンミュージック
・ギターフリークス&ドラムマニア
・ダンスダンスレボリューション
と、実に4タイトルもシリーズ展開していたコナミの撤退。
我々ファンには痛手だった。
家で本格音ゲーを遊べる時代は終わったのか、そう思ったプレイヤーは私だけではないはずだ。
ナムコの「太鼓の達人」やセガの「初音ミク Project DIVA」があるじゃないか、というプレイヤーもいるだろう。
私もプレイしたが、確かにこれらは素晴らしい作品である。
しかし、コナミのシリーズと比べると、どうしてもライトユーザー向けの雰囲気が強い面があるのも事実。
「面白いけど、もっとゲーセンの音ゲーっぽいのも遊びたい…」
そう願わずには、いられなかった。
今回レビューする「DJMAX RESPECT」
本作は、かつてPS2で音ゲーを楽しんでいた私にとって、正に「希望の光」とも言える作品だった。
一度は諦めた、家で遊べる本格音ゲー
それがPS4に帰ってきた。
オーソドックスなシステム。
140を超える収録曲。
初心者でも楽しめるものから、ゲーセンの猛者を唸らせるものまで、幅広い難易度の譜面。
ストイックに、自分と戦い続けるゲームデザイン
そうだ、俺はこんな音ゲーが遊びたかったんだ。
本作をプレイして、心の底からそう思った。
いきなり結論を言うと、音ゲーマーであるなら本作を遊ばない理由はない。
特にゲーセンで音ゲーを遊ぶほどのマニアなら、本作のストイックな内容は間違いなく刺さる。
では、詳しいレビューをしていこう。
DJMAX RESPECTとは
タイトル | DJMAX RESPECT(ディージェイマックス リスペクト) |
ジャンル | 音ゲー |
対応機種 | PS4 |
価格 | 通常版 4,800円(税抜)/5,280円(税込) DL版 4,444円(税抜)/4,888円(税込) |
備考 | DL版はセールで半額になっていることもあり。 steamでは、新要素が追加されたバージョンを配信中 |
韓国産、アーケードスタイルの音ゲー。
元々はオンラインゲームとして2004年にサービス開始したタイトル。
その後はPSP、ゲームセンターなどで新作を発表していた。
本作はそんなシリーズの集大成と言える作品だ。
PS4で楽しめる、ゲーセンスタイルの硬派音ゲー
ビートマニア風の、正統派なシステム
本作の音ゲーとしての基本システムは、はっきり言ってコナミのビートマニアと同じだ。
(同じ過ぎて過去にコナミと裁判沙汰になったこともあったが、現在は和解済み)
上からノーツが降ってきて、判定ラインに重なった瞬間にボタンを押す。
たまにスティックを操作することもあるが、やることはこれだけだ。
正統派過ぎて、新しさは全くない。
しかし、そのぶん余計のものが混ざっていない。
小難しい操作は一切ない。
時代に逆行するような、直球正統派音ゲー。
それがDJMAX RESPECTである。
初心者から猛者まで、140以上の楽曲と膨大な譜面を収録
大ボリュームの収録曲、そして多彩な譜面も本作の特徴だ。
PSPで発売されていたシリーズからの移植+新曲で、数は実に140曲以上。
ジャンルは馴染みやすいポップス、ロックからテクノやヒップホップまで。
正にゲーセンの音ゲーを彷彿とさせる、多様なタイプの曲がそろっている。
もちろん、肝心の譜面数はそれ以上に膨大
どの曲にも最低6譜面。難易度も幅広い。
・ガチ音ゲーって難しそう…
・家庭用音ゲーってヌルいんじゃ…
こんな印象を持っているプレイヤーでも大丈夫。
気軽に遊べる難易度から、ゲーセンで慣らした猛者を唸らせる超高難度まで用意してあるからだ。
腕前に合わせて、好きな曲を好きな難易度で楽しめるようになっている。
普通のコントローラーで遊べる
音ゲーというと、デカい専用コントローラーで遊ぶモノ…というイメージを持つ人もいるだろう。
本作にはそんな心配は無用だ。
元々どこかからの移植ではなく、PS4向けに開発された音ゲー。
そのため、全ての譜面が普通のコントローラーで遊べるように作られている。
公式が発売している大きなコントローラーなどは存在しないため、専用のものを用意する必要はない。
遊びとしての新しさは無く、幅も狭い
本作はストイックなアーケードスタイルの音ゲー
そのため、「より難しい曲を、より高いスコアでのクリアを目指す」以外の遊びは無い。
DIVAのようにキャラクターと触れ合ったり、デレステのように踊るアイドルを鑑賞したり…なんていう、音ゲー以外の遊びは一切ない。
音ゲーが好きな人にはそれで十分だ。
しかし、そんな「自分との戦い」みたいなものに、楽しさを感じない…という人にはオススメしづらいのも事実。
またシステム面でも、正統派過ぎる故に、新しさもない。
音ゲー部分以外の遊びが欲しい
ゲームとしての新しさを重視している
そんなプレイヤーにはオススメできない作品だ。
「有名な曲」は入っていない
本作には、最近流行のカバー曲などは全く収録されていない。
ほぼ全ての曲が、書き下ろしオリジナル曲
これを豪華と見るか、知らない曲ばかりでつまらないと見るか。
本作を購入する上での重要なポイントだろう。
初心者にとっては、最初の取っ掛かりとなる1曲が見つけづらいかもしれない。
つくづく、アーケードスタイルの音ゲーらしい作風だ。
(昔の音ゲーは、オリジナル中心で有名な曲はほとんど収録されていなかった)
総評
かつてPS2で発売されていた、コナミ音ゲーのようなゲームを求める人
また、ゲーセンの音ゲーに興味がある人には特にオススメの作品。
家庭用ゲーム機では発売されなくなったタイプの音ゲーなので、貴重な一本と言えるだろう。
その一方、ただ上手くなるだけのことに、楽しさを感じない
遊びとしての新しさが欲しい…なんて人にはオススメできない。
スマホアプリやインディーズでは多く発売されているが、家庭用ゲーム機向けはほとんど見られなくなったアーケードスタイル音ゲー
そんな絶滅しかけていたジャンルを愛していたプレイヤーにとって、まさに「希望の光」となりうるDJMAX RESPECT。
余計なものが混ざらない、純粋な「音ゲー」を遊びたい…そんなプレイヤーには間違いなく突き刺さる作品だ。
Switchで配信中のこちらも、音ゲーマーにオススメしたいタイトルだ。
DJMAXと比べると取っつきやすいビジュアルと、250を超える膨大な収録曲が魅力。
コメント
ブログ拝見させていただきました。
とてもわかり易い内容と面白さを感じさせられました!
DJMAXは以前から気になっていた作品なので「これは音ゲーマーとして買いたい!」と思っていたのでこの記事を機にダウンロードをしてみたいと思います~
コメントありがとうございます!
自分も音ゲーが好きで色々遊んできましたが、DJMAXはもっともオススメするゲームの一つです。
楽しんでいただけたら嬉しいです。