今月の気になる新作ピックアップ
今月発売、注目の新作をピックアップして紹介します。
終天教団/ Switch、Steam他

2025年9月5日発売。
『ダンガンロンパ』などの小高さんがディレクターを務めるADVがいよいよ発売。
内容は犯人を捜すことが目的のアドベンチャーゲームなんですが、大きな特徴は5人の容疑者のうちの誰を疑うかでゲームシステム自体が異なるルートへ分岐すること。容疑者ごと恋愛ADVや推理ADV、マルチ視点ザッピングノベルなどに分岐する模様。

小高さんというかTookyo Gamesと言えば先日『HUNDRED LINE -最終防衛学園』を発売したばかりですが、こちらもかなり気合いを感じる企画。まとめきれるのかという不安もありますが、延期もなく発売されているので、上手くいっているのでしょうか。
ただ気になるのは、各ルートでゲームシステムごと分岐して、その後どうなるのか…ということではあります。単に「色んなゲームが遊べます!」っていうことだけで終わらせているとは思えないので、このジャンル複合の内容からどんな体験が生まれるのか…その辺に注目かなぁ。
No, I’m not a Human/ Steam

2025年9月16日配信予定。
海外発話題のホラーアドベンチャーがいよいよ配信。ゲーム内容は『Papers, Please 』に近いゲーム中の情報から人物の素性を読み取るものですが、ここに人狼ゲーム的な遊びを加えたホラー作品。
舞台は太陽の異常活動により昼間は人類がで歩けなくなってしまった世界。そこでは人類に化けた怪物「来訪者」が殺戮を繰り返しています。来訪者から身を守るには、常に他人と一緒にいる必要があります。そのためプレイヤーは次々に訪ねてくる人々の素性を見極め、人間だけを家に招き入れることを目指すのですが…。

ゲームシステムの面白さもさることながら、アートワークと世界観の表現もユニークな作品。
プレイヤーが行動できる範囲はごく狭いですが、その周囲が、まるで水に黒い絵の具を溶かしていくように死に満ちていく…体験版を遊んでみて、そんな感覚を味わいました。ホラー作品ではあるのですが、一般的にイメージされるようなものとは異なると思います。そういう部分も含めて魅力的な作品。Steamネクストフェスなどでも話題を呼んでいました。
因みにストアページには日本語非対応とありますが、現在遊べるデモ版はしっかり対応しています。
ほらふき山の魔理沙/ Switch、Steam

2025年9月19日発売予定。
TRPG風の進行でプレイする東方二次創作RPG。
レミリアやパチュリーなど紅魔館の面々が、霊夢らが登場するゲームブックを囲んでプレイする…という設定下で遊ぶ内容。戦闘や成長要素、リソース管理などもあってRPGらしいプレイ感覚ですが、テキストでの表現による部分が大きいため紹介。

ゲーム冒頭にはネタ的なバッドエンドなんかもあって、遊び心も感じる内容。賑やかし的に挟まるレミリアたちの掛け合いも面白い。
ただ体験版からの印象だと、ちょっとテンポの悪さが気になるかな。というのも、良くも悪くも丁寧にナレーションが挟まるうえ、ダイスロールやコマを動かす演出などが凝っているぶん、ちょっとした進行にも妙に時間がかかりがち。スムーズに進められずにいると、だんだんに気になってきます。高速化する方法とかあるんだろうか…。
けものティータイム/ Switch、Steam

2025年9月4日発売。開発のStudio Lalalaはフリューの新規ゲームレーベルで、本作がスタジオの2作目です。
内容はケモミミが集うカフェを舞台にしたバーテンダー系ADV。キービジュアルを見ても分かるように「かわいい」に振ったキャラクターと、このジャンルらしいチルな雰囲気が特徴。そのほかストアページではバイノーラル録音されたサウンドもアピールしています。

