【Switch、Steam新作発売スケジュール】7月の主な新作テキストADV
2024年6月30日現在確認できる、Switch、Steamの新作ADV発売スケジュールをまとめています。
Steamの新作リストには抜けがあります。
()内は大まかなジャンルやDL専売か否かなどの情報。ジャンルは公式情報などから読み取れない場合、筆者の予測で書いています。
Nintendo Switch
| 発売日 | タイトル |
|---|---|
| 7/4 | ・リードオンリーメモリーズ：ニューロダイバー(SF、DL専) |
| 7/11 | ・7’scarlet for Nintendo Switch (乙女) ・月影の鎖 ～狂爛モラトリアム～(乙女) ★Hookah Haze （VA-11 Hall-A系、DL専） |
| 7/18 | ・ミストニアの翅望 -The Lost Delight-(乙女) |
| 7/25 | ★ SOME SOME コンビニエンスストア (恋愛、経営シミュ) ★夏空のモノローグ ～Another Memory～ (乙女) ・戦国†恋姫Ｘ ～乙女絢爛☆戦国絵巻～ 北条家騒乱編（ギャルゲー） |
| 7/26 | ・オンエア ! for Nintendo Switch (女性向け) |
※★マークは下でピックアップ
Steam
| 発売日 | タイトル |
|---|---|
| 7/1 | ・ラブレター(恋愛) |
| 7/2 | ・桜の木の精霊をアイドルにする方法（ギャルゲー） |
| 7/11 | ★Hookah Haze (VA-11 Hall-A系) |
| 7/24 | ・深夜のラーメン(VA-11 Hall-A系) |
| ７/25 | ★リルヤとナツカの純白な嘘 (成長譚) ・It was a human. （ミステリ） |
※★マークは下でピックアップ
一言コメント
DL専に注目作が多めの一ヵ月。乙女ゲーも混戦していて、オトメイト関連作がいくつも発売されます。
今月の気になる新作ピックアップ
今月発売、注目の新作をピックアップして紹介します。
Hookah Haze / Steam、Switch
2024年7月11日配信。アクワイアから『VA-11 Hall-A』ライクなADVが発売されます。発表当初から注目されていたタイトルですね。
生きる希望を失っていた主人公が、シーシャ屋の店長としてキャラとコミュニケーションを取るADV。キャッチーなビジュアルもさることながら、シーシャという目の付け所でも耳目を集めました。
体験版を遊んでみますと、シーシャはともかく、会話の内容や物語は分かりやすさを重視して作られている印象を受けます。というのも『VA-11 Hall-A』がその辺りに結構クセのある内容だったのですよね。本作はそのようなものが抜けているように感じられます。良くも悪くも捉えられる特徴なので、気になるなら体験版を触っておいた方が良いと思います。30分くらいで終わりますしね。
ただリラクゼーションというか、チル効果は高いイメージ。その意味では『コーヒートーク』フォロワーと言った方が良いのかも。
| タイトル | Hookah Haze |
| ジャンル | ヒューマンドラマアドベンチャー |
| 対応機種 | Steam、Switch |
| 発売日 | 2024年7月11日 |
| 価格 | 1980円 |
SOME SOME コンビニエンスストア
2024年7月25日発売予定。韓国発の経営シミュ×恋愛ADVがSwitchに登場します。
コンビニ経営と、アプリ「サムサム」を介しての恋愛を主題にした本作。既に配信中のSteam版は高評価を獲得…なんですが、現在日本語未対応。Switch版はもちろんローカライズ。特典付きのパッケージ版も発売されます。
シミュレーション×恋愛ADVは多くある組み合わせですが、経営シミュとの融合は珍しい…？
明るくない方面ですが、少なくともCSではあまり見かけません。先行しているSteam版のレビューを見ますと低評価はあまり見られませんが、シナリオはライトとのこと。
