【FF7R1戦闘】俺がサハギンのジャンプを絶対に許さない本当の理由 ※前作の話

3Dアクション
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この記事は2020年に発売された『FINAL FANTASY VII REMAKE』についての記事です。2023年に発売されたR2の内容は一切含んでおらず、言及もしません。

新作前に、前作を遊んで内容を思い出しておこう…そう思ってFF7Rを遊びなおした俺は、怒りのファイガに包まれ、燃え上がることになった…。


FF7Rの戦闘の仕組みを、私は面白いと思っています。しかし、たった一点、決して看過できない要素があります。

それは、サハギンのジャンプを始め、一部の敵モンスターが放つ必中攻撃です。私はこれを本作のアクションの駆け引きを一方的に破壊する、大変理不尽なものであると感じています。そのため、この存在を決して許しません。そしてこの怒りをブログ記事にせずに新作に移ることは、とてもできない。

今回は、FF7Rにおける必中攻撃がなぜ理不尽なのか、なぜ決して許せないのかを解説します。

FF7R戦闘の基本システムを必要な部分のみ解説

FF7Rを未プレイの方にも理解できるよう、まず最初に戦闘システムの簡単な解説をします。

FF7Rの戦闘は、よく言われる通り、アクションとコマンドRPGを融合させたようなシステムです。アクションをするとATB(以下、ゲージ)が溜まり、ゲージを消費すると専用の行動が可能です。ゲージ専用行動の中には高威力攻撃、属性を持った魔法攻撃、回復魔法、アイテムがあります。

アクションは一般的なアクションゲーム同様リアルタイムで進行します。一方、ゲージを消費する行動を選択している間はゲーム内時間がほぼ停止します。主にここの部分が、本作がアクションとコマンドRPGの融合と呼ばれる大きな要因でしょう。

プレイヤーはまずアクションでゲージを溜め、溜まったゲージを使って強行動を使い、再びアクションへ戻る…このルーチンを繰り返すことになります。

また共闘するパーティメンバーがいる場合、普段は自動で戦ってくれますが、これもリアルタイムで自由に操作対象を変更可能です。更にパーティメンバーもそれぞれゲージを持っており、自由に使用できます。

重要なのは、ゲージは2本までしか溜まらず、攻撃と回復で共用であること

本作の戦闘システムの肝であるのが、ゲージが最大2本までしか溜まらないこと。そしてゲージは攻撃、回復、ついでに補助で共用であることです。そのため火力をだして戦闘を有利に進めたい場合、可能な限りダメージを受けない戦いを目指すことになります。更に通常攻撃の威力があまり高くない他、ゲージ技でないと弱点をつく属性攻撃が使えないため、回復にゲージ持っていかれないよう、とにかく被ダメージを減らす戦い方が推奨されます。

攻撃や防御などのアクションによりゲージは素早く溜まりますが、ストックは行動2回分までです。超過分は消えます。そのためゲージは積極的に使用した方がお得です。また増加スピードも早く、特にプレイヤー自身が操作するキャラクターは、通常攻撃さえすればみるみる内にゲージが溜まります。

このゲージは攻撃、回復、補助と共用であるため、どこに使用するかの判断が重要です。2本しかストックできないため、高威力技を2回使えば回復ができなくなります。回復を厚くすれば火力が不足します。補助を入れる判断は更に難しいでしょう。高威力技は予備動作が長いものも多く、空振りすればムダになります。回復は強力ですが、使用したゲージは再びアクションで溜めなくてはいけません。このゲージの運用を誤れば、戦闘はあっという間に不利になります。

当然、プレイヤーは戦闘を有利に進めることを望むため、ゲージを火力や補助に使うべく、被ダメージの少ない戦いを心がけることになります。2本しかストックできないゲージを回復に費やせば、それだけ火力は低下し戦闘は長引きます。更に再びゲージを溜める過程でまたダメージを多く受ければ、やはりゲージは回復に消えます。いつまで経っても有利な状況を作れません。被ダメージを減らすことを意識せざるを得ないでしょう。

更に本作は通常攻撃の威力が低く、ゲージを使った属性攻撃で敵の弱点を突かないとなかなか高ダメージを与えられません。回復にゲージを使ってしまえば、やはりそれだけ属性攻撃を入れる機会は減ります。ゲージを溜めようとアクションしている間にダメージを受けてしまえば、回復にゲージを消費し続ける繰り返しに陥ります。

こうして本作はゲージの重要性を高める戦闘システムでもって、プレイヤーに被ダメージの少ない戦いを推奨します。回復と攻撃のリソースが共用であり、しかも上限が少ないならば、回復を使うことは火力の大きな低下に直結するからです。更にゲージを溜めるにもアクションが必要であり、ここで大きなダメージを受ければ、ゲージを回復に注ぎ込むループから抜け出せなくなります。

FF7Rの戦闘は、ゲージ管理のゲーム

上記の通り、本作の戦闘は2本までしかストックできないゲージをどこに使うかが重要な仕組みをしています。そのため私は本作を、このゲージの管理にスポットを当てたゲームだと解釈しました。

2本までしか溜まらないゲージをどこに使うか…プレイヤーはこの判断を行い続ける必要があります。前述の通り、回復を入れれば火力が低下します。しかし火力欲しさに回復をおろそかにすれば、戦闘不能が近づきます。プレイヤーは状況を見て、今は誰のゲージをどこに使うかを的確に判断する必要があるでしょう。

この判断を次々に迫られる戦闘を乗りこなし、有利な流れを作り出すには、ゲージの使い道の適格な選択が欠かせません。このゲージの管理が、本作の重要な点であることは間違いないと考えています。

だが、アクションも疎かにはできない作り

同時に、本作はプレイヤーにアクションの上手さも求めます。前述の通りアクションによってゲージは増加するためです。加えてアクションによってダメージを減らすよう立ち回れば、それだけリソースを火力に注ぎ込める仕様だからです。

アクションをしないとゲージが増えないため、いくら的確でも、冷静な判断だけでは本作の戦闘はこなせません。ゲージ自体は立っているだけでも微増していきますが、もっとも効率が良いのは通常攻撃を当てることです。こうして本作は管理するゲージを得る方法として、加えてその使い道を決定づけるいち要素として、アクションの重要性も高めています。

ゲージ管理を有利にするためには、アクションでダメージを受けないよう立ち回ることが重要です。いくらゲージが溜まっても、その過程でHPが減ったのではゲージは回復に消えていくからです。

こうして、本作はプレイヤーはアクションを上手くこなし、できるだけダメージの少ない戦いを心がけるよう推奨するのです。

管理とアクション、両輪を乗りこなす面白さは間違いない

上記のゲージ管理とアクション。この両輪を乗りこなす戦闘の仕組みを、私は確かに面白いと感じます。

操作技術と反応でアクションをこなしたかと思えば、次の瞬間には時間を止めて判断を下し、間髪入れずにアクションへと戻っていく。これを2つを何度も往復する本作の戦闘はいささか複雑しょうが、しかしその複雑さにより脳は発火し、回転を始める。

強敵との戦いになるほど回転は加速し、余力は消えていきます。アクションは的確に、判断は冷静に。時に大ダメージを技を食らっても立て直し、少しずつ形勢を傾けて最後には勝利したとき、複雑だからこそ力を出し切る気持ち良さがそこには確かに感じられます。

さすがにザコ敵との戦闘ではここまでの感覚はありません。しかし全体を通して敵の火力は高めに設定されているため、少なくとも頭を空っぽにして消化するだけのような味気ない戦闘は、本作にはほぼ見当たりません。

なるほど、この仕組みは確かにユニークです。
そして、だからこそ私は、本作に存在する必中攻撃の存在を看過できません。

この必中攻撃は、本作のほんの一部の、しかし決定的な綻びであり、本作の戦闘システムに全くかみ合わない不要なものです。

なぜ、そう考えるのか?
ここから、記事の本題を始めていきましょう。

そもそも、必中攻撃とは何か?

ここで私が言う必中攻撃は、本作の一部のモンスターが使用する回避困難な技のことです。またこの必中攻撃は、厳密には回避法が存在するものも含んでいます。普通にプレイする限りでは回避が極めて困難な攻撃を、必中攻撃と呼称します。

具体例を挙げると、サハギンの使うジャンプという技がそうです。

分かりづらいですが、これがサハギンのジャンプ

このジャンプは発動するとサハギンがスーパーアーマーになり、そのすぐ後に大きく跳び上がります。そしてサハギンはプレイヤーめがけて突っ込み、着地時に衝撃波を放ち攻撃します。この技は回避が極めて困難です。

動作中、サハギンはスーパーアーマー状態であるため、飛び上がる前に怯ませて止めることはできません。追尾も強力で、範囲外に逃げることもできません。使われた時点で、一定程度ダメージを受けることがほぼ決定します。厳密にはサハギンから大きく距離を離すことで回避は可能です。もっとも、この場合は回避というよりは逃亡と言った方がいいほど離れる必要があり、接近戦を仕掛けていた時点でこれは難しくなります。

