【テキストADVマガジン2025年7月号】早すぎる猛暑を推理と旅で乗り切ろう!な一ヶ月(意味不明)

テキストADVマガジン
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今月の気になる新作ピックアップ

今月発売、注目の新作をピックアップして紹介します。

MUTAN開発の推理ADVが7月3日に発売されました。シナリオは主にARGをメインに脚本など手掛けるストーリーノートが制作。そしてMUTANはガストの『アトリエ』やスクエニのゲーム開発に携わっており、実績のある会社です。

本作は収監されている多重人格の女性、ソフィアとの対話により進行する推理ADV。ソフィアは大統領殺害の容疑をかけられていますが、どの人格が犯人なのかが不明で、これを明らかにすることが目的。

対話はコマンドを選択することで進行しますが、そのコマンドを出現させるためのキーワードはプレイヤー自身が探し、直接入力する必要があります。ゲーム内資料や会話ログなどを参照し、ソフィアが反応するであろうワードを探して実行していきます。時にはゲーム内から直接開けるブラウザで検索を促される場面もあり、メタ的な遊びも意欲的に取り入れている模様。

このブログで先日公開した『都市伝説解体センター』のレビューでも散々書きましたが、私は最近コマンド選択ADVにおける「次に何を選ぶか」について色々考える時間がありました。そのため本作はけっこう気になっています。

というのも、本作はその「次に何を選ぶか」を探すことそれ自体にゲーム的な…つまりそれ自体がプレイヤーに提示される課題として示されているので、これもまた私が感じている問題点への一つの答えになりそうだなー…とか何とか。

日本一ソフトウェアの旅ADVが7月31日に発売されます。

PS1から続く本シリーズは実写映像を使ったリアルな旅体験が特徴。特に最近のシリーズには360度カメラを使って撮影した移動中の映像が組み込まれており、もちろんカメラを動かして風景を楽しむことが可能。これによりリアルな「移動」を体験可能で、その地を旅している感覚をますます味わえる…かも。今回の旅の舞台は三重県です。

ただし、前作はユーザーレビューでの評価が低めでした。

一応課題を攻略するような遊びもありますが、プロモーションなど見てもメインに据えているのは旅体験それ自体。

そうなるとシナリオとかが気になる自分向きではないかな~とは思いつつ、しかし予約済みです。わりと唯一無二というか、似たようなゲームがちょっと思いつかないうえ、国内のADVとしてはかなり長寿なシリーズで一度遊んでおきたいなと思っていたので。

ちなみにSteam版はありません。珍しい。

風雨来記5
任天堂の公式オンラインストア。「風雨来記5」ダウンロード版の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch 2 (ニンテンドースイッチ2)本体やソフト、オリジナルグッズ、公式ストア限定商品などを販売中。

【Switch、Steam新作発売スケジュール】7月の主な新作テキストADV

2025年6月末日現在確認できる、Switch、Steamの新作ADV発売スケジュールをまとめています。
新作リストには抜けがあります。

()内は大まかなジャンルやDL専売か否かなどの情報。ジャンルは公式情報などから読み取れない場合、筆者の予測で書いています。

Nintendo Switch

発売日タイトル(ジャンル)
7/1流行り神1・2・3パック(ホラー、DL専)
7/4All The Words She Wrote(百合、DL専、日本語無し)
7/10ベストサーブドコールド(ミステリ、DL専)
7/17DistortedCode -生者の残り香-(乙女)
7/24泡沫のユークロニア -trail-(乙女)

アルカナ・ファミリア Rinato(乙女)

メモリーズオフ ファンディスク ヒストリア(ギャルゲー)
7/31勿ノ怪契リ(乙女)

風雨来記5(旅)

Steam

発売日タイトル
7/3ソフィアは嘘と引き換えに(ミステリ)
7/9Marshmallow All the Way Home(ギャルゲー)
7/11・超探偵シャーロックちゃん ~掟破りのミスディレクション~(ミステリ)
7/15Rewrite Harvest festa!(ギャルゲー)
7/17アドベントシナーズ(バトル)
7/18魔法少女ノ魔女裁判(ミステリ)
7/24咎狗の血 True Blood NITRO ARCHIVE(BL)
7月・ショートケーキの埋葬(サスペンス)

