【Switch、Steam新作発売スケジュール】8月の主な新作テキストADV
2024年8月3日現在確認できる、Switch、Steamの新作ADV発売スケジュールをまとめています。
Steamの新作リストには抜けがあります。
()内は大まかなジャンルやDL専売か否かなどの情報。ジャンルは公式情報などから読み取れない場合、筆者の予測で書いています。
Nintendo Switch
| 発売日 | タイトル |
|---|---|
| 8/1 | ・緋色の欠片 玉依姫奇譚 ～おもいいろの記憶～ for Nintendo Switch(乙女) ・東京クロノス＆アルトデウス: ビヨンドクロノス ツインパック(ミステリ、SF) ・アパシー 鳴神学園七不思議+危険な転校生(ホラー) |
| 8/8 | ・新宿羅生門 －Rashomon of Shinjuku－(友情) ・恋にはあまえが必要です(ギャルゲー) ・少女☆歌劇 レヴュースタァライト 舞台奏像劇 遙かなるエルドラド（アニメ原作） ・花笑む彼と & bloom(乙女) ・SOME SOME コンビニエンスストア (ギャルゲー) ・神無迷路 (DL専、SF、ミステリ) ★Fate/stay night REMASTERED (DL専、ギャルゲー、バトル) |
| 8/22 | ・ナツノカナタ beyond(DL専、ポストアポカリプス) |
| 8/29 | ★Everlasting Flowers – Where there is a will, there is a way(百合) ・廃遊園地のメメントメモリア(ボーイミーツガール) ★ファミコン探偵倶楽部 笑み男 (ミステリ) ・My9Swallows TOPSTARS LEAGUE(乙女) |
| 8/30 | ・旭光のマリアージュ episode LIA(DL専、ギャルゲー) |
※★マークは下でピックアップ
Steam
| 発売日 | タイトル |
|---|---|
| 8/8 | ・Zombie Police ～ゾンビ刑事と踊るクリスマス～(ミステリ) ★ムーンレスムーン(音楽) ★Fate/stay night REMASTERED (ギャルゲー、バトル) |
| 8/16 | ★かたわ少女（ギャルゲー） |
| 8/29 | ★Everlasting Flowers – Where there is a will, there is a way(百合) |
※★マークは下でピックアップ
一言コメント
多様なジャンルがそろう一ヵ月。元々注目作が多かったところにファミコン探偵倶楽部、Fateまでやってきてさぁ大変。どうしてここまで固まった！？
今月の気になる新作ピックアップ
今月発売、注目の新作をピックアップして紹介します。
Everlasting Flowers – Where there is a will, there is a way / Steam、Switch、PS4
2024年8月29日発売予定。
いきなりデカいことを言いますと、本作は私が2024年もっとも注目しているタイトルです。
本作は美少女ゲーム界隈では名の知れているSpriteの新規IP。Spriteは『蒼の彼方のフォーリズム』で有名ですが、一度は解散の憂き目にあうなどしており、決して順風を受けてきたわけではありません。そんな事情があるため活動期間が長い割には完全新作の発売が少ないブランドであり、本作で3つ目になります(ファンディスクなどは多数発売しています)。
これを踏まえると本作がSpriteにとってたいへん重要なタイトルであること確実。そのため品質には力を入れているだろうと予測しており、期待も高まっているという次第です。
理由はもう一つありして、Spriteが2022年に発売した『蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2』が良い内容であったため。そんなこんなで期待を寄せずにはいられない一本というわけです。
ジャンルは以前からアナウンスされていて「文学的フィルミックノベル」と銘打たれています。
フィルミックノベルとはSpriteが自社のVNシリーズの総称として謳っている言葉。その特徴を公式サイトから引用します。
長さよりもクオリティ・多彩なCGによる演出を重視
シネマティックな構図を中心としたビジュアル
ストーリー・ビジュアル・音楽を融合させた映画的作品
Sprite FILMIC NOVEL公式サイトより
端的に言ってみると、ボリュームよりも演出、ビジュアルを重視するというコンセプトに基づいたVN作品でしょうか。本作はここに「文学的」というワードが組み合わせてあります。
文学は多義的な言葉だから難しいですけれども、公開されている情報に触れる限り、テキストでの表現に拘りを持っているのは確かに見えます。テキストは心中や時間を止めての描写が得意なジャンルなので、その辺りの強みが活かされている感じかな？
あらすじ読んでみますと、主題の一つは葛藤からの立ち上がり。これは定番のテーマ。どこまで真に迫って描いてくれるかに注目でしょうか。
| タイトル | Everlasting Flowers – Where there is a will, there is a way |
| ジャンル | 文学的フィルミックノベル |
| 対応機種 | PS4、Switch、Steam |
| 発売日 | 2024年8月29日 |