体験版を遊んでみますと、意外にも(?)いちばん気になったのはシナリオでした。
ゆるふわというか日常系というか、平和な物語を描いていく作品なんだろうな~と思っていたんですが、いざプレイしてみるとシリアス成分も意外と強め。まぁ大半は日常シーンなんですが、その端々に不穏な気配も散りばめられており、ビジュアルから予想しづらいことも相まってフックになっているなと感じます。
ただゲームの進行はのんびりしているので、やっぱりメインはチル。…というかシナリオ目当てで遊ぶと、のんびりすぎる進行にちょっとモタつきを感じてしまうかもと思います。
【Switch、Steam新作発売スケジュール】9月の主な新作テキストADV
2025年8月末日現在確認できる、Switch、Steamの新作ADV発売スケジュールをまとめています。
新作リストには抜けがあります。
()内は大まかなジャンルやDL専売か否かなどの情報。ジャンルは公式情報などから読み取れない場合、筆者の予測で書いています。
Nintendo Switch
発売日 | タイトル(ジャンル) |
---|---|
9/4 | ・Voice Love on Air(BL) ・けものティータイム(ケモミミ、チル、DL専) |
9/5 | ・終天教団(ミステリ) |
9/11 | ・機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語(SF) |
9/18 | ・ルミネナイト(ミステリ、パズル、DL専) |
9/19 | ・ほらふき山の魔理沙(東方、ゲームブック) |
9/25 | ・9 R.I.P. sequel(乙女) ・DYNAMIC CHORD feat.Liar-S Remaster edition(乙女) ・ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争(ノワール、バトル) ・白恋サクラ*グラム Eternal snow blooming, season of love.(ギャルゲー) |
Steam
発売日 | タイトル |
---|---|
9/2 | ・ECHO Re:Kill(ファンタジー、バトル) |
9/4 | ・The Murder Hotel(ミステリ、サスペンスホラー) ・けものティータイム(ケモミミ、チル、DL専) |
9/5 | ・はじめるセカイの理想論 -goodbye world index(ギャルゲー) ・終天教団(ミステリ) |
9/6 | ・水鬼(ホラー) |
9/12 | ・恋愛花道(BL、コメディ) |
9/16 | ・血の百合怪談(ホラー、百合) ・No, I’m not a Human(ホラー) |
9/17 | ・雑音系少年少女(謎解き、ジャンル複合、ジュブナイル) |
9/30 | ・CODE::LUX(SF、ポストアポカリプス) |
9月 | ・紅蜘蛛/Red Spider リマスター版(ノワール) |
一言コメント
ピックアップしたもの以外だと『雑音系少年少女』も気合いを感じる作品かな。Switch版が発売される韓国発推理ADV『ルミネナイト』はPC版をプレイ済みなんですが、パズルがいけるならオススメです。
【ニュース】周回遅れのADVニュース
先月中に発表されたADV関連のニュースの中から、気になるものを周回遅れでピックアップ
Key最新作『anemoi』の発売日が2026年1月30日に決定

アナウンスされていたKeyの新作フルプライスADV『anemoi』の発売日が決定。合わせて予約も始まっています。対応ハードはPC。多言語対応のSteam版の製作も決定していますが、後発になると発表されています。
なお開発チームはこの発表を行った生放送内で、本作の完全版の発売を否定しています。というのもKeyのフルプライスタイトルの前作『Summer Pockets』は、発売数年後に新ヒロインなど追加したバージョンが発売されたのですよね。だからそのへんを心配する方も多いかと思いますが、ひとまずその予定はないとのこと。
発売はまだ先ですが、やっぱりKeyが大型の新作を出してくれると盛り上がりや引き締まりを感じるので、今回の新作は嬉しく思っています。
アクアプラスがユークスの子会社に

今年6月に売却がアナウンスされていたアクアプラスが、ユークスの子会社になると発表。
…して、ユークスとは?
軽く調べてみますと、大阪は堺に本社を置くコンピュータソフトウェアの企画・開発・製造・販売を手掛ける会社で、ビデオゲーム作品の開発の他、CGライブやパチンコ・パチスロなど遊技機の開発などもやっている模様。携わってきたビデオゲームは『WWE 2K19』などプロレス系が多めですが、近年では『Tales of ARISE – Beyond the Dawn』など国内での超有名タイトルにも参加しています。

更に、先日ディースリー・パブリッシャーから発表された『ゼンシンマシンガール』もこのユークスが開発…と、この開発歴から勝手に予想するに、新しい分野の開拓として、キャラクター要素の強いゲームにも力を入れようとしているのかな。

アクアプラスはその方面に強いIPと実績を持っていますから、まぁ私の予想通りだとすれば良いマッチングなのかなと思います。いちファンとしてこの一件の行方を心配していたので、まとまって一安心です。
『死印 -再霊-』 開発プロジェクトのクラウドファンディングが一日で目標金額を達成

エクスペリエンスが設立20周年&心霊ホラーシリーズの10周年の節目を迎えて進める企画『死印 -再霊-』の開発クラウドファンディング。1000万円の目標金額を1日で達成したことがアナウンスされました。現在は3000万円のネクストゴールを目指して継続中。
『死印』は元々はVitaで発売されたホラーADV。そこから「心霊ホラーシリーズ」として展開され、現在は3作が発売されています。今回の『死印 -再霊-』は1作目のリメイク。

