一昨日あたり、こんなツイートをしました(ポストなんて絶対言わないぞ俺は)。
現在FF16を遊んでいまして、恐らく全体の3/4くらいまでは来ています。
ただここまで遊んだところで、どうも戦闘システムに飽きを感じ始めました。ゲーム序盤は積極的にザコにタッチするくらい楽しんでいたのに…です。そのため上記のようなポ……ツイートをしました。
お休み中で時間もありますし、今回はこのポs……ツイートを自身で深掘りしてみることにします。
本題に入る前に、筆者のこの記事を書いている時点でのプレイ状況を公開しておきます。
・進行度は75%くらい(そう表示されている)
・召喚獣はバハムートまで入手
・アクションゲームは苦手ではない
スラッシュアクションになったFF16のバトル
FF8辺りから、例外もあれど毎度独自の戦闘システムを構築、採用してきたFF。FF16はそのシリーズの中でも異質で、~FF7くらいまでの伝統であったコマンドRPGの要素をすっかり排しています。
ではその内容はどうなっているのかと見ますと、FF16の戦闘は『Devil May Cry』や『ベヨネッタ』で有名なスラッシュアクションの作りを、おおむねそのまま採用しています。本作の戦闘は完全にアクションゲームの作りで、FF7RやFF15には見られた「コマンドRPGとの融合」みたいな精神は、普通に遊ぶ限りは見られません。
元々はコマンドRPGとして一時代を築き、こと国内ではドラクエと並ぶジャンルの双璧であったFF。そのナンバリング最新作がこの方向へ舵を切ったことには、驚いたプレイヤーも多いかもしれません。もっとも、上記のFF7RやFF15などの過去作でも、既にターン制コマンドRPGからの変化に挑戦していたため、落ち着くところに落ち着いた印象も受けます。
さて、そんなFF16が分類されるスラッシュアクションには、いくつかのジャンルならではの特徴があります。
その一つが、ゲームプレイの美しさが重視され、ゲーム側も美しさを評価すること…であるように思います。
多くのスラッシュアクションはプレイヤーに美しさを求め、そしてどれだけ美しかったかを評価します。美しさは「スタイリッシュランク」などに名前を変えてゲーム内評価システムで採点されます。例えゲームをクリアできたとしても、美しさが伴わないと「ランクD!!」とか表示されます。もっと美しくプレイせよと言われてしまうのです。
では何をもって美しさとするのか。これは作品によって違うでしょう。しかし大抵のスラッシュアクションに共通する基準の一つに「無敵時間がある回避動作を駆使し、いかにダメージを受けずにコンボを継続できたかどうか」というものがあるように思います。
DMCにせよベヨにせよ、このジャンルでは敵の攻撃を受けること。それによりコンボを中断されるはことは美しくないプレイとされます。どれだけダメージを受けてもクリアはできますが、そのようなプレイは大抵、低いゲーム内評価を受けることになります。高いクリアランク獲得には被ダメージ量を減らすことが求められるゲームが多いように思います。コンボをガンガン決めるだけでなく、同時に敵の行動を見てしっかり回避アクションを取ることを求められるのが、スラッシュアクションの特徴だと考えています。
では被ダメージを減らすため、敵の攻撃を確認したら、とにかく回避行動を連発して避けまくれば良いのでしょうか?
いいえ。単に敵の攻撃を避けるだけではいけません。重要なのは、それに加えてこちらのコンボを継続することです。
回避を連発すれば敵の攻撃は当たらないでしょう。しかしその間はこちらも攻撃できない=攻めが途切れているため、コンボを継続できていないと判定されます。それもまたスラッシュアクションでは美しくないプレイとされる場合が多いように思います。
つまりスラッシュアクションにおける美しいプレイ=ゲーム側から評価されるプレイの一つの形は、敵の攻撃を最小限の動作で避け、攻めを途切れさせないプレイです。
最小限の動きで攻撃を回避すること。
これがいわゆる「ジャスト回避」であり、作品によってはジャスト回避成功時にボーナスを付与するなどし、これを目指すよう促します。『ベヨネッタ』のウィッチタイムなどが有名でしょうか。
このジャスト回避+ボーナスの仕組みが、FF16にも使われています。
FF16には「プレシジョンドッジ」と名付けられたジャスト回避+ボーナスの仕組みが採用されています。敵の攻撃が当たる直前に回避すると発動し、やや威力が高いカウンター技を発動できる…というもので、知り得る限りもっともオーソドックスな作りのジャスト回避です。
FF16のジャスト回避は極めて強力で、あらゆる攻撃に対する万能な解であると感じます。
そう感じる理由を書きます。まず本作には、回避不能な攻撃が存在しません。更に根本のジャストの判定が比較的甘めで、発動自体が難しくありません。じっくり見極めて発動させる匠のテクニックというよりは、その気になればオールジャスト回避を狙える範囲で調整してある印象を受けます。仮に失敗しても、そもそもが回避行動であるため、通常の回避に化ける(?)場合が多くリスクが小さい。
このような点から、FF16のジャスト回避はゲーム開始から終盤まで常に狙っていきたい、基本にして万能の防御行動になっている…と感じました。
しかし今の私の頭の中には、ある疑問が浮かんでいます。
果たして、このジャスト回避という万能な解は、FF16にマッチする仕組みだったのでしょうか?