| 価格 | DL版：6300円(税抜) パッケージ版：6980円(税抜) 初回限定特装版：11980円(税抜) |
ファミコン探偵倶楽部 笑み男 / Switch
2024年8月29日発売。
多くのジャンルファンにとっての大本命はこちらでしょうか。
謎の動画によるプロモーションから始まり、まさかのシリーズ新作発売と相成ったファミ探ことファミコン探偵倶楽部。2021年に初代と続編のリメイクこそ発売されたものの、そのリメイク実現だけでもファンからは驚きの声が上がっていたように思います。そこから3年。まさか完全新作があるとは…正に願ってもいないことだったように思います。
公開されているスクリーンショット等を見ますと、オールドスタイルを継承したコマンド選択型のADVであることが窺えます。一方でインタビューを見ますと、やりたいことを詰め込んであり、ファミコン探偵倶楽部の一つの完成系であるとしつつ、しかし結末は賛否を生むかもしれないとのこと。チャレンジも盛り込んだ内容を期待して良さそうですね。
私にとっての大本命は上記の『Everlasting Flowers』なんですけれども、こちらももちろん購入予定。
実は現在『消えた後継者』と『うしろに立つ少女』のリメイク版を再プレイしていまして、これに関するブログ記事も何か書けたらな—と思っています。レビューと言うよりは、もうちょっと硬めの読み物になる…予定。
| タイトル | ファミコン探偵倶楽部 笑み男 |
| ジャンル | ミステリ |
| 対応機種 | Switch |
| 発売日 | 2024年8月29日 |
| 価格 | パッケージ版 ：6,578円 ダウンロード版：6,500円 コレクターズエディション：9,878円 |
| 備考 | ニンテンドーカタログチケット対応 |
Fate/stay night REMASTERED / Switch,Steam
2024年8月8日配信予定。
TYPE-MOONの代表作がSwitchとSteamに移植されます。
TYPE-MOONは説明不要のヒットメイカーですが、その人気を不動にした作品こそがこの『Fate/stay night』であり、その人気は現在、衰えるどころか勢いを増してすらいます。
それでいて移植の機会はそれほど多くなく、家庭用ゲーム機に限るとPS2、Vitaで実現したきりでした。今回の再展開でまたぐっと遊びやすくなりますね。
また『Fate/stay night』はとても長いことでも有名です。
これを機に遊ばれる場合、たっぷり時間を用意しておくことをオススメします。と言っても内容が面白いため、引き込まれている内に気にならなくなるとは思うのですが。
| タイトル | Fate/stay night REMASTERED |
| ジャンル | 伝奇活劇ビジュアルノベル |
| 対応機種 | Switch、Steam |
| 発売日 | 2024年8月8日 |
| 価格 | 3500円 |
かたわ少女 / Steam
2024年8月16日配信予定。無料です。
海外発のフリーゲームがSteamに登場。元は18禁の作品ですが修正されて全年齢対応とのこと。
本作は自分も詳しいことは知らないのですけども、フリーゲームファンの間では語り草になっている作品なんですよね。タイトルにある「かたわ」は障害を持つ人を指す差別的な言葉で、放送禁止用語にもなっている表現です。これが堂々とタイトルに使われているのは、本作が海外発のゲームであることに一因があるようです。
ただ内容は差別とは無関係…どころか、マイノリティへの見方を捉え直すきっかけにもなりうる作品とのこと。
| タイトル | かたわ少女 |
| ジャンル | 恋愛 |
| 対応機種 | Steam |
| 発売日 | 2024年8月16日 |
| 価格 | 無料 |
ムーンレスムーン / Steam
2024年8月8日配信予定。
「プレイするミュージックビデオのような体験」を謳うテキストADVがSteamにてリリースされます。
インディーゲーム×音楽をテーマにした本作はアーティストが制作、歌唱する書き下ろし楽曲などにも強くスポットを当てています。制作は『ナツノカナタ』などがヒットしたKazuhide Oka氏とKAMITSUBAKI STUDIOの共同プロジェクトとのこと。
テーマの珍しさに惹かれる一本ですが、公開されている映像を見ると、意外とテキスト量も多いのかなーという印象を受けますね。「プレイするミュージックビデオ」というのが具体的にどんなものなのかのイメージがまだ掴めないので、そういう意味でも期待している作品です。
| タイトル | ムーンレスムーン |
| ジャンル | ADV |
| 対応機種 | Steam |
| 発売日 | 2024年8月8日 |
| 価格 | 1200円 |
【ニュース】周回遅れのADVニュース
先月中に発表されたADV関連のニュースの中から、気になるものを周回遅れでピックアップ。
『ToHeart』リメイク版発表
アクアプラスの公式生放送にて『ToHeart』のリメイク版の発売が発表されました。
現段階での情報は少なめ。ボイスは新キャストと原作のキャスト両方のものを収録しており、切り替えが可能であるということくらいでしょうか。ということはシナリオには手を加えていない…？
続報は11月のアクアプラス30周年のイベントにて発表予定。
