初めに書いておく。
自分はこの作品をコンプリートまで遊んでいない。
トゥルーエンドは見た。
しかし7本ある個別エピソードは一部しか見ておらず、またクリア後のおまけエピソードも序盤しかプレイしていない。
おまけエピソードがかなりのボリュームで、単純に飽きてきたこと。
個別エピソードを見るためには、長い時間のスキップを要すること。
このような理由で本作はコンプリートせず、この段階で感想を書くことにした。
タイトル | JUDGEMENT 7 俺達の世界わ終っている。 |
ジャンル | 新世界ADV |
対応機種 | PS4、Switch |
価格 | PlayStation®4 通常版 7,800円 PlayStation®4/Nintendo Switch DL版 7,000円 |
プレイ時間の目安 | 40時間 |
舞台は浅草。弱小ゲーム開発会社の面々が主人公
物語の舞台、浅草に拠点を構える弱小ゲーム開発会社『ジャッジメント7』に所属する7人がメインキャラクター。
低評価ゲーを連発する彼らが現在開発しているのは、ARを用いた新機軸のRPG。
そのテストプレイを浅草の往来で実施したところ、突如謎のバグが発生。
それにより主人公「午前零時(みさき れいじ)」がARを通り越して、仮想空間に迷い込んでしまうことから物語が始まる。
抜群に噛み合う7名のメインキャラ
本作を遊んでまず良いと思った点が、7名のメインキャラの噛み合いっぷり。
明確な主人公は存在するが、他の6人も常に物語に参加する。
この7名、その個性が実によく噛み合っていおり、キャラクター配置の技を感じた。
どのような場面、どのような組み合わせであっても、7名全員がいきいきと動き、シーンを盛り上げる。
特にそれが活きるのはギャグシーン。ここが最大の見どころだと思った。
たまたま最近、複数のキャラクターをメインとして常に登場させ、差もつけたくない場合、それぞれをどのようなキャラクターにすればうまく動くのか?ということに興味を持っていた(ラブライブ!など)。
本作はその成功例の一つではないか。
その他、主人公のキャラクター造形も見どころ。
まるでお手本のような「モテるんだけど不快感が一切なく、プレイヤーからもキャラからも好かれる主人公」を描いている。
もっとも、キャラクター一人一人には既視感があり、この“噛み合い”は本作だけでしか見られないものなのか?と考えると、そうは言い切れないのも確かではある。
特にタイトル画面は必見。こだわりのUI
本作はUIデザインに力が入っており、これはユニークな点だと感じた。
特にタイトル画面は誰もが驚くと思う。
UIは面白さに直接は影響しない。
ただこれも作品の一部であることは間違いなく、またUIから得られるものも含めてゲーム体験だと考えれると、無視できない要素だ。
凝った作りのUIで、メニュー画面を開くのが少し楽しくなったり、初めて見た時に「おっ」と思わされたのなら、評価点にしてよいと思う。
立ち絵+メッセージウインドウ型テキストADVのUIは、テンプレートがある。
大半の作品のUIはそのテンプレート通り。
もちろん、これを悪いことだとは思わない。どうしたって手間暇をかける優先度は低いポイントだからだ。
本作もシステム面は正統派テキストADVであるため、UIはテンプレートでも良かったはず。
しかしあえてそうせず、独自のものを作ろうとしている。
その意気込みも、このジャンルのファンとしては何だか嬉しいものだったりする。
後半は飽きる
本作は後半ほど面白さがダウンすると感じた。
というのも、本作は主に主要メンバー7人の絆の深まりを描いているのだけれど、そもそもゲーム開始直後の時点でも、7人はとても仲が良い。
そこにトラブルが発生。それを乗り越えて更に…と展開するが、もともとが十分すぎるほど仲が良いメンバーなので、トラブルを越えたことによって生まれる変化が見えてこない。
内面的な距離はいっそう近づいているのだろうが、プレイヤーから見るとトラブル→元の鞘に収まるを何度も繰り返しているだけにも感じられてくる。
だからこそ後半は飽きが来て、大ボリュームのクリア後エピソードも途中で「この辺でいいかな」と思ってしまった。
おまけにトラブルの内容も大筋で見るとややバリエーション不足だし、ギャグも面白いんだけど笑いの取り方がいつも同じで、これまただんだん飽きてくる。
あと、本作のギャグ。
何と言うか、ジェンダー問題などの視点で見ると、やや古いと感じられるかもしれない。
総評
話の展開の狭さにより、40時間級のボリュームを一気に遊ばせるだけの内容に仕上がっているとは言いづらい。
女性蔑視的な表現が気になるプレイヤーにもオススメできません。
一方で技ありのキャラクター造形と、その動かし方は大きな見どころ。
7人もいるメインキャラが常に、こんなにもいきいきと動き続けるのは、きっと緻密なキャラクター作りの賜物だと思う。
ボリュームは十分すぎるほど。こだわりのUIは間違いなく本作ならではでしょう。
ギャグが面白い作品なので、それが好きな方にオススメです。
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