【Switch新作発売スケジュール】12月の主な新作テキストADV
2023年11月26日現在確認できる、Switchの新作ADV発売スケジュールをまとめています。
Nintendo Switch
発売日 | タイトル |
---|---|
12/7 | ・深淵のユカラ(乙女、DL専) ・桃の華は鮮血に染まる(DL専) |
12/21 | ・クダンノフォークロア ・レヱル・ロマネスク origin(PS4版あり) ・2045、月より。(PS4版あり) ・D.C.5 ~ダ・カーポ5~(PS4版あり) |
12/22 | ★ONE. |
※★マークは下でピックアップ
一言コメント
年末とはいえ少ない…けど、ONEは今年最大の注目作の一つ…だよなぁ?
今月の気になる新作ピックアップ
今月発売、注目の新作をピックアップして紹介します。
ONE.(PC、Switch)
12月22日発売予定。
美少女ゲームジャンル内での「泣き」の源流の一つである『ONE.』が装い新たになって発売されます。
美少女ゲームに泣きを取り入れた初めての作品と言えばkanon…というのが通説。ですが、その更に源流であったのが本作です(Wikipedia情報)。そのため歴史上は極めて重要な作品ですが、移植は長らく行われておらず、今回はメーカーの30周年企画としてリファインされました。
どうも情報が掴みきれないのですが、恐らくシナリオはそのまま?
キャラクタービジュアルは一新されています。
体験版を遊んでみますと、CLANNADの岡崎、AIRの往人にも通ずる、主人公がギャグやいじりを連発するスタイルは既に確立されていたようで、そのボケっぷりが印象的です。いじりに関しては、そこまでやっていいのか?と言いたくなるほど。
ただUIがPC向けであるため、Switch版はやや操作周りに不便を感じました。
原作の発売は1998年。レトロ中のレトロでありますから、本編を今遊んでどう感じるかは未知数でしょう。私自身は『Kanon』にやや不満を持っていたので、更に古い本作をどう感じるかは結構気になるところです。
タイトル | ONE. |
ジャンル | ノベルゲーム |
対応機種 | Switch、PC |
発売日 | 2023年12月22日 |
価格 | メモリアルBOX:26,400円(税込) 通常版:8,250円(税込) ダウンロード版:7,700円(税込) |
魔法使いの夜(PC)
2023年12月14日配信予定。
蒼崎青子の学生時代を描いた作品『魔法使いの夜』がSteamでも発売されます。
本作は元々2012年にPC向けにリリースされた作品。これが昨年12月にSwitch、PS4に移植されており、今回は同様の内容をSteamでも発売する形です。
奈須きのこのシナリオを中心にして紡がれ、その世界観、設定を一定程度共有するTYPE-MOONの作品群。中でも青子は重要な位置づけである『魔法使い』の1人。本作ではそんな彼女の修行時代が物語られます。
本作は魔法バトルはもちろん見どころですが、メインは「人」である…というのが私の考えです。
キャラクターの心理が密である部分と曖昧な部分があり、密な部分では心理を重ねてキャラクターにトリップし、曖昧なところには自分なりの解釈を挟む余地が残されます。そうして立ち上がる人間をどのように感じたかで語りがいのある作品であって、一方で型月のお家芸であるスリリングな魔法バトルももちろんあり。原作は10年近く前ながら、今でも語り草の演出面も見所です。
タイトル | 魔法使いの夜 |
ジャンル | ビジュアルノベル |
対応機種 | PC(再発売) |
発売日 | 2023年12月14日 |
価格 | 情報なし。 PS4、Switch版のDL版は6,600円 |
マーダーミステリーパラドクス このひと夏の十五年(PC)
2023年12月2日配信予定。
マーダーミステリーをビデオゲームで、かつオフラインプレイのみで再現した作品が登場します。
マーダーミステリーとは…私自身も未プレイなのでざっくばらんにしか言えませんが、多人数でプレイするディスカッション型の推理ゲーム。それぞれが物語の登場人物になりきり、誰が犯人であるかを議論して推理するゲームのようです。
本作はそれをビデオゲームで、かつ一人でもプレイできるように仕上げたもの。
体験板冒頭を遊んでみますと、プレイフィールは既存の証拠集め&推理型のADVに近いと感じます。
特徴は主人公自身も容疑者であることでしょうか。NPCからのプレイヤーへの信頼度が可視化されており、これが低いと逆に疑われてしまいます。というのも、リアルマーダーミステリーにおいては基本的に全てのプレイヤーが容疑者とされるようで、これは本作でも変わらないようです。事件を解くだけでなく、信頼を損なわないような立ち回りが求められます。