本作は美少女ゲームが現在のノベルゲーム形式に落ち着くきっかけになったタイトル…というのが定説です。が、現代ではプレイ環境は限られていて、直近でもPSPの移植版まで遡らないとダメなはず。
気になるのはゲーム内容がどのように変化するかでしょうか。というのも『ToHeart』はまだ美少女ゲームが「攻略」の色を濃くしていた頃の作品であるため、私が覚えている限りでは、単に選択肢に沿って物語を追うだけてはヒロインのルートに入れない…とかあったようななかったような。
Steam版『君が望む永遠 ～Enhanced Edition～』が10月18日に発売
クラウドファンディングが行われていた『君が望む永遠』のリマスター版の発売日が発表。
昨今の出戻り世代狙いの風潮は美少女ゲーム界隈にもしっかり及んでいまして、こちらもその流れの一環…と解釈できましょうか。本作はあの『School Days』と並べて語られる際どい三角関係で有名な一本。私もプレイしたことはないので、今回の再展開は良い機会だと思っています。
ただ『ToHeart』のようなリメイクではなく、あくまでも再移植のような位置づけです。CGやボイスは当時の物をそのまま使っているようです。
ちなみに最新の移植はPS2版だったはず。『マブラヴ』にもちょっと関連のある作品ですね。
『シンフォニック＝レイン』のパッケージ版がSwitchで2024年冬発売決定。
工画堂スタジオが『シンフォニック＝レイン』の20周年を記念して展開をいくつか発表。中でも大きいのはSwitchでのパッケージ版の発売。予定は今年の冬とのこと。
周りの信頼できるジャンルファンもオススメしている作品で、実は私もSteam版を既に購入済み。でもパッケージがでるならそっちにも惹かれるなぁ…。その他にもボーカルCDの再販やコミケ104への出展も発表されています。
『ダークオークション – ヒトラーの遺産 -』が発売を2025年に延期
鈴木里香さんも関わるイザナギゲームズの新作が延期をアナウンス。
鈴木里香さんは推理、謎解き系のADVを長い間手掛けている方で『アナザーコード』などが有名でしょうか。今年の頭にリメイクも発売されましたね。
ただこんな新作が動いていたとは全く知らず。どうしても美少女ゲーム文脈の情報網に吸い寄せられがちなので…。本作はクラウドファンディングから動き出していたタイトルのようで、ノーマークでした。
【短編紹介】週末の一本
ゲームを遊ぶ時間がなかなか取れない…
悩めるゲーマーのために、週末のお休みだけでクリアできる短編を紹介します。
ファミコン探偵俱楽部 消えた後継者/ うしろに立つ少女： Switch クリアまでそれぞれ5～7時間
新作が発表されたファミコン探偵倶楽部。実は発売済みのリメイク版2本はどちらも短編で、5〜7時間くらいでクリアできる作品です。
内容は「これぞ」と言いたくなる正統派の推理系コマンドADV。メカニクスはもはや使い古されたものですが、この2作は情報の出し方、展開でプレイヤーを楽しませる内容を多分に含むため、今遊んでも面白さを感じられる内容です。
ただ、あまり詳しくはないですが、ゲームの表現の幅が広がった今となっては、このタイプの遊びはコマンド総当たりしていく面倒くささが先に立つような面はあります。このボリュームだからこそ遊べる内容だと言えるのかもしれません。その意味で『笑み男』がどういう内容になっているのかは気になっていて…まぁこの辺は別の記事で語る予定。
ちなみに原作の発売順は『消えた後継者』→『うしろに立つ少女』ですが、時系列的には逆なので、どちらを先に遊んでも問題なし。ただ『うしろに立つ少女』の方が、当たりのコマンドを探して彷徨うことが少なくなるようデザインされているので、私は発売順でのをオススメします。もちろんどちらか片方だけでも何の問題もありません。
| タイトル | ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者/うしろに立つ少女 |
| ジャンル | コマンド式サスペンス、推理ADV |
| 対応機種 | Switch |
| 価格 | 各4378円 |
終わりに
空前の盛り上がりを見せる一ヵ月となります、2024年8月。
もともと『Everlasting Flowers』の発売月でありましたが、そこにまさかのファミコン探偵俱楽部が登場。更に更に『Fate』もやってきて、ロープライス帯にも注目の新作が集合、私は疎いですが乙女ゲームにもユニークなタイトルがあります。この時期ってもっと閑散としてなかったっけ…？
一方でギャルゲーには意外と夏系のタイトルが見られないのは意外と言えば意外でしょうか。だいたい伝奇ホラーとか夏×田舎ゲーが何かしらリリースされているような印象ではあります。
またいよいよ気になるのは美少女ゲーム界におけるリメイク、復刻の流れでしょうか。もともと『同級生Remake』など話題になっていましたけれど、今後もますますそういう動きはありそうな予感がしますね。昔の思い出に浸ってばかりいるのはあまり好きじゃないんですが、『ななついろドロップス』と『ギャラクシーエンジェル』の再展開は願わずにはいられません…。
それと、今月はR18タイトルの紹介をお休みします。紹介したいと思えるタイトルが見つからなかったため…でも9月、10月は結構気になってるタイトルあり。
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