【Switch、Steam新作発売スケジュール】9月の主な新作テキストADV
2024年8月31日現在確認できる、Switch、Steamの新作ADV発売スケジュールをまとめています。
Steamの新作リストには抜けがあります。
()内は大まかなジャンルやDL専売か否かなどの情報。ジャンルは公式情報などから読み取れない場合、筆者の予測で書いています。
Nintendo Switch
発売日 | タイトル |
---|---|
9/6 | ★逆転検事1&2 御剣セレクション(推理) |
9/12 | ・トラブル・マギア ~訳アリ少女は未来を勝ち取るために異国の魔法学校へ留学します~(乙女) ★北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~(推理) |
9/13 | ・Celestia: Chain of Fate(DL専、乙女、日本語非対応) |
9/19 | ★かまいたちの夜×3(推理、ホラー) ・贄の町(BL) ・GINKA(ギャルゲー) |
9/26 | ・燃えよ! 乙女道士 ~華遊恋語~(乙女) ★制服カノジョ まよいごエンゲージ(ギャルゲー) |
※★マークは下でピックアップ
Steam
発売日 | タイトル |
---|---|
9/6 | ★逆転検事1&2 御剣セレクション(推理) |
9/12 | ・▼スライム娘は人間と友達になりたいようだ(ファンタジー) ★北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~(推理) |
9/19 | ・贄の町(BL) ★かまいたちの夜×3(推理、ホラー) |
※★マークは下でピックアップ
一言コメント
8月末の『笑み男』から始まっている推理ADV強化月間。ギャルゲー、乙女ゲーも多めで、ADVの主流3ジャンル(?)が広く集合。
今月の気になる新作ピックアップ
今月発売、注目の新作をピックアップして紹介します。
逆転検事1&2 御剣セレクション / Switch、PS4、XBOX ONE、Steam
2024年9月6日発売予定。
『逆転裁判』のライバルキャラである御剣を主人公にしたスピンオフがSwitch、Steamに移植されます。
本編である『逆転裁判』はGBAでの発売以降、様々なハードに移植されてきました。季節ごとのセールの常連でもあります。しかしこの『逆転検事』はスピンオフということもあってか、NDSでの発売以降の移植がこれまで実現しておらず。
それが今回は2作まとめての移植。これはファンや遊び逃していた人には嬉しい展開ではないでしょうか。
内容は単純な移植に留まっておらず、グラフィックが描き直されている他、アレンジBGMも収録。更にオリジナル版には無かったチャプターセレクトやバックログ閲覧機能なども追加されており、遊びやすさも向上しています。…っていうかオリジナル版、バックログなかったのか…。
私もこれは遊べていないので、触ってみる予定。しかし逆転裁判シリーズ、いよいよこれを以て移植の弾は尽きたことになります。今後の展開をどうするかは気になるところですね。
タイトル | 逆転検事1&2 御剣セレクション |
ジャンル | 推理 |
対応機種 | Switch、PS4、XBOX ONE、Steam他 |
発売日 | 2024年9月6日 |
価格 | DL版:4,990円 パケ版:5,489円 |
北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~/ Switch、Steam
2024年9月12日発売予定。
古典ADVの一つで今も有名な『オホーツクに消ゆ』がリメイクを経てSwitchとSteamで発売されます。
本作は『ドラゴンクエスト』で有名な堀井雄二の代表作。発売時期自体はドラクエよりも古いうえ、現在でもスタンダードな方式であるコマンド選択式のシステムを国内で初めて採用したのが、本作のPC版である…というのはWikipediaの受け売りです。歴史を語るにも重要な作品ってことですね。
そもそも本作よりも古く、元祖と呼べるほど古いADVは、「〇〇 見る」だとかのワードをキーボードを使って直接入力して進めていくのが主流だったようです。とはいえ、当然ながらゲーム側に設定されているワードを正しく入力しないと反応はせず。プレイヤーは何が正しいワードかをゲーム内情報から推察する必要があって、これがなかなか難しそう。
これをキーボード無しのコンソールでプレイ可能な形に落とし込んだのがコマンド選択式という仕組みである…ということらしい。