一言コメント

『Marshmallow All the Way Home』は『お家に帰るまでがましまろです』の英訳。珍しいところではニトロプラスのBL作品『咎狗の血』がSteam移植があります。その他にも色々発売されますが、ちょっと紹介しどころを掴めない作品が多く、ピックアップは二本だけになりました。作品の規模的には『魔法少女ノ魔女裁判』は大きめで注目かなぁ。

【ニュース】周回遅れのADVニュース

先月中に発表されたADV関連のニュースの中から、気になるものを周回遅れでピックアップ。

アクアプラス、売却へ。

ポールトゥウィン ホールディングス株式会社が、連結子会社である株式会社アクアプラスの全株式を譲渡する方針を決定。

…経営に関する話はさっぱり分かりませんが、ファミ通.comの記事など読むかぎり、持株会社であるポールトゥウィン ホールディングスがメディア・コンテンツ事業に更なる先行投資をするため、アクアプラスを切り離すことを決定した…ってことでいいんでしょうか。マネジメントバイアウトとか全然意味が分からない言葉なんですが、何にせよポジティブな話ではないことが文脈からうかがえます。

アクアプラスの経営と内実がどうなっているかは知り得ませんが、少なくともゲーム関連の動きに関して、いちファン目線から言えば、けっこう前から心配しています。というのも自分が知るかぎりアクアプラスは長いあいだ新規IPからのヒット作を生み出せておらず、ここ最近リリースした作品はほとんどが『うたわれるもの』関連。もちろん新規IPがないとダメってわけじゃありませんが、どんどん細くなっていくのでは…と気になってしまうんですよね。とはいえ、一応直近のイベントでは『ジャスミン』の開発再開などアナウンスされていますから、杞憂なのかもしれませんけども…

アクアプラスはそれこそリメイクが発売されたばかりの『ToHeart』や、高評価を獲得している『WHITE ALBUM 2』など有名作を持っていますから、ギャルゲーを長く遊んでいた自分にとって思い入れのある会社。末永く続いてほしいですが…どうなるか。

アクアプラスが売却へ。ポールトゥウィンがアクアプラスの全株式譲渡を決定。譲渡先として複数の企業と交渉中 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
ポールトゥウィン ホールディングス株式会社が、連結子会社である株式会社アクアプラスの全株式を譲渡する方針を決定、発表した。

アークシステムワークスが新作ADV『Dear me, I was…』を発表

アークシステムワークスがSwitch2専用新作ADVを発表。ダウンロード専売の短編で、とある女性の人生を追体験する内容とのこと。特徴として、本作はテキスト無しで物語が描かれるようです。これ「テキストADVマガジン」で紹介していいのか!?という感もありますが、まぁいいだろ!

プロモーションなど見るにビジュアルに力を入れている作品のようで、テキスト無しでやるからにはその表現は注目ポイントになりそうですかね。

面白いなと思うのはSwitch2専用であること。Switch2は特にグラフィック表現に力の入ったハードですから、そこを活かした作りになっているのかな?
公式サイトでは「触れる」…つまりタッチパネルを使った体験も強調されています。

発売は2025年夏とのことなので、たぶんもうすぐ。初のSwitch2専用のADVになるのではなかろうか?

Dear me, I was... | ARC SYSTEM WORKS
「Dear me, I was...」は、鮮やかな水彩タッチと、ロトスコープ技術を融合した美しいビジュアルが織りなすインタラクティブアドベンチャーです。

インタラクティブノベル『ダレカレ』の体験版が公開

歪みを体験するインタラクティブノベル『ダレカレ』の体験版がSteamにて公開されました。

本作はTearyHand Studioが講談社ゲームクリエイターズラボのパブリッシングを受けつつ開発されている作品。スタジオと言っても規模は大きくなく、本作は音楽以外の全てをクリエイターyona氏が一人で手掛けています。

