【Blossom Tales(ブロッサム テイルズ)】レビュー・評価 ゼルダになりきれなかった惜しい2Dアクション

2.5
ゲームレビュー
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「ゼルダの伝説」はその名の通りの生ける伝説と言えるシリーズ
その影響を受けたフォロワーは数知れず。

今回レビューする「Blossom Tales(ブロッサム テイルズ)」も、そんな作品の一つ
本作は2Dゼルダ…特に「神々のトライフォース」へのリスペクトが熱い。
そのグラフィックはもはや神トラと見間違うレベルでそっくり


しかし、ゲームとしての完成度では、伝説に並ぶことはできなかったと感じる作品でした

タイトルBlossom Tales(ブロッサム テイルズ)
ジャンル2Dアクションアドベンチャー
機種Switch
価格1480円
プレイ時間の目安5~10時間

総評

SFCのゼルダを目指して作られたような作品
特にグラフィックは、かなり近いところまで似せてきています。
そしてそれは、単なる見た目だけでは終わっていません。

ワールドマップは決して広くはない。
しかし森、沼地、雪山とロケーションに富んでおり、そこにはたくさんのNPCが。
各地にはミニゲームやイベントも散りばめられており、この箱庭の探索感は確かにあの「神トラ」を思い出させてくれます。


その一方で、ゼルダの面白さ全てを吸収しきれていないと感じる面も。
最も気になったのはダンジョン内のナゾ解き、そしてボス戦
どちらも作りが薄く、この点にスキがあります。



ゼルダの全てを再現できているわけではありません。
本家に及ばない点は少なくない
完成度を求める人にはオススメできません



しかし、熱いゼルダリスペクトに満ちた内容であるのも確かです。
遊んだ時
感触は、確かにそのリスペクトを感じさせるもの
あの頃を思い出しながらプレイできる作品でした。
多少の粗はあっても、昔のゼルダのような作品をまた遊びたい…そんな人にオススメです。

詳しいレビュー

様々な点から感じる「ゼルダ」オマージュ

本作2D時代の「ゼルダの伝説」のオマージュと言える作品です。
特に「神々のトライフォース」を強く意識しているようで、ぱっと見は本当にそっくりです。

マップを探索しながらダンジョンへたどり着き、新しいアイテムを手に入れてボスを攻略する…
基本的なゲームの流れはゼルダと同じですし、ドット絵の描き方や色使いもよく似ています

本当にゼルダの伝説をリスペクトして作られた作品なんだと感じました。

広くはないが探索の楽しみがあるマップ

低価格のDLタイトルということで、マップはあまり広くありません。

しかし寄り道要素が散りばめられており、狭いながらも探索を楽しむことができました。
攻略とは関係ないところにミニゲーム施設があったり、寄り道することで貴重なアイテムが手に入ったりもします
なので探索のメリットは大きめ。

攻略ついでにちょっと…と散歩気分で歩いてみると発見がある。
この感覚はまさにゼルダのそれでした。
ロケーションが豊富なのも特徴で、短いプレイ時間の中で森林、沼地、雪山など、様々な場所を探索していきます。

ただし、ミニゲームやイベントは単調なものが大半。
もっと遊びとして面白いものだったら更に良かったですね。

仕掛けのバリエーションに乏しく、単調なダンジョン攻略


本作のダンジョンは4つありますが、その内容は良いとは言えないものでした。

どのダンジョンも仕掛けや謎解きのバリエーションに乏しく、攻略していて面白味を感じません。
簡単なスイッチのオンオフや敵の全滅、イライラ棒のようなアスレチックが大半で、ゼルダらしい謎解きはほとんど無し。

その割にそこそこ長いので、やや冗長に感じました。

一筆書きや配線パズルなど、脳トレ的な仕掛けを多用しているのも気になる点。
どのダンジョンにも3回は出てきます。
謎解きというよりは頭の体操なので、求めているものとは違うんですよね。
後半は見かけるとちょっとウンザリ。
あまり難しくないのが救いです。

弱すぎる攻撃時のSE、演出

本作のメイン武器は剣です。
他にも弓矢、爆弾、ブーメランなど色々ありますが、多用するのはやっぱり剣。

この剣で斬りつけたときのSE、演出が弱いのは残念な点です。

攻撃アクション自体は軽快で、キャラクターを動かしていて気持ちいいです。
しかし敵にダメージを与えたときのSEがとても弱く、攻撃する爽快感がありません。
2Dゼルダ…とくに「夢を見る島」なんかはSEがとても気持ちよく、無意味にザコを倒したくなるほどでした。

本作の場合、敵にダメージを与えている感覚が感じられないため、なんだか草を刈っているようで味気ない。
ズバァッ!と、「斬った感」を味わえるものがあれば、アクション面はずっと良いものになったと思います。

単調すぎるボス戦

ダンジョンの最奥にはやはり、ボスが待ち受けています。
ボス戦はゲームの華。ここは楽しくなくっちゃいけません…が。

本作のボス戦は単調すぎます。

ボスの攻撃は苛烈で、見た目も派手です。
しかしほとんどのボスはそこから攻撃パターンが変化せず、こちらが攻撃しても怯みもしない。

怯まないとなると、SE、演出の弱さも相まってダメージを与えられている気がしません。
ボスの攻撃も変わらないので、一定の攻撃と回避のパターンを繰り返すだけで戦闘に変化がないんですよね。

本家ゼルダのボスと言えば、ダメージを与えるたびに攻撃が激しくなり、大体3回ダメージを与えると撃破になります。
本作の場合、はじめから全開状態のボスと殴り合うことになるため、戦闘が進んでいる、追い詰めている感覚がない。

おまけにボスの体力は結構高めなので、なかなか倒せず本当にダメージが入っているのか不安になることもありました。

効いているぞと知らせるためにも、ボスの行動パターンにもっと変化をつけてもよかったと思います。


インディーズ作品が盛り上がりを見せる時代
本作のように、名作をリスペクトした作品も多く見かけるようになりました。

やはり名作の完成度は高く、その面白さは容易に再現できるものではないのだと感じます。
ですが「亜種」のような、一見似ていても味付けが異なる作品がたくさん生まれ、面白さを再発見する機会も増えました。

今回レビューしたブロッサムテイルズも、そんな名作をリスペクトした作品。
決してゼルダ級に面白いとは言えない一本です。
しかし手軽にゼルダ感を味わえる作品であるのも間違いありません。

あくまで「ゼルダっぽい」ではありますが、そんなゲームを求めている人はぜひプレイしてみてください。

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