挑戦を感じる一方、あくまでも体験版の範囲内の印象ですが、ゲーム進行の手順がやや煩雑にも思えました。話を聞く、謎が提示される、証言を集めて謎を解く、更に証拠を入手して…と、工数が多く、この点でスッキリしているとは言い切れない印象。
もちろん、本編を遊んで印象が変わる可能性は十分にあります。
ちなみに物語部分は薄味。各キャラクターや作品世界のセットアップはかなり駆け足に見え、この点の作りがどの程度の深みがあるかも気になるところ。
タイトル | マーダーミステリーパラドクス このひと夏の十五年 |
ジャンル | マーダーミステリーADV |
対応機種 | PC |
発売日 | 2023年12月2日 |
価格 | 2,200円 |
主要タイトルで振り返る2023年のテキストADV 上半期編
残すところ1ヵ月となった2023年。
各月に発売された主要タイトルと共に、2023年のテキストADVを振り返っていく企画です。
1月…CIRCUSの看板シリーズ新作が登場
2023年1月発売の主なテキストADV
・D.C.5 ~ダ・カーポ5~
・7 Days to End with You(移植)
・サマータイムレンダ Another Horizon
CIRCUSの看板タイトルから始まった2023年。
前述の通り今月にはSwitchにスピード移植&来年1月末にはファンディスクも発売が決定しており、さすが…と言ったところ…?
言語読解ADVとしてバズった『7 Days to End with You』のSwitch移植もありました。
2月…早春に咲く2本の桜
2023年2月発売の主なテキストADV
・さくら、もゆ。-as the Night’s, Reincarnation-(移植)
・サクラノ刻-櫻の森の下を歩む-(R18)
PC版が高評価を獲得した『さくら、もゆ。-as the Night’s, Reincarnation』
8年の時を経てついに発売され『サクラノ刻-櫻の森の下を歩む-』
2月はタイトルに桜を関する2本が発売になりました。
サク刻は発売自体は予告されていたものの、実際にリリースされるまでに長い時間がかかった作品。発売日が正式にアナウンスされたときは、R18作品ながらもファミ通が報じるなどし、話題性の高さを感じました。
一方、Switchに移植された『さくら、もゆ。-as the Night’s, Reincarnation』もPC版が大変評価の高いタイトルです。
3月…戯画が活動を終了。高評価を獲得したパラノマサイト発売。
2023年3月発売の主なテキストADV
・パラノマサイト FILE23 本所七不思議
・ghostpia シーズンワン
・ふりかけ☆スペイシー
3月は2023年特に話題になったミドルプライスタイトルが複数発売。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』はニンテンドーダイレクトから話題になり、そのまま内容の面白さで評価を獲得しました。メタ的な演出でも話題に。当ブログでもプレイして簡単なレビューを書いています。
ブラウザゲームからスタートした『ghostpia シーズンワン』も高評価。このタイトルは自分はノーマークだったので驚きました。物語中に遊びを入れつつ、締める部分は締めており、主人公の心理を伝える描写は丁寧であった印象です。シーズンツーがどうなるのかも気になります。
また美少女ゲームブランド「戯画」が活動を終了したのも、この月でありました。
4月…引き続きミドルプライス帯に注目が集まる。
2023年4月発売の主なテキストADV
・コーヒートーク エピソード2:ハイビスカス&バタフライ
・あの、素晴らしい をもう一度/再装版HD(移植)
・カルタグラ~ツキ狂イノ病~ 《REBIRTH FHD SIZE EDITION》(R18)
3月同様、4月もミドルプライスに注目作がありました。
まずはチル系ADV(勝手に命名)である『コーヒートーク』の続編が登場。私は未プレイですが高評価を得ている印象です。エピソードには前作と繋がりがあるようです。
当ブログでも関連する記事を書いた『あの、素晴らしい をもう一度/再装版HD』は1999年の作品の移植作品。ANOSと名付けられた独自のシステムを活用し、自身で分岐を探して良いエンディングを目指すスタイルのADVでした。現代では珍しくなりましたね。
5月…有名伝奇ADVが復刻。個人的2022年GOTYもSwitchに登場
2023年5月発売の主なテキストADV
