【テキストADVマガジン 2025年1月号】静かな年始…とはいえギャルゲー方面に注目作あり。去年の振り返りもやってみた。

テキストADVマガジン
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【Switch、Steam新作発売スケジュール】1月の主な新作テキストADV

2024年12月末日現在確認できる、Switch、Steamの新作ADV発売スケジュールをまとめています。
Steamの新作リストには抜けがあります。

()内は大まかなジャンルやDL専売か否かなどの情報。ジャンルは公式情報などから読み取れない場合、筆者の予測で書いています。

Nintendo Switch

発売日タイトル(ジャンル)
1/16・喧嘩番長 乙女 ダブルパック (乙女)
1/23制服カノジョ2(ギャルゲー)

制服カノジョ1・2・まよいごセット (ギャルゲー)

スウィートカフェコレクション ~ショコラ・パルフェ・シュクレ~(ギャルゲー)

シュクレ ~sweet and charming time for you.~(ギャルゲー、DL専)

ショコラ ~maid cafe “curio”~ Re-order(ギャルゲー、DL専)

※★マークは下でピックアップ

Steam

発売日タイトル
1/9★YouthSignal-ユースシグナル(学園、恋愛、シリアス)

・S4U: CITYPUNK 2011 AND LOVE PUNCH(ヒューマンドラマ)
1/10・恐怖の迂回 (ホラー)
1/15凪ノ恋(恋愛)

※★マークは下でピックアップ

一言コメント

年始ってことで新作は少なめ。まぁ毎年大体こんなもんな気がします。

今月の気になる新作ピックアップ

今月発売、注目の新作をピックアップして紹介します。

2025年1月9日配信予定。

学校を舞台に、悪化した風紀に立ち向かう少年少女たちの物語。多視点で展開されるストーリーはシリアス成分も強めなようで、世直しを通して自分たちの大切な時間を取り戻していく姿が描かれているようです。純愛もテーマに含まれているとのことで、恋愛要素もあると見ていいのかな。

Steamのストアページには「全員がゼロから挑戦を始めたクリエイター達が贈る」との文言があり、ゲーム制作未経験のクリエイターらが集まって製作した作品のようです。とはいえ作品の規模は大きめで、シナリオは100万字以上でプレイ時間の目安は30時間弱、しかも全編フルボイスとのこと。

若い層に向けた作品だとは思いますが、気合を入りようはスゴいものがあるので、動向の気になる一本。年明け間もない発売時期は注目を集めるには好タイミングだと思います。良いスタートを切れるのか、注目ですかね。

タイトルユースシグナル
ジャンル青春倒錯ADV
対応機種Steam他
発売日2025年1月9日
価格未定

2025年1月23日発売予定。

エンターグラムの恋愛ADVシリーズ『制服カノジョ』の最新作が発売されます。

本作は徹底してジャンルファン向け路線をとっているシリーズで、美少女キャラクターとの恋愛とセクシー要素強めのCGをプッシュしながらハイペースで関連作品を展開中。今回発売されるのは「2」とナンバリングされている通りシリーズ2作目ですが、初代の発売は去年の2月のことで、更にこの間にも外伝作品を一本発売しています。つまりシリーズ始動から1年以内に合計3作を発売…と、かなりの勢い。

今作も恐らく、前作までと変わらない路線だとは思います。

私としてはこの割り切った内容は結構好みだったりします。とにかく主人公に都合が良いし、やたら露出のあるCGで目を惹こうとするあざといシリーズなんですが、中途半端にシナリオをやろうとせず、わき目を振らずに求められていそうなものに直球なのは、なんというか潔い。CGを見てピンと来たなら遊ぶ価値はあります。

恒例の特典たっぷりの限定版の他、前作と外伝作の3本がセットになったパッケージなども同時発売されます。なおPC版もありますが18禁ではありません。

タイトル制服カノジョ2
ジャンル恋愛ゲーム
対応機種Switch、PS4、PC
発売日2025年1月23日
価格せりか初恋BOX:19,800円
ガチ恋BOX:30,800円
初回版:10,978円
通常版:8,778円
DL版: 8,360円
制服カノジョ2
任天堂の公式オンラインストア。「制服カノジョ2」ダウンロード版の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。

2025年1月23日発売予定。

エンターグラムから同一コンセプトのギャルゲー3本が一つになったパッケージが発売されます。収録内容は『パルフェリメイク』と『ショコラ』と『シュクレ』。3作とも喫茶店の経営という作品の根本の設定が共通しています。ただし繋がりは無く、それぞれ独立した内容。

『パルフェリメイク』は既にPS4とSwitchで発売済みですが、今回『ショコラ』と『シュクレ』がSwitch初移植です。

『ショコラ』と『シュクレ』は自分が知る限りではPS2以来の移植なので、かなり久しぶりの登場。『パルフェ』はリメイク前のものがVitaに移植されていました。3本の中だと自分は『パルフェリメイク』のみプレイ済み。大昔にこのブログでレビューもした記憶があります。結構面白かったような。

ちなみにDL版のみですがバラ売りもあり。ただし3本全部買うなら本パッケージの方がだいぶお得です。

タイトルスウィートカフェコレクション ~ショコラ・パルフェ・シュクレ~
ジャンルギャルゲー
対応機種Switch
発売日2025年1月23日
価格完全生産限定版 15,180円
通常版 10,780円
ダウンロード版 9,900円
備考3本がセットになったコレクションパッケージ。DL版のみバラ売りあり。
スウィートカフェコレクション ~ショコラ・パルフェ・シュクレ~
任天堂の公式オンラインストア。「スウィートカフェコレクション ~ショコラ・パルフェ・シュクレ~」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売...