個人的に気になっていたタイトルであり、かつ体験版を遊んでみるとかなり予想外というか、プレイヤーを驚かせようという意思をしっかり感じる掴みから、その後の奇妙な展開まで含めて印象に残る内容で、一気に注目度が増しています。お話それじたいも気になるんですが、テキストを補助に使うようなビジュアルでの表現がとくに面白いと感じました。

やはり自分にはこのジャンルはテキストで物語を描いて、その演出効果としてビジュアルがある…という基本の認識がありますので、そうでない体験をさせてくるゲームには意外性の観点から惹かれるものがあります。

発売は年内を予定。

実写ADV『盛世天下〜女帝への道〜』発表

New One Studio開発のフルモーションビデオ『盛世天下〜女帝への道〜』が発表されました。フルモーションビデオとは映画に選択肢を追加したようなタイプの実写ADV作品。本作は中国史上唯一の女帝である武 則天の生涯を体験する内容で、選択次第で10以上のストーリー分岐と、100を超えるデッドエンドに派生するとのこと。

中国の実写ADVが国内でも話題になることは度々あって、最近だとAUTOMATONが『Time Space Rebuild(再構成された時空)』を「やたら壮大な作品」としてピックアップしていたりもしました。

Steamの実写恋愛ゲームに“やたら壮大な作品”が出現し、好評かき集める。恋愛はそこそこに、世界を救う - AUTOMATON
Innovation Dream Techは5月20日、『Time Space Rebuild(再構成された時空)』をPC(Steam)向けにリリースした。さっそく好評が集まっており、好調なスタートを切っている。

そういう流れもあって私も同ジャンルには注目だけはしていて、今回発表された『盛世天下〜女帝への道〜』はPVなんかを見ても面白そうだな~と思ったので紹介した次第です。フルモーションビデオというと『ブラックミラー:バンダースナッチ』など有名かなと思いますが、触れていないのですよね。

ちなみに本作はスマホにも対応しています。もちろん日本語にも字幕対応予定とのこと。

実写SFホラーADV『Dead Reset』が発表

フルモーションビデオ関連のニュースをもう一つ。Wales InteractiveがPC Gaming Show 2025にて新作SFホラーADV『Dead Reset』を発表しました。

私は疎いですがWales Interactiveはフルモーションビデオタイトルをいくつも発売しているようです。『Late Shift』あたりはSwitchのストアで見たことがあるかな。日本で作られているイメージはあまりないですが、やっぱり結構ホットなジャンルなのかもしれない。

今回発表された『Dead Reset』はデスループ要素を含むSFホラー作品。PVを見てみますとそこそこグロテスクなシーンがあります。対応ハードはSteamはもちろんSwitchやPS5でも発売されるようですが、日本のストアには来るんだろうか…来たとしたらZ指定は確実でしょう。Steamのストアページには日本語サポート無しの表示がありますが、同社の他作品はどれも日本語字幕に対応しているので、いつかは実装されるのかな。

上記の『盛世天下〜女帝への道〜』も合わせて、自分の幅を広げるためにも触れておきたいタイトルです。

デスループSFホラー実写ADV『Dead Reset』グロさ満点の映像とともに発表。2025年9月発売予定【PC Gaming Show 2025】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト
「PC Gaming Show 2025」にて発表されました。

終わりに

夏が来るのが、早すぎる…ちょっとマニアックな内容になりそうだなと思う2025年7月です。

ピックアップした2本はどちらも予約or購入済みで、カレンダー内のタイトルの体験版も結構遊んだのですが、なかなか紹介の難しいタイトルが多いなという印象。『ベストサーブドコールド』辺りもちょっと気になるかなぁ。本当は『伊達鍵は眠らない – From AI:ソムニウムファイル』なんかもあるんですが、これってテキストADVと銘打ってるこの記事で紹介していいんだろうか…という葛藤的なものがあり、結局紹介せず。でも世間的な注目度がいちばん高いのはコレでしょうね。

今月は長い間やっていなかった18禁タイトルの紹介をやります。というのも『素晴らしき日々』の15周年パッケージが出るため。相変わらずそんなに面白いゲームだとは思っていないんですが、それでも一度遊んだだけでは読み取れないからこその引力を感じるのですよね…。

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