心霊ホラーシリーズは新作の発売ぺースは決して早くありませんが、移植やセールはマメにやっている他、フルプライス帯で発売されるジャパニーズホラーは競合が少なくなっているような気もしていて、存在感を放っているイメージ。自分はリメイク元をVitaでプレイしましたが、今回かなりの部分が刷新されるようで、ちょっと気になるかな。
エンターグラムが9月30日に一部タイトルの販売終了・移行することを発表
R18美少女ゲームの移植作品を多数取り扱うエンターグラムが、一部タイトルの販売終了と移行を発表。…これ本当は7月のニュースなんですが、先月書くのを忘れていたので。
公式サイトではその一覧が公開されており、現在は販売終了セールと銘打ったDL版のセールも実施中です。↓のリンクは販売終了タイトルの一覧。別会社に移行する作品の一覧は他にあります。
さてリストの内容を見てみますと、対象タイトルの多さにまず驚きます。しかしよく分からないのは、自社タイトルやごく最近発売されたばかりのタイトルまで含まれていることなのですよね。
例えば移行タイトルの一つである『その日の獣には、』のSwitch版は今年の5月に発売されたばかりですから、わずか5ヶ月程度で販売を移行することになります。『この青空に約束を― Refine』も自社タイトルかつ発売は2024年末と最近のゲームですが、今回呆気なく販売終了することに…。その他『金色ラブリッチェ』や『冥契のルペルカリア』など評価高めの作品なども含まれており、なんだかもったいない気がしてしまいます。
逆に終了も移行もしないタイトルは何なのかと言いますと、もうこっちを探す方が難しいのですが、リストを見る限り『D.C.5 ~ダ・カーポ5~』や『9-nine-』などは継続される模様。ただ『9-nine-』はなぜか公式の製品一覧からページが削除されている…のか、もともと無いのか分かりませんが、エンターグラム公式からは『9-nine-』を販売しているという情報を確認することはできません。でもストアページはあるし、終了・移行一覧にもないので継続されるんだろう、多分。

いちばん気になるのはこの理由ですが、これに関しては一切触れられておらず。自社タイトル、最近発売されたタイトルまで含めた動きだということを考えると、契約が切れたとか売れなくなったゲームを切るとかではなさそうですが…。
ただしゲーム開発自体から撤退するわけではないようで、新作の発表と発売は継続して行っています。18禁タイトルの移植にまつわる方針転換とかなのかな…それにしても急すぎるとは思いますけれども。
エンターグラムは実に多くのタイトルの移植をやっていて、その中にはminoriやライアーソフトなど、これまでほとんど移植の機会がなかったメーカーのソフトも含まれていたので、むしろこの方向をどんどん拡大していくつもりなのかな?とすら思っていました。なので今回の発表には結構驚いています。もちろんプロトタイプやiMelなど、他にも精力的にやってくれている会社はあるのですが、エンターグラムはその物量が桁違いだったので…寂しくなるなぁ。とはいえ『制服カノジョ』など、戯画が関連しないエンターグラム発のオリジナルタイトルはまだまだやっていく様子です。
終わりに
ようやく朝晩は涼しく…なったか?
大型の新作『終天教団』のほか、Steamにも注目作が色々あって遊ぶゲームには困らない…のですが、やっぱり当ブログ的に心配なのはエンターグラムの移植関連の動き。一応今月発売の『白恋サクラ*グラム Eternal snow blooming, season of love.』はエンターグラムから発売の移植作品なんですが、これ元々は春辺りに発売予定だったものが延期されて今月になっているだけなんですよね。予測でどこまで言っていいのかわかりませんが、ひょっとするとコレを最後に移植はやめちゃうのかなーと思ったり…。
雨の日も風の日も…じゃありませんが、どんなに新作が少ない月でもエンターグラムのギャルゲーとオトメイトの乙女ゲームはほぼ必ずカレンダーにあったので、その一方が途絶えるとしたら残念な話です。

いやーおまえ言うて最近ギャルゲー全然やってないじゃん!と突っ込まれそうなんですが、いや↑の『世界征服彼女』を実は遊んでいたんですよ…何ヶ月か前に。でもこのゲーム、どんな選択肢をえらんでも特定の個別ルートにしか入れないバグがあったようで、モチベがダウンしてそのまま…。
いやでも今月は久しぶりに18禁の方で注目している作品があるし、やりたい気持ちばっかりは常にあるんですけどねー。エンターグラムがやめてしまうとなると、このブログでギャルゲーを紹介する機会もめっきり減るのかしら…。
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