先日テレビシリーズの感想を書いたガルパン
本来であれば、劇場版、最終章1話と順を書いて追って書いていくところです
しかし、最終章3話が公開目前に迫った今、どうしても第2話の感想を書いておきたかった。
なぜなら、私は最終章2話がきっかけでガルパンの沼へと沈んだからです。
これを見るまで、私にとってガルパンは、「普通に面白い」アニメでした。
しかし今は違います。
全てを変えたのは、この最終章2話なんです。
その感想は、今このタイミングでどうしても書いておきたかったんです。
ただ放心させられた、BC自由学園の散り様
最終章2話の印象に残ったシーンとして、まずあげたいのはBC自由学園の散り様です。
このシーンを初めて映画館で見たときは、その衝撃にただ放心させられるばかりでした。
大洗のなりすまし作戦にハマり、味方を何台も撃破してしまうBC。
一度は大洗を追い詰めたBCですが、窮地に追いやられます。
見ているこちらも、こうなってはひっくり返すのは難しい…決まったかな…と思ってしまう場面。
マリーが合流、反撃に出るBC。
撃破されていく味方。残るは押田、安藤、マリーのみ。
そこにバレー部チームの不意打ち。ダメだ、また撃破される…
ここから、明らかに流れが変わります。
押田、安藤の間に割り込むようにして入り、撃破を狙うバレー部チーム。
しかしBC自由学園は、このバレー部チームを見事なコンビネーションで撃破
その仲の悪さを利用され、同士討ちを誘発させられてしまったBC。
それなのに、この局面でまさかの連携プレーを見せてくる。
押田、安藤の間に割り込んできたバレー部チームを、マリーが一撃で吹き飛ばす。
BCの仲を引き裂く作戦を取った大洗に、鉄槌を下すような見せ方に驚きました。
そして流れるBCのテーマソング、玉ねぎの歌…え…!?
いやちょっと待ってください。おかしいじゃないですか。
だってBCはライバル校ですよ。倒すべき相手です。
その敵をピンチに追い込んだんだから、ここで流れるのは大洗のテーマソングのはず。
なぜ、なぜ敵側のテーマソングをここで流すんですか。
この辺りから、まるでBCの方が主人公であるかのような見せ方が始まります。
ライバルであるBCを鼓舞する演出で、逆転劇でも始まるかのかと、見ているこちらを煽ってきます。
これにはただ衝撃を受けました。
大洗と同じくらい、BCだって勝ちたい。敵の作戦にハメられて、今この瞬間、いちばん悔しいのはBCなんだ、そう気づかされました。
そしてこの窮地に追い込まれても、玉ねぎの歌と共に前進するBCの表情には、一切の迷いも焦りもない。
この局面でもまだ、自分たちの勝利を信じて疑っていない。
勝つぞ!とか、逆転してやる!とか、そういう言葉は何もありません。
ただ、行進曲と共に、前進する。
大洗の勝利よりも、決して諦めずに前進するBCの姿
それをこちらの目に焼き付けようとする演出に、ただただ驚き、そして放心していました。
このBCの散り様、最終章2話の大きな見どころの一つです。
戦いの中で成長する、知波単
本作を見て、知波単の強さに驚かなかった人はいないでしょう。
劇場版では活躍はするものの、どこか未熟な印象の目立っていた知波単。
しかし、最終章2話では大洗を追い詰める。
というか、この2話だけを見れば、知波単のペースで試合が進んでいるようにすら感じます。
あの劇場版の姿から、ここまでの強さを誰が予想できたでしょうか。
まず最初に、海賊旗を撃ち抜かれたから、という理由で怒り、飛び出したサメチームが撃破されてしまいます。
これはなかなか意外な展開だと感じました。
最終章からの新キャラであるサメチームをこんなに早く退場させてしまうのか…と。
みほ達はサメチームに戻るよう言いますが、それを聞かずに突っ込んだが故の撃破。
新加入のサメチームを統率しきれていないのに対し、知波単は対照的な鉄の統率力で大洗を攻め立てます。
「足踏み突撃」や「ごきげんよう突撃」など、様々な突撃で攻勢を見せる知波単。
しかしそれも長くは続かず、ラストシーンではついに大洗の作戦にハマってしまいます
雨でぬかるんだ泥沼地帯におびき出され、大洗に包囲されつつある絶体絶命の状況。
あぁ、やっぱりダメか。惜しかった…BC戦同様、一度は大洗の勝利を感じさせます。
そんな中、隊長、西絹代の口から飛び出した言葉はまさかの「撤退」
劇場版の舞台ですら、決して突撃をやめようとしなかった知波単が、ここにきてついに撤退する。
ハッとさせられました。
大洗はこれまで、強豪との戦いの中で成長してきました。
しかし、それは何も大洗だけじゃない。
知波単だって優勝するために必死で練習を積んでいるはずで、同じように成長しているんだと、そう気づかされるシーンでした。
まるで知波単の方が主人公であるかのように、錯覚させられるラストです。
こうして見られる、ライバル校たちの成長
これは最終章2話のキーポイントであると思っています。
最後の最後で、最大の壁を破った知波単
その勝負の行方は、続く第3話へと委ねられます。
挑戦「される」側になった、大洗女子
最終章2話を見て強く感じたのは、大洗はもう挑戦「する」側じゃない
「される」側なんだということです。
思い返せば、大洗は常に挑戦者でした。
対する相手は大洗を取るに足らない相手と考え、どこか油断している節があった。
そこをみほの作戦でひっくり返し、見事全国優勝、大学選抜チームすらも破ってきました。
しかし、最終章の軸になっている冬季大会は違います。
今の大洗は挑戦「される」側であり、ライバル校たちはみな打倒大洗で向かってくる。
かつてのような、油断する相手の隙を突くような戦術は使えません。
何せ大洗は既に立派な強豪。ハナッから全開で来るからです。
むしろ、油断して足元をすくわれるのを警戒しなければならないのは大洗の方。
事実、BC戦でも知波単戦でも、大洗はちと相手をナメているように見えます。
BC戦はゆかりの偵察によりチームの仲が悪く、まともに試合できる状態ではないと判断。
しかしいざ試合が始まれば、その判断は完全に誤りであったことが分かります。
BCは、試合前の偵察という大洗の得意技にしっかり対策を打っていた
同じ戦術が何度も通用するはずがありません。
今の大洗は強豪校
BCは勝つために様々な大洗対策を考えていた。
知波単戦でも、同様の油断が見られます。
ミーティングでは、突撃しか能のない学校だ、と判断してしまう川島
さすがにみほは油断すべきじゃないと言います
そして試合が始まれば、油断どころか早々にサメチームを撃破され、知波単の方が押しているように見える展開。
最終章2話は、明らかにライバル校たちにスポットが当たっています。
BC戦では、勝利する大洗よりも反撃するBCに。
そして知波単の成長に。
まるでライバル校を応援するかのような演出が多いと感じます。
制作側は、これまでとは全く違う、ガルパンの新たな一面を見せようとしている。
大洗を倒すために、必死で立ち向かってくるライバルたち。
その勇姿にスポットを当てています。
こうなった以上、第3話では何が起こるか分かりません。
もう知波単も黒森峰も、未知の相手である継続も、大洗をナメて油断することはありません。
BCがあれだけの反撃を見せたように、知波単が戦いの中で成長したように、ライバル校たちの持つ何かを見せてくれるのではないか。
もしかしたら、大洗が負けるのではないか。
だって大洗は、これまで公式戦で一度も負けていません。
そして、一度も負けない主人公なんていません。
26日公開の、最終章第3話。
楽しみで仕方がありません。