【うたわれるもの斬2】レビュー・評価 ファンのための一本。キャラゲー以上を求めないならオススメ

3.0
3Dアクション
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その作品への評価を決める重要なポイントに、「何を求めているか」というのは大きく関わってくると、日々レビューを書いていて感じます。

今回レビューする「うたわれるもの斬2」は、決してアクションゲームとして良作とは言えない内容でした。

しかし「うたわれるもの」ファン向けとしてみれば、サービス精神が十分かつシンプルな操作でカッコよくキャラクターを操れる作りが好印象。
あくまでキャラゲーとして、それ以上は求めていない方にオススメです。

タイトルうたわれるもの斬2
ジャンル連撃アクションRPG
対応機種PS5 / PS4
価格プレミアムエディション:各11,880円(税抜価格 10,800円)
通常版:各8,580円(税抜価格 7,800円)
ダウンロード版:各7,700円(税抜価格 7,000円)
プレイ時間の目安10時間~(やりこみ次第)

総評

「うたわれるもの斬2」は、「うたわれるもの」シリーズのキャラクターで遊ぶ3Dアクションゲームです。
シナリオの土台は「二人の白皇」
ハクやクオンを操作し、物語を追体験します。



粗も多いですが、キャラゲーとしては十分楽しめる作品だと感じました。

シナリオは「二人の白皇」の物語そのままで、しかも細かい部分はナレーションによる語りのみ。
繋がっている前作「偽りの仮面」の内容に関してはあらすじの説明すらも無し…と、シリーズを遊んできたファン向けに振り切った作品です。

ハクやクオンなど、レギュラーメンバーだったキャラクターは全員が操作可能
原作を再現したアクションを簡単な操作で楽しめるよう作られており、”連撃”も原作そのままのアクションで搭載しています。
原作がSLGだったぶん、アクションゲームとしてキャラを直接操作して遊べるのはそれだけでも嬉しい。


小粒ですがオリジナルエピソードあり、シスやイタクなど原作ではレギュラーではなかったキャラクターまでプレイアブル化されているなど、サービス要素十分。
加えて原作の名シーンを3Dモデルを使ったムービーで見られるのも魅力です
やはり迫力が増しており、感動も一層大きくなります。

やりこみ要素も入れすぎなくらい豊富で、「うたわれるもの」の世界にいつまでも浸っていたい…という希望を持つファンならば、それこそ100時間以上でも遊び続けられるほど。

ファンのためのゲームとして、十分な出来です。



しかしやはりキャラゲーの性か、アクションゲームとしてみれば粗が多いのは否めません。

「無双」に近いゲームデザインでありながら、一度に出てくる敵の数が少ないため爽快感がない。
やりこみ要素は豊富にあるけれど、そもそものアクションにあまり長時間のプレイに耐えるほどの深みがないなど。
「うたわれるもの」のゲームでなかったら、今よりもずっと評価を落としていただろうと思います。



あくまでキャラゲー、ファンのためのゲームとして。
もう一度「うたわれるもの」の世界で、クオンやネコネたちとの時間を楽しみたい…という方にオススメします。
元がSLGなぶん、アクションが苦手…という方もいるでしょうが、操作はとてもシンプルなので心配いりません。
好きなキャラクターをカッコよく動かす楽しみを味わえます。


一方、アクションゲームとしての面白さを重視する方にはオススメしづらい。
シンプルなぶん深みはなく、アクションとして良い作品とは言えません。
やりこみ要素もひたすら数字を増やすタイプの地道なもので、水で薄めているような印象あり。
キャラゲー以上のものを求めてしまうと、不満が多く出てくるかもしれません。

詳しいレビュー

サービス精神旺盛。「うたわれるもの」ファンのための作品。

本作はADV+SLGであった「うたわれるもの 二人の白皇」を、アクションゲームに変えて作られたシリーズファン向けの作品です。

SLGは「指示を出す」の感覚が強いジャンル
本作はアクションゲームになったことで、キャラクターを直接操作して遊べるのが魅力の内容に仕上がっています。

オシュトル(ハク)、クオン、ネコネ、キウル…etc
原作でレギュラーだったキャラクターは全員操作可能
更にルルティエの姉であるシスや、ナコクの皇子イタクなど、原作では正式に加入することのなかったキャラまでプレイアブル化

数は少ないですが原作にはなかったオリジナルエピソード(ギャグ寄り)もあり、ファンへのサービス精神は十分な作品だと感じました。

簡単な操作でカッコよく。原作再現度の高いアクションを堪能。

原作がコマンド操作でのSLGだったので、キャラクターを直接操作するアクションゲームはちょっと苦手…という人もいるかもしれません。
しかし本作は操作がとてもシンプルにまとめられており、誰でも簡単に、それでいてカッコいいアクションを楽しめます。

