【シークレットゲーム KILLER QUEEN】レビュー・評価 デスゲーム×ギャルゲー、開幕。この狂ったゲームを、止められるか。

ADV(ノベル)
この記事は約6分で読めます。

ギャルゲーの舞台と言えば、やはり学園生活。
年頃の男女が同じ空間で過ごせば、自然と親近感が湧き、いつしか気になる存在になっている。

これはゲームに限った話ではありません。
古今東西のあらゆる恋愛の物語で、学園生活は舞台になってきました。
正に恋愛ものの王道と言える題材です。



しかし、王道にばかり触れていると、時にそれを外れた物語を求めてしまうもの。


今回レビューする「シークレットゲーム KILLER QUEEN」は、王道の真逆を行くギャルゲー

舞台は、命を賭けた「デスゲーム」
死線を共にくぐり抜け、その中で深まる絆を描く異色のギャルゲーです。




本作、はっきり言って文章は上手くありません。
やや語りすぎなナレーション
恋愛関係に至るまでの心理描写不足
気になった点は少なくない。


見どころは、とにかくデスゲームとしての展開が面白い点
どのルートでも、ゲームのルール、参加メンバーは同じです。
しかし、主人公の置かれる状況は大きく変化
後半になるほどゲーム展開が複雑になるため、最後まで先が気になる状況の連続でした。

今回プレイしたのはSwitch版です

タイトルシークレットゲーム KILLER QUEEN
ジャンルADV(ノベル)
対応機種Switch、他多数
価格1620円(Switch版)
プレイ時間の目安15~20時間

あらすじ

主人公は高校生の御剣総一(みつるぎそういち)
目を覚ますと、そこは見知らぬコンクリート張りの一室


金属製の首輪をつけられており、すぐそばに謎のPDAが。

「誰かに誘拐された…?」
「この首輪とPDAは…」


戸惑いながらも部屋をでて歩くうちに、同じような立場の人物たちと出会います。
そして彼らは、文字通りの命を賭けたゲームに参加させられていると、知ることになります。



舞台は6階建ての広大な施設内
72時間以内に、条件を満たして首輪を外せなければ殺される。
参加者は13名。
首輪を外す条件は一人一人異なっており、ある人は自分以外の全員の死亡、またある人は特定の人物を直接殺すこと。
それぞれが条件の達成を目指し、ゲームが始まります。

誰を信用するべきか
誰を疑うべきか

エスカレートする殺し合いの中、主人公とヒロインはゲームクリアを目指し、戦います。

総評

本作は選択肢無し、一本道のノベル型ADVです。

ルート中に分岐はありません
しかし展開が大きく異なるルートが複数用意されており、選択してゲームを開始します。
はじめは一つしか選べませんが、それをクリアすると次…と解禁が進み、最終的には4つのルートがプレイ可能。

後半に解禁されるルートほど、よりゲーム展開が複雑になるのがポイント。
同じメンバー、同じルールのデスゲームを繰り返すのですが、主人公の置かれる状況はどんどん複雑になっていきます。

・前回あっさり殺されたキャラが、次のルートでは重要人物
・殺人を躊躇わない危険なキャラと、次のルートでは騙されて手を組んでしまう

このように、新しいルートではこれまでを踏まえた応用問題のように、先の読めない内容へと発展していきます。
最後まで続きが気になる状況の連続で、一気に遊びきることができました。



一方で気になったのは、やや語りすぎなナレーション
一部ヒロインの心理描写が不足している点などです。

(詳細は後述)


決して巧みな文章でグイグイ読ませる…というわけではありません。
ナレーションが語りすぎて没入感を薄めてしまっている上、心理描写が足りない点が感情移入を妨げます。
複数ルートがあるとはいえ、一本道ノベルなのも人を選ぶでしょう。


とはいえ、それを考慮しても本作のストーリーは面白い。
退屈な部分がないわけではありません。
しかし同じメンバー、ルールでのゲームを繰り返し描く内容ながら、先に進むほど面白くなるストーリーは一見の価値あり。


デスゲーム×ギャルゲー
こんな異色の組み合わせに心惹かれるゲーマーなら、遊んで損なしの作品です。

詳しいレビュー

より複雑に。進むほど面白くなるストーリー展開。

前述の通り、本作は4つの一本道からなるADVです。
分岐は無し。(厳密に言えば一か所だけある。)
攻略順も決まっており、1つクリアすると次…と、解禁されていきます。



こちらが介入できる部分がないため、抵抗を覚えるプレイヤーも少なくないでしょう。

しかしその分、本作のストーリーは常に先が気になる内容に仕上がっています。

各ルートで少しずつ真相に近づき、また伏線が張られます
次のルートでは、それを踏まえた上での新展開…と進んでいきます。
一本道が4つ…というよりも、1つの壮大なストーリーを4つの物語で構成…といった方が適切かもしれません。

首輪の解除条件。様々ものがあります。



外せなければ死に至る「首輪」
これの解除条件が多岐に渡るのも、物語を面白くしているポイントです
もしかしたら、隣で笑う人物は皆殺しを狙っているのかもしれない。

もちろんギャルゲーらしい恋愛、登場人物たちの成長も大きなテーマになっています
しかし何より、デスゲームとしての展開が面白い


これが本作の最大の特徴です。

没入感を削ぐ、やや語りすぎなナレーション

本作は、会話文以外は、神の視点を持つナレーション…という語り口で書かれています。

これ自体に不満はありません
しかし本作のナレーション、ちと語りすぎな印象を受けました。

・「この時、この人物はこう考えていたのだ」
・「この人物は過去にこんな経験をしていた。なので、こう思ってしまったのだ」

このように、キャラクターの心情まで語ってしまうのです。


キャラの胸の内は、表情や行動から感じたいものです。
そこまでナレーションで説明すると、こちらが感じる余地が残りません。

またあまり神の視点で語りすぎると、プレイヤーが傍観者になってしまい物語へ没入しきれない。

良い悪い、というよりは文章のクセと言える点です。
しかし、せっかくの面白い物語。そこへ入り込むのを阻害していると感じました。

感情移入しきれない、恋愛に至るまでの心理描写不足

もう一つ、本作を遊んで気になったのはこの点です。

一部ではありますが、ヒロインが主人公に惚れるまでの心理描写。
これが不足していると感じました。


ネタバレを避けながら言いますと、

「会ったばかりだけど、私この人のこと好きなんだ…」

という展開がいきなり始まり、ズッコケてしまいました。


生死がかかった極限状態で、背中を預け合う男女がいつしか恋に…というのは、よくわかります。
しかし、それもあまりに突然すぎると、展開についていけなくなってしまう。

恋愛に至るまでの心の動きの描写は、ギャルゲーにおいてはとても重要だと思っています
ここにプレイヤーがついていけないと、燃える二人を冷めた視点で見ることになってしまいますから。


あくまで一部のヒロイン…なのですが。

終わりに

文章で魅せてくるタイプのゲームではありません。
ゲームへ入り込み切れない部分も目立ち、もったいないと感じます。

しかし、デスゲームものとしての展開は面白く、最後まで楽しむめる作品でした。

一本道なので人を選ぶかと思います。
抵抗の無い方は、遊んでみてはいかがでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました