PS5のオススメソフトは?
これは私を悩ませる質問でした。
PS5でしか遊べず、しかも誰にでもオススメできる「最初の一本」に相応しいゲームはなかなか選びづらい。
しかし、「ラチェット&クランク パラレル・トラブル」の登場により、もう悩むことはなくなりました。
グラフィック、アクション、ストーリー
3つの要素が高いレベルでまとまった、ゲームのステージを一段階引き上げたとまで感じさせられた良作です。
PS5を買えたなら、ぜひこのゲームを一緒に購入してみてください。
タイトル | ラチェット&クランク パラレル・トラブル |
ジャンル | 3Dアクション |
対応機種 | PS5 |
価格 | 8690円 |
総評
「ラチェット&クランク パラレル・トラブル」は、様々な惑星を舞台に悪と戦う3Dアクションゲームです。
土台になっているのはTPS。
主に探索と戦闘がメインで、謎解きの要素はほとんどありません。
パズルを解くシーンもありますが、これはイヤならペナルティなしでスキップ可能という思い切った仕様です。
“ラチェクラ”は、PS2から始まったシリーズ。
歴史が長いため多くの作品がリリースされていますが、「パラレル・トラブル」は過去作を遊んでいなくても十分楽しめます。
最低限
・ラチェットとクランクは、過去に銀河を救ったヒーロー
・ラチェットは自分と同じ「ロンバックス族」の仲間を探している
この二点を知っておけば問題ありません。
ただ、前作に当たる「ラチェット&クランク THE GAME」は、PS5を持っているなら無料でダウンロード可能。
長いゲームではないうえ、シリーズの再スタート作品としてラチェットとクランクの出会いから始まるため、予習して損はありません。
めんどくせぇ!という方はパラレル・トラブルから遊んでOKです。
新時代の到来を思わせる、傑作であると感じました。
美麗なグラフィックに、マシンパワーを活かした演出
武器を目まぐるしく切り替えながら行う爽快感抜群の戦闘
“命を吹き込まれている”としか言いようがない、表情も動きも豊かなキャラクターが繰り広げるストーリー
隙らしい隙はありません。
前作の不満であった回避アクションの乏しさ、ストーリーの分かりづらさも改善され、完成度の高い作品になっています。
しいて言うなら、ボス戦のバリエーションの少なさだけは残念。
PS5のオススメソフトは?と聞かれても、なかなかコレ!というタイトルが思いつけずいました。
ですが本作を遊んで、ようやくその悩みが解決しました。
ラチェット&クランク パラレル・トラブルは、全てのゲームファンにオススメの作品です。
開始してすぐに、美麗な表現に驚かされることでしょう。
もちろん、アクションにも抜かりはありません。多彩な武器を次々に切り替え使いこなすアクションは、その忙しさがクセになります。
加えて”生きている”キャラクターたちが織りなす物語にまで楽しませられ、大満足の一本でした。
詳しいレビュー
「光」と「密度」が違う。美麗なグラフィックを体験。
これからするグラフィックの話は、パフォーマンス優先に設定した場合の話であることを、最初に断っておきます
本作を遊んでまず驚かされた点は、PS5の力をこれでもかと発揮させたグラフィックです。
開始して即、その精細さに目を奪われました
しかしスペック自慢のPS5、その専用ソフトとあらば、ムービーならこれくらいの美麗さは当然なのかもしれない…。
そう思った数分後には、ムービーの美しさそのままでラチェットを操作できるようになったので驚きました。
グラフィックを褒める言葉に「ムービーとの境目がわからない」なんて表現がありますが、本作は正にその通りです。
しかし「パラレル・トラブル」のグラフィックの美しさは、決して書き込みの繊細さだけでは終わりません。
この美麗さを一段階押し上げているポイントが「密度」と「光」です。
とある惑星では、森林にさす木漏れ日に。
また別の惑星では、空を覆う数の宇宙船に。
これがパラレル・トラブルの世界なのかと見惚れました。
描き込みが精彩なだけでも、十分美しいと感じます
しかし差し込む陽光、そこに生きて動く生物、モノが加わることで、グラフィックは進化し、リアルになる。
本作はその域に達した作品でした。
惑星ごとにロケーションが豊富なのも特徴
新たなマップにつくたびに、シェアボタンを押したくなってしまいます。
忙しがクセになる、武器を次々に切り替えるアクション
グラフィックはよくても、肝心のゲーム部分は…?と気になる方も多いと思います。
その心配は無用です。
アクションの骨子はTPS。
と言っても、隠れて撃つタイプではありません。
動き回っての回避が重要です。
プレイヤーが使う武器”ガラメカ”は実に多彩。
初めは数種類しか使えませんが、ストーリーの進行と共にドンドン新しい物を購入できるようになります。
最終的には個性豊かなガラメカがズラリとそろいます
・シンプルなアサルトライフルに近い「ブラストピストル」
・設置すると自動で敵を攻撃してくれるキノコ「ミスターファンガイ」
・チャージして高威力のビームをぶっ放す「ネガトロンコライダー」
それぞれ性能を発揮しやすい状況が異なるため、プレイヤーは常に最適なガラメカを素早く選択し、切り替えながら戦います。
また種類が多い分、持ち歩ける弾薬数は少なめ。
弾切れを起こしやすいバランスで、この点でも、プレイヤーには素早いガラメカの切り替えが求められます。
そのため戦闘は常に忙しい。
敵の数や距離を把握し、最適なガラメカをチョイス
しかしいずれ弾切れを起こします。
即座に次のガラメカに切り替え、また迎撃。
合間には設置系をセットし、密集地帯にボムを放り投げる。
敵に距離を詰められたら、近距離に強いガラメカにチェンジして…
この目まぐるしさがクセになってきます。
さっきまで遠距離から狙い撃ちしていたと思ったら、次の瞬間にはショットガンを構えての近距離戦になり、そのすぐ後にはアサルトライフルを抱えて飛び回っていたりします。
ガラメカの性能によって立ち回りも変化するため、状況は常に動き、プレイヤーを退屈させません
新たなガラメカを入手するたびに手札が増え、より多彩な立ち回りが可能になるため、進むほどに面白くなる。
ガラメカの切り替えもスムーズに行える仕様で、最終的には20種類近く持ち歩くことになるのに、ストレスを感じることはありませんでした。
武器と立ち回りを状況に合わせて次々に切り替え、群がる敵とその攻撃をヒラリとよけながらせん滅する…
忙しさがクセになる戦闘を楽しめました。
新たなヒーロー誕生へ…命を吹き込まれたキャラクターたちのストーリー
本作はアクションゲームですが、ストーリーにも注目してほしい作品です
見どころは、ラチェットとクランクの活躍はもちろん、新キャラクター「リベット」がヒーローへと変わっていく様を描いている点です。
クランクが作ったとある装置により、異なる次元の世界が繋がることからスタートします。
その別次元の世界で出会うのが、リベット。
彼女も正義のために戦ってはいますが、やや未熟な一面をのぞかせることも。
そんなリベットも、とあるキャラクターとの出会い、そして銀河を守る戦いを経て、ヒーローへと成長していきます。
ベタではありますが爽やかな感動をもたらす物語で、本作にはこの点でも満足させられました。
本作はストーリーを語る際にはムービーも多く使われます。
そしてこのムービー中の、キャラクターたちの表情やわずかな動作、仕草の表現の細やかさにも驚かされました。
かつてはこの手の3Dモデルを使ったムービーを「人形劇」などと揶揄する声もありました
しかし本作のキャラの不自然さのない表情、動作、仕草には、人形っぽさなどどこにもありません。
正に、命を吹き込まれている。この表現がしっくりきます。
新ヒーロー誕生というテーマも、新生ラチェクラである本作に相応しいもの
アクションゲームでありながら、その世界に生きているキャラクターたちのストーリーも楽しむことができました。
……ただ一点、ややラチェットとクランクの影が薄くなってしまっている部分があります。
そのため、二人の活躍を存分に楽しみたい!という方は、寂しく感じられるかもしれません。
バリエーションの少なさを感じる、ボス戦
本作の唯一の不満点は、バリエーションの少ないボス戦です。
そもそもボス戦というシチュエーション自体少なく、たまにあっても中ボスクラスが大半。
大型のボスもいるにはいますが、数が少ないです
せっかくこれだけ美麗なグラフィックでしかもアクションも面白いと来ているのだから、もっとスケールの大きい超巨大ボスとの戦闘が欲しかった…と欲張りになってしまいます。
冒険の舞台となる惑星は多数用意されているのに、そこを象徴するようなボスがいないのはもったいないと感じました。
終わりに
次世代をこれほどまでに感じられるゲームを遊べたことを、嬉しく思います。
総評にも書いた通り、隙らしい隙はありません。
前作「THE GAME」にあった不満点も解消されており、グラフィック、アクション、ストーリー…3つの柱のどれもが高い完成度。
PS5を買ったならまずコレを。
自信をもってそう言える作品です。
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