本作にはこのような性能を持った敵の技がいくつか存在します。これらを総称して、ここでは必中攻撃と呼称します。私は、この必中攻撃はとても理不尽であると考えています。なぜならこの攻撃は、こちらのHPを納得感のないやり方で無理矢理削り取る攻撃だからです。

理由を解説します。

これにはまず、本作の二つの防御方法。回避とガードの性能を書くことから始める必要があります…といっても、その性能はゲーマーがイメージする一般的なそれと全く同一ですから、未プレイであっても理解は容易です。

防御の駆け引きを無視し、ペナルティを押し付ける理不尽

本作においてアクション面での防御がいかに大切であるかは、戦闘システムから逆算すればこれは自明です。ゲージをなるべく火力に使うためには、まずアクションでダメージを受けないことが大切です。そのための方法として、本作にはガードと回避の二つの手段が用意されています。

二択の防御方法…ガードか回避かの駆け引き、これを無視する必中攻撃

本作の戦闘において、ゲージを使わずにプレイヤーが取れる防御行動は回避とガードの二種類です。回避はリスクもリターンも高く、ガードはリスクはないものの、ダメージは軽減に留まります。防御の際、ゲームはプレイヤーに常にこの二者択一を迫りますが、このとき、どのような場面でも優先度は常に回避が上です。このゲームの戦闘システムの仕組みを考えれば、ダメージを受けないことの価値は極めて高いからです。そしてガードには削りダメージというペナルティが伴うため、回避ができない状況で妥協して使う選択肢になるでしょう。

FF7Rの防御行動は回避とガードの二種類です。どちらも専用のボタンが割り当てられており、押した瞬間に発動します。

二つの性能は、一般的なアクションゲームにおける両者のそれと全く同一といっていいでしょう。回避はキャラクターが短い距離を素早く移動し攻撃を避けます。成功すれば受けるダメージはもちろんゼロですが、失敗すれば直撃です。ガードはボタンを押している間、防御姿勢を取り、受ける全てのダメージを軽減します。回避と違って失敗するリスクがないぶん、ダメージをゼロにすることもできません。

プレイヤーは常に回避とガードの二者択一を迫られますが、優先して使いたいのは常に回避です。ガードには削りダメージという、安定を取ったがゆえのペナルティが伴うからです。削りは直撃よりは小さいダメージですが、積もればゲージを使って回復を入れる必要があります。更にそもそも敵の攻撃が高威力であるため、削りダメージであっても無視できないシーンも多いです。肝であるゲージ管理を有利に進めるために、プレイヤーは可能な限り回避を狙う方向へと誘導されます。

本作はそのゲージの仕組みでもってプレイヤーに、なるべく回避をしたい、そしてペナルティ付きのガードはなるべくしたくないと思わせます。ゲージが回復と攻撃で共用であること、更にストックが2本までであるため、回復を入れると火力に大きな影響が出ること…この2つの仕様が、ノーダメージで敵の攻撃を切り抜ける回避の価値を高める一方、ガードのデメリットを引き立てています。

ですからガードは、回避が使えない状況でだけ選ぶ、妥協の選択肢になるでしょう。本作の戦闘システムを考えれば、リターンの大きさでガードが回避に勝るシーンはまず存在しません。一応ガードにはゲージが増加するというメリットも存在しますが、回避とて敵の隙に通常攻撃を入れられることを考慮すれば、これは無視していい範疇です。

そうしてリスクとリターンの狭間で揺さぶられながら、プレイヤーはなるべく多くHPを残す選択をとっていきます。ペナルティ付きのガードか、リターンの大きい回避か。

このように本作の戦闘には、前述のゲージ管理云々の前に、ガードか回避か…防御方法の駆け引きが存在します。その駆け引きを上手くこなす報酬は、ゲージの火力方面への運用です。リスクを多く取り回避を成功させれば、ゲージを全て火力に注ぎ込むことが可能になります。これは当然、大ダメージを受けて回避に費やすことと背中合わせです。一方でリスクを恐れてガードを多用すれば、回復にゲージが全て消えることはないでしょう。しかし削りダメージにより回復の必要性が出るため、火力に全てを投入することもできなくなります。

この駆け引きを迫るのが本作の戦闘におけるアクションの部分であり、その後に待ち受けるゲージ運用の判断と合わせて、二重の駆け引きによる、複雑な、しかし乗りこなす面白さを合わせ持った戦闘システムを構築していると考えています。