同じく堀井雄二に関わりの深い『ポートピア連続殺人事件』や『軽井沢誘拐案内』と並んで、古くからのファンから語り継がれる本作。名前だけ知っている~なんていう人は私含めて少なくないでしょうから、これは良い機会と言えるでしょう。
原作に忠実なリメイクをしている一方で、フルボイス対応や新規シナリオ追加など、単にガワを新しくしただけには留まらない仕上がり。さすがに今遊んでどう思うかは難しいところでしょうが、古典に興味があるなら見逃せない一本です。
因みに今回のリメイク、フライハイワークスから発売されている『ミステリー案内』とは無関係…ということを書きながら知って驚いています。というのも、『ミステリー案内』と本作のビジュアルが似ているため、てっきり同じチームなのかと思い込んでいたんですよね。しかし『オホーツクに消ゆ』のリメイクはジー・モード主導の企画であり、両者に関わりは特にありません。ただビジュアル担当がどちらも荒井清和ということで、パッと見は同じチームの作品に見えてしまう…というどうでもいい話です。
タイトル | 北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~ |
ジャンル | 推理、サスペンス |
対応機種 | Switch、Steam |
発売日 | 2024年9月12日 |
価格 | DL版:4,800円 パケ版:8,800円 |
備考 | パケ版は特典つき |
かまいたちの夜×3 / Switch、Steam、PS4
2024年9月19日発売予定。サウンドノベルシリーズの代表作が移植されます。
推理アドベンチャーの金字塔『かまいたちの夜』はチュンソフトが1994年に発売した作品。主なシリーズ作品は4本発売されており、今回移植されるのはその3作目です。
3作目と言っても、この『かまいたちの夜×3』はシリーズの一つの区切りという位置づけで、1作目からここまでの主要シナリオを全て収録した内容です。そのためシリーズを始めて遊ぶ場合であっても、ここから遊び始めて問題なし。
というか初代と2はプレイ環境が限られているので、実質これ一択でしょうね。
かまいたちは私にとっても思い出深いタイトルで、今のプレイ環境が少ない状況は歯がゆく思っていました。それが解消される今回の移植は嬉しい…のですが、シリーズファンとしては、最高の形とは言い切れないのが難しいところ。
というのも、移植される『かまいたちの夜×3』は、確かにそれまでのシリーズのメインシナリオを全て収録してはいるのですが、しかしそれは言葉通り、あくまでもメインシナリオのみの収録なんですよね。移植前からケチをつけるのもアレですが、これでは魅力を100%味わえるとは言えません。
なぜかって、かまいたちの夜の魅力は、多様なサブシナリオが担う部分が大きからです。
かまいたちの夜は物語中の選択肢によって、いくつものパターンへと分岐します。その七変化っぷりときたら凄まじいものがあり、さっきまで真面目にミステリをやっていた登場人物たちが、選択肢によってはペンションの地下にあるダンジョンに挑んだり、孤島に伝わる伝説を追って冒険したりもする。
少なくとも私は、このような分岐による物語変化の多様性という点で『かまいたちの夜』を越えるビデオゲームを知りません。同じ表紙を開いたはずなのに、選択肢によって物語の中身が、キャラの設定が、作品世界の背景が全く違うものになる…。これを味わうには『かまいたちの夜×3』は完璧とは言えないのですよね。まぁ、それでも買うんですけども。
タイトル | かまいたちの夜×3 |
ジャンル | 推理、サスペンス |
対応機種 | Switch、Steam、PS4 |
発売日 | 2024年9月19日 |
価格 | 3,600円+税 |
制服カノジョ まよいごエンゲージ / Switch、PS4、Windows
2024年9月26日発売予定。
エンターグラムが展開するオリジナル作品『制服カノジョ』シリーズの新作が発売されます。
エンターグラムは元々PCで発売された美少女ゲームの移植を中心に行う会社でした。しかし最近はオリジナルタイトルの発売にも力を入れており、『制服カノジョ』はその中でもプロモーションや展開に力の入っている大きめのタイトル。
今年の2月にシリーズ最初の作品が発売されており、そこから7ヶ月での新作発売と、なかなかのスピード。ただ前作はヒロインが3人いたのに対し、この『まよいごエンゲージ』はワンヒロインのミドルプライスタイトル。
前作の内容は徹頭徹尾という表現がぴったりのギャルゲーでした。物語がどうこうよりは、可愛いヒロインをカノジョにして一緒に過ごすこと、きわどいCGをたっぷり収録して需要に応えることを中心にしている印象のシリーズです。本作もおおむね同じようなコンセプトと見て良さそうかな?
