良作リズムアクション『MELATONIN』には「英語ができなくてよかった」なんて負け惜しみを言いたくなる体験があった

ゲームレビュー
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Steamで配信中のリズムアクション『MELATONIN』を遊びました。
これは良いですね。

スペシャルサンクスにつんく♂さんの名前があることからも『リズム天国』のフォロワーであることは間違いないでしょう。良いところを吸収しつつ、独自の魅力も持っています。モチーフが主人公の夢の中ということで、どれもシチュエーションが面白い。まぁ『リズム天国』も相当ヘンなシチュエーションばかりですが、もう少し夢想的と言いますか。主人公の深層心理が現れているようでもあって、いったい何を意味しているんだろう?と感じながら遊ぶことができます。

眠る主人公

ただ本作、今のところは一つ問題点があるんです。
それは「日本語に対応してない」ってこと。


開発スタッフのDavid Huynh氏によれば、2023年中にはローカライズ。日本でもSwitch版が配信される予定だそうです。今はSteamなら日本からでも購入できますが、その場合は全て英語のまま遊ばなくてはいけません。

「えーっ。ならSwitch版が配信されるまで待とうかな…」と思う方は多いですよね。

でも、もしアナタが本当に『MELATONIN』に興味があるなら、ぜひとも日本語に対応していない今こそ、遊んでみてほしい。

だって『MELATONIN』は、英語ができない人こそが味わえる楽しみがあるゲームですから。

タイトルMelatonin
ジャンルリズムアクション
対応機種PC
価格1700円
プレイ時間の目安3時間
備考Switch版も2023年中に配信予定

チュートリアルも全部英語…だけど?

↑は『MELATONIN』のあるリズムゲームのチュートリアルです。下に説明文がありますけど、まぁ読めませんよね。2023年1月2日現在は、こんな感じで全編英語です。

リズム天国』もそうですけれど、リズムで遊ぶゲームであっても、やっぱり言葉による説明は必ずあります。
「おサルさんが投げたゴルフボールをリズムよく打ちましょう
お手本をよく聴いて、同じリズムでボタンを押しましょう
とか。
そうじゃないと何を聴けばいいのか、画面内の何に注意すればいいのかが分かりませんから。

しかし『MELATONIN』は、そういう説明が全部英語なので、我々日本語オンリーの話者には一切理解できない。だからぶっつけ本番でやるしかありません。画面のどこを見ればいいのかも、どの音に合わせるのかも、実際にやりながら確認するしかないんです。

「そんな状態で上手くプレイできるの?」と思われるかもしれません。正直、私も最初は不安でした。

でもこれが不思議なくらい、できちゃうんです。

言葉が伝わらないからこそ、リズムを手繰り寄せて

マップからリズムゲームを選びます

人類の偉大な発明である、言葉。

しかし『MELATONIN』はそれが通じません。もちろん演出など視覚情報も使います。でもやっぱり言葉が通じない状態だと、これで良いのかな?っていう不安が拭えない。

だからこそ、私はリズムを頼りに遊ぶしかありませんでした。

言葉がないから不安だけど、でもきっとこんなリズムだと信じてボタンを押してみる。すると画面には「LATE」の文字。これくらいなら意味が分かります。タイミングが遅れているらしい。それならばと、次はきもち早く押してみる。「PERFECT」。これで良いみたい。いざ本番…すると遊べる、驚くほど遊べる。さっきまで「大丈夫かな…」と不安に思っていたのに、リズムがわかる。楽しくプレイできる。

正に、リズムが言葉の壁を飛び越える瞬間を体験しました。

言葉があったら、言葉で理解してしまうから

言葉ってとても便利ですから、言葉で説明するし、言葉で理解します。
しかし『MELATONIN』にはそれが通じなかった。でも、だからこその体験をすることができました。

私を導いたのは、リズムでした。もし『MELATONIN』が日本語に対応していたら、きっとこんな体験は生まれなかったと思います。だって言葉で説明されたら、言葉で理解してしまいますから。画面内の何を見れば良いのか…だとか、どのSEに注意すればいいのか…だとか。

過去にも言葉を使わずに理解したゲームはありました。でも、そこに言葉があるけれど理解できず、リズムを頼りにするしかなく、正にそのリズムが言葉を飛び越えて私とゲームをつないだ。

こんな体験は初めてでした。
だから思わず言いたくなりました。

「英語ができなくて良かった!」なんて負け惜しみを。


もちろん『MELATONIN』は日本語に対応したらつまらない…なんてことは思いません。元々が良いリズムゲームであるからこそ、リズムを頼りに遊ぶことができたのでしょう。ローカライズされてたくさんの人に遊んでほしいな、と感じています。

ただ、もし興味があるならば、日本語に対応していない今こそ遊んでみることで、実に面白い体験ができるかもしれません。
Steamウィンターセールの対象にもなっていますので、気になる方はぜひ。

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