そしてサハギンのジャンプのような必中攻撃は、この防御の駆け引きを無視し、破壊するものです。必中攻撃は、プレイヤーの選択の自由を奪い、ペナルティを押し付けるからです。

自由を奪い、選んでもいないのにペナルティを強制する必中攻撃

必中攻撃には前述の通り、ガード以外の選択肢は基本的にありません。つまりプレイヤーは、有無を言わさずペナルティ付きの行動を取らされることになります。しかし、ガードを自ら選択したわけでもないプレイヤーにペナルティを課すのは、果たして公平なことでしょうか。選択の自由を奪い、取りたくもない行動を無理矢理とらせた挙句、それにペナルティまで課すのは、理不尽である。私はそう考えています。

必中攻撃は文字通り必中ですから、回避ができません。必中攻撃を出された時点で、プレイヤーは本当は使いたくないガードを使うしかない状況に追い込まれます。ここに二者択一から選ぶ自由は存在せず、単に行動を押し付けられているだけです。

無理矢理ガードをさせられたプレイヤーは、しかもペナルティの削りダメージまで負うことになります。しかし、いったいなぜ強制された行動でペナルティを受けなくてはいけないのでしょうか。

ペナルティである削りダメージは、プレイヤーが自身の意思でガードを選択した時にこそ受けるものでなくてはいけません。事実上、リスクを嫌ったがゆえの対価になっているからです。しかし必中攻撃によって強制的に選ばされたガードには、安定だとかリスクだとかを考慮したプレイヤーの選択が介在しません。そうして選択の自由を奪った挙句、その行動に一方的にペナルティ押し付けるのは、極めて理不尽なことです。

この理不尽は、ドッジボールに例えると容易に理解できます。

ドッジボールでは、相手の攻撃に対し、常に避けるか取るかの二択が与えられます。

避けるのはリスクがありませんが、同時に相手の連続攻撃を許すというペナルティを背負います。一方、取ることはアウトのリスクを伴いますが、攻撃権の奪取というリターンも伴います。プレイヤーには常に避けるか取るかを自由に選ぶ権利があり、だからこそそれに伴うデメリットやリターンも、プレイヤーにとって納得感のあるものとして機能します。見事ボールを取ったプレイヤーは、アウトになるリスクを背負ったからこそ、大きなリターンを手にしたのです。いつまでも避けているプレイヤーは敵に一方的に攻撃され続けるでしょう。しかし、それはそのプレイヤーがリスクを背負っていないからこそ、受けなければいけないペナルティです。

しかし、もしボールを避けることを強制されているとしたら?
本当は取れる、本当は取りたい。そんなボールでも、無理矢理、避けさせられているとしたら?
当然、一方的に攻撃され続けるというペナルティは理不尽です。リスクを背負って攻撃権を奪う自由を与えられていないのに、なぜ避けることにペナルティを受けなければならないのでしょう?

プレイヤーはゲージ管理を少しでも有利に進めるため、最低限のダメージでアクションをこなそうとします。ペナルティも当然、常に避けたいと思っています。そうしてHPを高く保ち、ゲージを少しでも効率よく運用するためプレイヤーが努力するよう、ゲームの方から仕向けておきながら、これを一方的に踏みにじる。これが必中攻撃です。理不尽でなければ、いったい何だというのでしょう。

せめて、納得感のある必中ダメージを求める

私は、ダメージを受けさせられることそのものに理不尽を感じているのではありません。そこに納得感がないことに、理不尽を覚えています。

FF7Rの戦闘システムを考えれば、ある程度はプレイヤーがダメージを受けるような仕様を必ず入れる必要があるでしょう。そうでなくては、ゲージが常に火力にばかり使われることになり、そこにプレイヤーを迷わせる選択と判断がなくなってしまうからです。

しかし、上記の理不尽な方法で無理矢理ダメージを背負わせるやり方は、私は看過できません。そのダメージは、プレイヤーの納得できる形で与えられなければいけないと思います。一方的にペナルティを押し付けるやり方は、作り手の都合でHPを無理矢理もっていかれてるような感覚すら覚えます。こちらの努力を無視したそんなやり方に、納得感は抱けません。

記事前半に書いた通り私は本作の戦闘システムそのものは面白いものであると感じています。
本作に続く『FINAL FANTASY VII REBIRTH 』では、このような理不尽を覚えることがない仕上がりであることを祈り、これからインストールします。

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