狙っているものに対してまっすぐなタイトルで、その潔さは結構好きです。
ちなみに多数のグッズが付属するパッケージも発売されますが、ゲーム本編は単体なら3000円弱。Windows版も発売されますが、コンソール版と変わらず全年齢向けで、18禁版は存在しません。
タイトル | 制服カノジョ まよいごエンゲージ |
ジャンル | 恋愛ゲーム |
対応機種 | Switch、PS4、windows |
発売日 | 2024年9月26日 |
価格 | ゆめは初恋BOX:12,000円(税別) 通常版:3,000円(税別) DL版:2,700円(税別) |
【ニュース】周回遅れのADVニュース
先月中に発表されたADV関連のニュースの中から、気になるものを周回遅れでピックアップ。
【「あくありうむ。」完全新作ゲームが発売中止に。
Vtuberの湊あくあが卒業したため、エンターグラムが『あくありうむ。』新作の開発中止を発表。
『あくありうむ。』は湊あくあがヒロインを演じる恋愛ADV。現在もSwitchなどで発売されています。Vtuberは詳しくありませんが、ここまではっきりとVtuberを前面に出したコンソール向けタイトルは多くないので、このコラボレーション(?)は、若い人が触るきっかけになったらいいなと嬉しく思っていました。事情があっての卒業でしょうが、残念ですね。
『この青空に約束を― Refine』が発表
人気ギャルゲー『この青空に約束を』のフルリメイク版が発表。
本作は元は18禁の美少女ゲーム。シナリオを『WHITEALBUM2』などで有名な丸戸史明がてがけており(正確には丸戸史明 with企画屋)、氏の名前を業界に知らしめた代表作と言ってよいでしょう。
18禁版は昨年解散した美少女ゲームブランド「戯画」の作品でもありました。戯画は昨年に惜しまれつつも解散しましたが、今回のリメイクなど見るにチーム自体はまだまだ現役で動いていると見ても良いのでしょうか(戯画はエンターグラム内の18禁ブランドだった)。
しかし先月の『Toheart』のリメイク発表も耳に新しい中での発表…18禁シーンでは既に『同級生』など古い作品のリメイク、リマスターが続々発表されていますが、今後も動きがあると見て間違いないと考えています。隆盛を極めた時代の作品はまだまだありますからねぇ。
『都市伝説解体センター』の発売時期が2025年2月と発表
先日のインディーワールドにて『都市伝説解体センター』の発売時期が発表されました。
本作はチーム「墓場文庫」が開発するミステリーADV。同チームは『和階堂真の事件簿』で有名で、今回は集英社ゲームズのサポートを受けての開発となっています。ドットアートが和階堂と比べるとかなり細かくなっていますね。都市伝説×ミステリの題材はADVでは定番ですが、本作このようなアート面でひとつ特徴を出している印象です。
『終のステラ』Switch版が12月5日に発売決定
Keyのキネティックノベルシリーズ最新作『終のステラ』のSwitch版が発売決定。
本作はシナリオを田中ロミオ、ビジュアルにSWAVを招いたSFアドベンチャー。キネティックノベルシリーズは一通り遊んでいますが、その中でも特に面白い一本で、オススメです。ギャルゲーの文脈があまり濃くない内容なので恋愛ADV系は遊ばない人でも大丈夫。
既にSteam版などは発売済みで、いつかSwitchに来るだろうとは思っていましたが、想像していたよりは時間がかかった印象です。ただ移植をやっているプロトタイプはこの間にキネティックノベルシリーズをどんどんSwitch向けに移植していたので、時間はかかれど今後もSwitchでの発売を期待してよさそうですね。
ちなみにKeyは年内にキネティックノベル新作『虹彩都市』を発売予定。こちらもSF色の強い作品。詳しい時期は未定です。
【短編紹介】週末の一本
ゲームを遊ぶ時間がなかなか取れない…
悩めるゲーマーのために、週末のお休みだけでクリアできる短編を紹介します。
ムーンレスムーン/ Steam クリアまで3時間
「プレイするミュージックビデオ」を謳う短編ADV。クリアまでは大体3時間です。先月の新作紹介枠で挙げたタイトルですが、その後購入してプレイしました。プレイタイム的にこちらでの紹介にも向いていると感じたので、改めて。
さていきなり難を言いますと、「プレイするミュージックビデオ」というワードに、何かメカニクス的な取り組みを期待すると肩透かしを食らうと思います。内容は短編ビジュアルノベル+ミュージックビデオで、それぞれから受ける印象を最大化するための掛け合わせ…という印象。なにか遊びの仕組み的な試みは特にありません。
では物語はどうかと言いますと、これは一言でいって…若い。若いというのはバカにしているのではなく、誰もが一度は通る、考えるもので、現実になびくうちに考えなくなっていくテーマ…みたいなニュアンスです。その意味で本作のシナリオにある悩みに通ずるものは皆持っていると思うので、多くの人にオススメできるとも言える。
主人公は友達といるからこそ感じる孤独や、繰り返す単調な毎日から逃れたいと感じ、ここではない別の世界へと思いを馳せます。
この主人公の姿が、明日がくるのがイヤだとか、このまま時間が止まってしまえばいいとか、そういう現実に近い悩みをプレイヤーに想起させ得るでしょう。そして本作は本当にそのようなことが起こる。
しかしそれは現実には決して適用できない抽象的な答えです。それはプレイヤーになんらかのリラクゼーションを与える内容ではあります。同時に現実世界の孤独や辛さに対してどうこうなる力強さを持ってはいない…そんな印象を受けました。
タイトル | ムーンレスムーン |
ジャンル | PC |
対応機種 | ADV |
価格 | 1200円 |
終わりに
ミステリ系ADVが熱い。移植が熱い。
さて9月はいよいよ『かまいたちの夜×3』がSwitchやSteamに登場します。その他にも『オホーツクに消ゆ』や『逆転検事』など、過去作の復活が熱い一ヵ月です。しかし『笑み男』含めファン層が近そうなタイトルがこれだけ固まるのは珍しいですね。それぞれがその月のメインを張れそうなタイトルです。
そして先月の『Toheart』のリメイクに続くような形での『この青空に約束を』のリメイク発表…次は何だ。けよりなか、車輪か、クロスチャンネルか。ときメモの移植も発表されましたし、ホントのホントに美少女ゲームにもこの流れが来ています。
先月はやらなかった18禁タイトルの紹介、今月はやります。大き目のタイトルが固まっていて、年内は話題に事欠かなそうかな~。
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