NASAの火星探査車「パーシビアランス」が着陸したことがニュースになりました。
今後2年、生命の痕跡を探したり、小型ヘリの飛行実験などを行うらしい。
火星人は本当にいるのか?に、答えが出る日も近いのかもしれません。
ここでふと疑問に思いました。
人類って最近、月に行ってなくね?
調べてみると、人類が最後に月に降り立ったのは1972年
もう40年前のことです。
それ以来、人類が月に行ってきました!なんてニュースは聞きません。
車だの探査機だのは火星や小惑星に行っているのに、なぜ人類は月に行かないのでしょうか
最後に行ったのはまだ携帯電話もない時代
科学が大きく進歩した今、もう一度行く価値は大いにあるはずです。
今回は、人類が月に行かなくなった理由
そこから考える、練習の目的を明確にする大切さについて
月に行かなくなったのは、金がかかるし危ないから
人類が月に行かなくなった理由
何か深い事情があるのかと思いましたが、どうやら単純なことだったようです
行かない理由1:金がかかるから
NASAの2005年の報告によると、もう一度月に行って調査をするのにかかる費用は実に、14兆8000億円に上るのだとか。
あの新国立競技場の建設費用が1569億円なので、あれを100個くらい作れるだけの金がかかるんですね(そんなにいらない)
2005年の報告なので今はもっと安くできると思いますが、それにしても目玉の飛び出る金額です
あまりにも金がかかりすぎる。
これが月に行かなくなった第一の理由です。
行かない理由2:危険だから
月面とういのは想像以上に過酷な環境なようです。
月を覆っているチリは「レゴリス」と呼ばれ、これには細かい岩の破片や鉄粉などが含まれています。
これはとても鋭利で、吸い込めば有害なのはもちろん、宇宙服や船に傷をつけ、劣化を早めてしまう原因にもなるのだとか。
また宇宙は危険な放射線が飛び交い、大気がないため温度の変化も激しい。
月の温度は昼は110°C、夜はマイナス170°Cと、地球とは比べ物にならない過酷さです。
そんな場所に行く以上、万全の安全対策をしなくてはなりません
その安全対策にも大きな費用がかかる上に、本当に安全かどうかは行ってみるまでわかりません
月に行かない第二の理由
それは危ないから、です
じゃあ何でアメリカは月に行ったのか
金がかかる上に、危険
シンプルですが避けようもない2つの理由が、これだけ科学が発達した現代でも立ちはだかっています。
ではなぜアメリカは、もう40年も昔に、この壮大な計画にのりだしたのでしょうか。
アメリカが月に行ったのは、負けたくなかったから。
アメリカが初めて月に降り立ったのは1969年
この頃ソ連との冷戦の真っ最中
宇宙開発でもしのぎを削っていました。
そんな中、ソ連は世界初の人工衛星「スプートニク」の打ち上げに成功。
宇宙開発で世界トップだと思っていたアメリカは衝撃を受けます。
これに対抗すべく、当時のケネディ大統領は「アポロ計画」を発動
人類を月に降り立たせることを目指し、見事成功したんですね。
当時のアメリカにとっては、技術で圧倒し、その力を見せつけるための象徴として、「月に行く」ということそのものが大きな目的だったんです。
もちろんサンプルを持ち返り調査をする、宇宙開発を進めるなどの理由はあったでしょう。
しかしそれよりも、ソ連に負けるわけにはいかなかった。
アメリカが莫大なコスト払ってでも月に行ったのは、ソ連に負けたくなかったからです
「月に行くこと」が目的ではなくなった現代
アメリカが世界で初めて月に行ったのなら、なぜそれに対抗して今のロシアや中国は月に行かないのでしょうか
こぞって月に行ったりしそうですが、どこの国でもそんなニュースは聞きません。
その理由は上にも書いた通りなんですが、他にもう一つ
今の時代、「月に行くこと」にそれほど価値がなくなってしまった、というのもあるんです
どこの国も、宇宙に進出する本当の目的は「宇宙のナゾを解き明かすこと」であり、「月に行くこと」はゴールではありません。
負けじと月に行ったとして、真の目的である宇宙のナゾに迫ることに繋がるのか、と考えると、そうではない。
となると、莫大なカネを使い、危険を冒してまで月に行ってどうするの…という話になってきます。
人類の目的は、あくまで「宇宙のナゾを解き明かすこと」
月に行くことは、その目的を達成するための手段として、費用対効果に見合わない。
だからこそ、人類は月に行かなくなってしまったんです。
その練習の目的は明確か
我々は上達を目指して日々練習をしていますが、その目的は明らかになっているでしょうか
練習をするのは、その先に達成したい目標があるからです
しかし夢中になって練習をしていると、いつしか練習そのものが目的になってしまいます
練習のための練習、をやってしまうんですね
・あの曲をクリアしたい→足りない能力は何か→どんな練習をするかを決める
・練習をする→目的にどれだけ近づいたかを確認する→結果を練習内容に反映する
このように、練習と目的は常にセットでなくてはいけません。
格闘ゲームに例えてみましょう
格ゲーを練習する目的は、あくまで「対戦で勝つため」です
そのためにはコンボ、立ち回り、防御など、様々な要素の練習が必要になってくる。
ここでやってしまいがちなのが、ひたすらトレーニングモードでコンボを完璧に決められるように練習する…というヤツ
本当の目的はコンボを決めることではなく、対戦に勝つことです
まずコンボの最初の一発目を当てる、攻め込まれた時にしっかり防御する、これらもセットで練習する必要があります。
この練習が不十分なまま、いざ対戦してみると、せっかく練習したコンボもほとんど決められず負けてしまう
この時、自分に足りないのはコンボ以外の要素だと気づき、練習に反映させられればOK
しかし実際は、更にコンボ練習にのめり込んでしまうことがあります
これは完全に目的を見失っているパターン
真の目的はどこにあり、そのためには何が必要で、どんな練習をすればいいのか?
これを考えてみることで、新たな道が開けてくるかもしれません。
あなたの練習は、「月に行くこと」が目的になってしまっていませんか?
実は現在、人類は再び月に行くことを計画しています。
NASAは2024年までに有人月面着陸を目指しており、2028年までには月面基地の建設を開始することを目標として動いています。
その名も「アルテミス計画」……中二心をくすぐられますね。
今回はかつてのように、ただ月に行くだけが目的ではありません。
再びの月面着陸はあくまで過程であり、その先には有人での火星探査、そして宇宙のナゾの解明という最大の目的を見据えての「アルテミス計画」
私たちの練習も、アルテミス計画のように目的をはっきりとさせながら、行っていきたいですね