【ニュース】周回遅れのADVニュース

先月中に発表されたADV関連のニュースの中から、気になるものを周回遅れでピックアップ。

『メモリーズオフ 双想 ~Not always true~』の発売日が2025年4月10日と発表

Switch/PS5/PS4/Steam「メモリーズオフ 双想 ~Not always true true~」公式サイト
2025年4月10日発売

MAGES.が恋愛ADVシリーズ『メモオフ』の最新作の発売日を発表。

本作、あまり情報を見ていなかったのですが、どうやら『シンスメモリーズ 星天の下で』と世界観を共有しているようですね。

というのも『メモリーズオフ』は過去にいちどシリーズを完結しています。しかしそのコンセプトを受け継いだいわゆる精神的続編的な形で発売されたのが『シンスメモリーズ』でした。そしてその系譜である本作のタイトルがやっぱり『メモリーズオフ』とはこれいかに…。まぁ『シンメモ』同様、シンプルにメモオフ新作として見てよさそうです。

対応ハードはSwitch、PS5、PS4、Steam。特典マシマシで5万円弱の限定版も発売されます。こちらは公式通販限定。

対話実験ゲーム『プロレゴメナ およそ3分間の交信の先に現れるであろうきわめて超次元的なインターフェースのための序論』発表

『プロレゴメナ およそ3分間の交信の先に現れるであろうきわめて超次元的なインターフェースのための序論』Steamストアページ公開
カラメルカラムは、Steam向けアドベンチャーゲーム『プロレ ...

カラメルカラムが新作ADV『プロレゴメナ およそ3分間の交信の先に現れるであろうきわめて超次元的なインターフェースのための序論』を発表&Steamストアページを公開。

やたら長いタイトルに面食らいますが、内容は3分という限られた時間内で女性との対話をすることにより、現実とゲームの世界の二項対立からの脱構築を目指す…というもので、これまた難解。恐らく哲学だとか現代思想に寄せた内容だとは思いますが、これはもし知りたければ遊んでみるしかなさそうな感覚。

この辺りの不可解さも含めて興味を惹かれる一本ではあります。

『Milk』のNikita Kryukov氏が新作『1000: The All-Mother’s Embrace』を発表

世界で人気を博した短編ADV『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』のNikita Kryukov氏が新作をSteamにて発表。現在はストアページも全て英語ですが、対応言語には日本語も含まれています。

『Milk』も相当に難解というかクセの強い内容でしたが、本作でもそれは変わっていない様子。ただビジュアルはだいぶ色鮮やかになっていますね。物語内容は現状の情報から予想するだけムダなような気がするので何とも言えませんが、『Milk』は作品自体の人気に加えて影響力も凄かったように思うので、本作も注目を集めるのは確実でしょう。

具体的な発売時期は不明です。

ブシロードとフロントウイングが新作ビジュアルノベル『花束を君に贈ろう-Kinsenka-』を発表。シナリオに漆原雪人氏。

花束を君に贈ろう- Kinsenka- | Frontwing
「漆原雪人」×「さいね」による新作ノベルゲーム『花束を君に贈ろう- Kinsenka-』公式サイトです。

ブシロードとフロントウィングが新作ビジュアルノベル『花束を君に贈ろう-Kinsenka-』を発表。シナリオに『さくら、もゆ。』などR18方面で実績のある漆原雪人氏が参加しています。発売は2025年を予定。

2024年も『プトリカ1st.cut』など、18禁界隈で活躍していたライターが全年齢向け短編を発売するケースは多くありました。漆原雪人氏も有名作をいくつか手掛けているライターで、特に『さくら、もゆ。』は高い評価を獲得した作品です。

因みにフロントウィングは本作の他にも、グッドスマイルカンパニーとの共同企画であるビジュアルノベル『KANADE』も2025年春に発売を予定しています。

サクセスが歴史ミステリアドベンチャー『転生遊郭: Ghost Traveler』を発表

転生遊郭: Ghost Traveler
江戸時代にタイムスリップした少年が遭遇する猟奇殺人事件の謎を解く、怪奇ミステリ・アドベンチャーゲームが登場!

