“こまどり”はね、殺されたのよ
「籠庭のクックロビン」 公式サイトより
「籠庭のクックロビン」は、ノベル形式のADV。
良いシナリオ、マルチエンド、物語を左右する選択肢…
これらADVの醍醐味を、手軽に、かつ良品質で体験できる一本でした。
タイトル | 籠庭のクックロビン | |
ジャンル | ADV(ノベル) | |
対応機種 | Switch、スマホ | |
価格 | 1200円(Switch) 無料(スマホ) | |
プレイ時間の目安 | 5時間 | |
備考 | スマホでは無料で配信 Switch版は課金要素が全て解禁されています |
総評
ロープライスながら、ADVの醍醐味を味わえる良作だと感じました。
・先が気になるシナリオ
・物語の行方を左右する選択肢
・どれもが印象深いマルチエンディング
ADVの基本であるこれらの要素を、本作はしっかりおさえています。
雰囲気づくりも上手く、作品世界に没入することができました。
特にユニークだと感じたのは、画面上部に表示される「真狂ゲージ」です(詳細は後述)
不満らしい不満はありません。
いくつか痒いところに届かない部分はありますが、プレイに大きな支障は与えません。
コンプリートまで5時間前後の内容。
低価格、短編ADVを探している方に、特にオススメです。
詳しいレビュー
低価格なのに、ADVの魅力しっかり
本作は1200円とロープライスでありながら、ノベルゲームの醍醐味を十分に味わえる内容です。
物語のジャンルは、ゴシックホラー
主人公ロビンは、怪物の巣と噂される古城で、メイドとして働くことになるのですが…
「ナゾ」がよく効いており、シナリオは常に先が気になります。
キャラクターデザイン、BGMや演出による雰囲気づくりも上手く、作品世界に引き込まれました。
コンパクトな物語の中に、8つものエンディングが用意されているのも好印象。
どれも何かしらの後味を残す結末です。
これからプレイされる方には、全てのエンディングを、順番に踏んでいくプレイをオススメします。
ナゾを更に深めるエンディングが多いため、後から回収するよりも、先に見た方が本作をより楽しめるからです。
分岐条件はフローチャートから確認できます。
・先が気になるシナリオ
・選択で変化するエンディング
ADVの基本であるこの要素を、低価格ながら良品質で楽しめる本作。
短時間でコンプ可能であるため、時間のないゲーマー、普段ノベルゲームを遊ばない方にもオススメです。
選択肢を面白くする、真狂ゲージ
本作の物語には、選択肢が随所で挿入されます。
この選択肢を単なる分かれ道以上のものにするのが、「真狂ゲージ」の存在です。
どの選択肢を選んだかによって、ゲージが真、狂のどちらかへと近づきます(動かない場合もあり)
真はともかく、狂とは物騒な一文字。
これが選択肢一つ一つに、ちょっとしたスパイスを与える良い工夫になっていると感じました。
少しくらい「狂」へ近づいたからといって、何かが起こるわけではありません。
物語は進み、ゲージは淡々と増減します。
ではいったい、どちらにどこまで近づいたとき、どんな事態が待っているのか…?
こんな疑問が、作品の不穏な空気をより強く感じさせてくれます。
終わりに
シナリオ、選択肢、マルチエンド…
低価格ながら、ADVの醍醐味をしっかり盛り込んである一本でした。
いくらか痒い所が残ってしまっており、不便さを感じる部分もあります。
ただ作品自体がコンパクトであるため、気になりだす前にコンプリートが見えてきます。
短く、それでいて面白いADVを求めている方に。
スマホ版なら無料配信されているため、気軽にプレイ可能ですよ。
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