・アカイイト&アオイシロHD REMASTER(移植)
・蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1+2S(移植)
新作が減少しがちな5月の注目作になったのは『アカイイト&アオイシロHD REMASTER』。
PS2時代に高評価を得た本作の移植は、発表当時にも話題になりました。
美少女ゲームの文脈を色濃く受け継ぎつつ、個別ルートを回るほどに巨大な一本の物語が完成していく様は色あせない特徴に感じる一方、移植度の低さには不満の声もあがっていた印象。
PCから移植された『蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2S』は、元のPC版は2022年個人的GOTYであったタイトルです。
私はテキストADVを評価する際、その先をプレイしたいと思わせてくれること、物語世界に深くトリップできることを重視しているのですが、本作は波乱だらけの展開で前者を、ヒロインとライバルの心理描写で後者を達成してくれていると感じました。特に展開の面白さは格別でありました。…が、後日談であるためプレイのハードルは高めです(前作のプレイが必須)。
6月…ぶっちゃけパッとしなかった折り返し地点(ゴメン)
2023年6月発売の主なテキストADV
・放課後シンデレラ2(移植)
・はつゆきさくら(移植)
・ましろ色シンフォニー -Love is pure white- Remake for FHD(R18)
2023年の夏はテキストADVにとって結構キツい時期だった…というのはあくまで私の感想で、個々のタイトルの出来不出来ではなく、話題になるタイトルが少なかったという意味です。
実はタイトル自体はある程度の話題性は持っているのですが、どうしても美少女ゲームファンの間での話に留まってしまうんですよね。例えば再び移植された『はつゆきさくら』はサガプラネッツの金恋に次ぐ高評価タイトルですし、『放課後シンデレラ2』も内容に変わった試みがなされています。
どうにも閉じた雰囲気を感じてしまう一か月でありました。
上半期を総括して一言
ADV全体に言えることかもしれませんが、やはりミドルプライスタイトル…というか、10時間以内のプレイ時間の短いタイトルが話題になることが多かったですね。
通して見ればもっとも注目すべきは『サク刻』であるとは思うのですが、18禁+前作のプレイ必須ということで、元々ビジュアルノベルのファンで、R18に興味があって、かつ歴が長い人…と、かなり前提条件がついてしまうように思います。長編ですしね。
一方でパラノマ、Ghostpiaやふりかけ☆スペイシーなどは単発な上に手頃で短く、内容も入ってきやすいためか、より広くに伝わった印象です。
またR18界隈で気になるのは、どうもリマスターや復刻の流れが活発である点。
これ自体に良し悪しは思いませんが、ここ最近になって妙に増えているように思い、何を示しているのか気になっています。今回取り上げた半年だけでも、ハピメア、ましろ色、カルタグラなどがリマスターされています。いつもこんなもんだっけ?
来月は下半期を振り返るよ。
終わりに
スケジュールはスカスカながらも注目作は数本あって安心の12月です。ONE.がこの時期で本当に良かったなぁ…
今年も残り少なくなってきたので、今月は前年同様に上半期の振り返りをやってみました。
今年は去年と比べると明らかに話題作の数が不足していまして、どうなることやら…と思ったのですが、ミドルプライスタイトルの活躍は思った以上に目立っていましたね。…というか、2022年は今振り返ると異常な一年で、数年に一本の大型新作が一同に会する…みたいなことになっているのですよね。
軽く思い返してもヘンプリ、エヴァーメイデン、EVE、アンビシャスミッション、あおかなEX2など、R18ばかりですが大型の新作が次々に登場していて、話題には事欠くことはありませんでした。
一方で今年はミドルプライスタイトルの頑張りに支えられています。来年はどうなるんだろうか。
皆さんからの情報も募集中
『マシュマロ』にて皆さんからの良作の情報提供、その他ブログに対する意見などを随時募集しています。
特にフリーゲーム、未翻訳作品、レトロゲーム、スマホ向けアプリなどは大歓迎。
もちろん普通の質問も答えます。
著作権について
当サイトで掲載している画像、動画、引用文等の著作権は各権利者所有者に帰属しております。
掲載内容に問題がありましたら権利者ご本人様よりお手数ですが当サイトのお問い合わせフォームよりご連絡下さい。
内容を確認次第ただちに削除修正等の対応を致します。