サクセスが新作アドベンチャーゲーム『転生遊郭: Ghost Traveler』を発表。SwitchとSteamで2025年発売予定。江戸の吉原にタイムスリップした男子高校生が、猟奇殺人事件の解決と現代への帰還を目指す物語とのこと。

なかなか脈絡の見えない突然の新作ですが、公式サイトによればDL専売のようなので、コンパクトな内容の短編ってところでしょうか。サクセスの企画としては珍しい部類なのかな。

【振り返り】2024年のテキストADVを主要タイトルと共にざっと振り返ってみる

2024年に発売されたテキストADVを、主要タイトルを見ながら簡単に振り返ってみます。

2024年発売の主なテキストADV

・未解決事件は終わらせないといけないから
・八剱伝(R18)
・Citizen Sleeper
・制服カノジョ
・刹那にかける恋はなび(R18)
・あくありうむ
・アンラベル・トリガー(R18)
・飢えた子羊
・東京サイコデミック
・神無迷路
・新宿葬命
・鏖呪ノ嶼(R18)
・岩倉アリア
・ナツノカナタ beyond
・Hookah Haze
・リルヤとナツカの純白な嘘
・Everlasting Flowers
・ファミコン探偵倶楽部 笑み男
・ムーンレスムーン
・旭光のマリアージュ(R18)
・北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ  ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~
・プトリカ 1st.cut
・C.V. 私と私の中の人 The Fourth Insider
・大穢 -前編-(R18)
・鏖殺ノ乙女.(R18)
・Slay the Princess – The Pristine Cut 
・文字化化
・ミステリーの歩き方
・たねつみのうた
・この青空に約束を― Refine

ざっと並べてみるとこんな感じでしょうか。

年始にまず注目を集めたのはSomi氏の新作『未解決事件は終わらせないといけないから』。もともとADVファンの間では有名なSomi氏でしたけど、本作で一気に有名になったように思います。内容も高い評価を受けていますね。



『制服カノジョ』もギャルゲーに馴染みがある自分にとっては注目の存在でした。エンターグラム肝入りのオリジナルタイトルで、現在もガンガン新作を展開中。上でも紹介した通り、2025年にもいきなり続編を発売します。

中国での好調が聞こえてきた『飢えた子羊』は『未解決』と並んで2024年前半に耳目を集めた海外産ADV。先日は大型アップデートにより日本ボイスに対応するなどして再び耳目を集めていたタイトル。

『岩倉アリア』はMAGES.の突然の新規IPでしたが、ビジュアルとシナリオで高評価を得ていました。主にシスターフッドだとか、そのような方向での評価をよく見かけたかな。

発表時に注目を集めた『Hookah Haze』は、シーシャというユニークな目の付け所で存在感を放っていました。感動系の重めなシナリオで評価も上々な模様…買ったけどプレイできてないなぁ…。

『Everlasting Flowers』は個人的にいちばん注目していた新作です。内容に不満こそいくらか残りましたが、かなり気合を入れてプレイして、ブログ記事でもガッツリ語れたのでそういう意味で大きかったタイトル。Spriteは今後も応援してきたいメーカーです。

『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』は内容ももちろんですが、何よりも電撃発表に驚かされたタイトルでした。前後に『かまいたちの夜×3』や『オホーツクに消ゆ』など近いジャンルのタイトルが集合していたこともあって、2024年は推理系ADVの印象もけっこう強いですね。

ローカライズと大型アップデート、コンソール版の発売で話題になった『Slay the Princess – The Pristine Cut 』はINDIE Live Expo Awards 2024にて大賞に選ばれるなど、もともと高評価を獲得してた海外に同様、国内でも高い評価を受けました。かなり難解な内容なんですが、こういうタイトルが大きな賞をとったことに驚かされました。

Kazuki氏の参加で話題になった『たねつみのうた』はANIPLEX.EXEの最新作。2023年にも『ヒラヒラヒヒル』など展開していたANIPLEX.EXEですが、今やすっかりビジュアルノベル界の注目株になったように思います。

2024年を総括して一言

想像していたよりもずっと大型のパッケージタイトルが目立っていて、バランスの良い一年だったな~と感じます。

というのも2023年の場合、話題になったタイトルはロー~ミドル帯の作品が中心だったのですよね。『ファミレスを享受せよ』や『ghostpia』、『The Cosmic Wheel Sisterhood』に『ヒラヒラヒヒル』などが代表だったと思います。フルプライス帯は18禁で『サクラノ刻』くらいしか大型タイトルがなかったような…移植だけど『魔法使いの夜』もあったかな。

一方で2024年は『岩倉アリア』や『笑み男』に『Everlasting Flowers』と、デカめのタイトルが結構存在感を出しているのですよね。もちろんロー~ミドルの勢いもじゅうぶんで『Slay the Princess』や『未解決』など、高い評価を受けて賞をとるような作品も出てきました。

まぁだからといって未来が安泰だとか言うつもりはないのですが、何だかんだいっても話題作に事欠かない一年にはなっていたのかなと思います。2024年の頭は「今年はどうなってしまうのか…」と心配していたような記憶があるんですけれども。

2025年も今のところは注目作がポツポツとあります。『笑み男』の電撃発表のような動きはそうそうないと思いますが、それでも何か期待しちゃうな~。

今月も18禁タイトルの紹介はお休みしています。どっちかっていうとこっちの方が深刻かもしれない…注目のゲームがないというよりは、個人的に刺さりそうなタイトルが見つからないだけなんですけれども。

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