数十時間かけて追及できる深みがあるか?
FF16はプレイ時間の長いゲームです。
普通に遊べばまず30時間はかかる長さで、AAAタイトルに相応しいボリュームと言えるでしょう。そうして長時間遊ぶことになるゲームならば、その基幹となる部分は、そのボリュームに耐える仕組みでなくてはいけないと感じます。
極端な話、あみだくじで勝敗が決まるゲームを50時間遊ばせるのはとても難しい。なぜなら、あみだくじには50時間かけて追及する深みがないからです(あったらすまん)。50時間を遊ばせたいのなら、50時間遊び続けても飽きない仕組みが必要だと思います。
その点でFF16のジャスト回避には、FF16のプレイタイムに耐えるだけの深みがないのではないか…と私は感じました。なぜなら、ジャスト回避が万能な解であってしまうと、どのような敵のどのような攻撃も「タイミングよく避けろ」で終わってしまうためです。
そのため、上記のポスt…ツイートをしたのです。
前述の通り、FF16の戦闘における防御行動は、基本システムレベルでは回避しかありません。そのため、敵のあらゆる攻撃に対する万能な解がジャスト回避になっているのです。これ以上の選択や工夫を入れる余地がほとんどありません。
FF16は長いゲームですから、プレイ中何度も敵と戦闘します。しかしどのような相手であっても、防御手段はいつもジャスト回避でOKです。いちばん最初に戦うゴブリンも、ゲーム終盤で戦うデカいドラゴンも、攻撃の予備動作を見て避ける。引き付けて避ける。とにかく避ける。そのあと殴る。それがずっと変わりません。相手が火を吹くか棍棒を振り回すかの違いはありますが、対応はいつも似通っています。
ジャスト回避というシステム自体に異を唱えるつもりはありませんし、FF16の戦闘そのものは、いちスラッシュアクションとして大変手触りの良いものだと感じています。
ただ私が問題だと感じたのは、防御における万能な解がジャスト回避で頭を打ち、それが数十時間ずっと変化しないことです。長いプレイで練度は上がるのに、その先のステップがないのです。
これだけ長く遊べるゲームなのですから、その上を目指す余地があっても良かったのではと思っています。
この主張の問題点について
上記の主張の問題点について、私自身が思いつく限りで回答などを書いておきます。
ジャスト回避の次のステップとしては、パリィやアビリティでの防御があるのでは?
これは私も考えていて、特にパリィは狙えそうな攻撃に対しては積極的に狙う練習をしています。
ただ、パリィはジャスト回避と比べるとリスクとリターンのバランスが悪く、次のステップというよりはやり込みの領域であると感じています。
アビリティでの防御は、そもそも事前にセットする必要があるためジャスト回避と同じレベルの防御システムとは考えにくく、またどのアビリティも仕組みとしてはジャスト回避と同じで「タイミングよく発動する」ものばかりなため、追及したくなる深みの要素とは考えづらいと感じます。
そのぶん、攻めには選択や工夫の余地がたくさんあるのでは?
確かに攻め手は多様で、私も新しいパターンを探しながらプレイしています。
ただ中盤に手に入る新たな攻めの選択肢は、いずれもクセが強く、使いどころがわからない。使うメリットが見えてこないというのが正直な意見です。序盤から使える攻めパターンが本作のシステムにもっともマッチしており、新しい選択肢はどれも色物のように感じています。多様な攻めを追求したくても、可能性が見える前にクセの強さに困惑するばかりです。選択と工夫の余地を作ろうとしてあること自体は否定しません。
以上です。
なんとか連休中にクリアしたいところです。サブクエ多くね…?