ボタンを連打するだけでも、原作通りのカッコいいアクションをスムーズに繰り出すことが可能。
キャラクターの動きは滑らかかつ躍動感が強いため、まるで格闘ゲームの難しいコンボを決めているような気持ちよさを手軽に味わうことができます。

原作での必殺技のような存在であった「連撃」ももちろん搭載。
こちらもまた原作に忠実に作られており、アクションゲームになったことでより増した迫力と同時に、懐かしさも感じながらプレイできました。

豊富なやりこみ要素。いつまでも「うたわれるもの」の世界を。

どこまでやらせるんだと言いたくなるほど、豊富に用意されたやりこみ要素も本作の特徴です。

ゲームの難易度は、初めは3段階からしか選ぶことができませんが、ゲーム内通貨で解禁することにより最終的には20段階にまで増加。
比例して得られる経験値も大きくなっていきます。
ゲームの難易度に合わせてより強力な装備品がドロップする”ハクスラ”まで盛り込んである。



レベルを上げて得たポイントを割り振って、自由にキャラを強化する「スキルボード」の存在まであり、多様な面でキャラクター強化の上限がとても高く、かつ自由に設定されています。

CSでは一段落ついている「うたわれるもの」の世界に、いつまでも浸っていたいというファンも多いことかと思います。
本作はその希望に応えるだけのやりこみ要素を多分に持っており、遊ぼうと思えばそれこそ100時間以上でも遊べる内容になっています。

…しかし。

シンプルなぶん、アクションの深みは無し。

本作のアクションはシンプルにまとまっており、このジャンルに馴染みのない人でも安心してプレイ可能です。
それでいてやりこみ要素が豊富なので、遊ぼうと思えば何時間でも遊べてしまう内容。

しかし実際のところはシンプルになっているぶん、その豊富なやりこみ要素に応えるだけの深みを持ったゲームではないと感じました。

アクションはほぼボタン連打でもどうにかなるほどシンプルですが、それだけに取れる行動の選択肢も少なく、遊んでみるとすぐに底の浅さが見えてきてしまいます。
どの敵に対してもワンパターンな戦法になってしまいがち…と言いますか、他の戦法など作りようがないほどシンプルになってしまっているのです。


簡単な操作でカッコよく動かせる分、上達によってもっとカッコよく、よりこちらのアクションを洗練させていく楽しみもありません。



やりこむことで複雑なアクションができるようになる…というタイプではありません
とにかく戦闘を繰り返し、RPGのように、ひたすら攻撃力や防御力の数字を伸ばすことを目指す…これが本作のやりこみです。

やりこみ要素は豊富です。
しかし実際に長時間やりこみたくなるほど深みを持ったゲームかと言えば、そうではないと感じました。

「無双」と呼ぶには足りていない爽快感

本作はいわゆる「無双」に近い作風のゲームになっています。
パッケージ裏にも「無数の敵」とあり、プレイした感覚もそれに近い。

「無双」と言えば、ワンアクションで大量の敵を蹴散らす一騎当千の爽快感が肝となるジャンル
しかし、本作はこの爽快感が足りておらず、大きな不満が残りました

まず一度に出現する敵の数が少なすぎて、一騎当千の気持ちよさがありません。
こちらのアクションは派手でカッコいいのに、敵は小粒なザコが少数出現して突っついてくるばかり。
これではまとめて吹っ飛ばす爽快感を味わえません

またアクションの”巻き込み性能”が低いのも気になる点です。
状況によってはザコがわらわらと群がる場面があり、ここぞとばかりにボタンを押すのですが、一度に攻撃できるのは目の前の数体のみでガッカリすることが多かったです。



もう少し横に攻撃範囲を広げて、多数の敵を巻き込めるようにすれば、爽快感は大きく上がったと思うのですが。
必殺技であるはずの「連撃」も、アクションはカッコいいのに思ったよりザコを巻き込めず、見掛け倒しのように感じられました

終わりに

「うたわれるもの」ファンの方であり、キャラゲー以上のものは求めていない…という方に、本作をオススメします。
高品質とは言えなくとも、やはり好きなキャラクターを直接操作してアクションゲームを遊べるのはそれだけでも嬉しい体験。
懐かしさも感じながらプレイできました。


アクションゲームとしての遊びごたえも求める方には、オススメできません。
操作が簡単なぶん底もすぐ見えてしまう内容で、無双の爽快感も十分に味わえるとは言い難い。
やりこみ要素は豊富ですが、実際にやりこみたくなる内容ではありませんでした。


現在はスマートフォン向けアプリとして「ロストフラグ」が動いている本シリーズ。
CSでの新作は5年ぶりとなる本作で、「二人の白皇」の世界にもういちど飛び込んでみてはいかがでしょうか。

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