本作は特に特典付きパッケージ版にも力が入っていまして、通常販売の限定版の他、ファミ通DXパックも展開。ローカライズされて発売される新規恋愛ADVとしてはかなり豪華な展開に見えます。
| タイトル | SOME SOME コンビニエンスストア |
| ジャンル | 経営シミュレーション・恋愛アドベンチャー |
| 対応機種 | Switch |
| 発売日 | 2024年7月25日 |
| 価格 | 初回限定版：7,678円 通常版：4,378円 |
リルヤとナツカの純白な嘘 / Steam他
2024年7月25日配信予定。Frontwingの新作ADVがPCでリリースされます。
盲目で車椅子の画家リルヤと、その相棒である夏夏の物語。夏夏はリルヤの目と足となり、その暗闇に包まれた世界に光をもたらします。そんな支え合う二人の少女の喪失と再生の物語…とのこと。
本作の企画、シナリオの浅生詠はR18界隈で名の知れたライター。代表作である『euphoria 』の他、『サクラノ詩』の一部ルートなどで有名です。ただし全年齢向けタイトルで名前が出るのは珍しいように思います。
Frontwingは『ATRI』以降、全年齢向けミドルプライスのリリースを活発に行っています。本作もそのような企画の一本…と見て良さそうでしょうか。昨年の『GINKA』はATRIを強く意識した作品でしたが、今作はやや路線を変えてきている印象ですね。公式サイトの情報など見るに、コージーミステリー的な内容なのかな？
ちなみに本作はDMMやDLsiteでも発売されます。それぞれポイント還元やクーポンなどありお得。ただSteamでもリリース記念セールが行われる可能性は高いと思います。
| タイトル | リルヤとナツカの純白な嘘 |
| ジャンル | ノベルゲーム |
| 対応機種 | Steam他 |
| 発売日 | 2024年7月25日 |
| 価格 | 3,960円（税込） |
夏空のモノローグ ～Another Memory～ / Switch
2024年7月25日発売予定。
オトメイトの人気乙女ゲーがSwitchに移植されます。ループする7月29日に閉じ込められた主人公たちが、心地よい今に留まるか、明日へと踏み出すかを選択していく物語。
当ブログは普段、乙女ゲーの情報はあまり詳しく書いていません。この理由はシンプルに私が乙女ゲーに明るくないからなんですけども、本作はちょっと事情が違っています。
実は本作、以前から結構気になっていたのですよね。
と言うのも、どこかで見た乙女ゲーをオススメするテキストで「乙女ゲー界のAIR」と呼ばれているのを見たことがありまして…。これはその筆者がそう言っていただけなんですが、やはりAIRに色々思い入れがある身としては反応せずにはいられません。元々、乙女ゲーもどこで遊びたいと思っていたので、この移植を機に、手を出してみようかなというわけです。
あらすじから読み取れる内容は、ループ物の典型を思わせます。繰り返す夏の一日に閉じ込められるテーマは既視感ありますが、そもそもが2010年の作品なのでそこは織り込み済みでプレイ予定。
| タイトル | 夏空のモノローグ ～Another Memory～ |
| ジャンル | 夏色タイムループAVG |
| 対応機種 | Switch |
| 発売日 | 2024年7月25日 |
| 価格 | 通常版 7,480円 特装版 9,680円 ＤＬ版 7,480円 |
フリーゲーム探訪記 Vol.29
無料で遊べるフリーゲームから、オススメ作品を紹介します。
『フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない』ビジュアルノベル版 / クリアまで3時間
ちょっと特殊な立ち位置のホラーADV。
星海社FICTIONSから発売されているホラーノベルシリーズ『フェノメノ』をニトロプラスがビジュアルノベル化した作品です。
この縁は、『フェノメノ』の作者である一肇がニトロプラス所属のライターであることに由来します。ビジュアルノベル化されたのは単行本一巻の最初のエピソード。小説自体は5巻まで発売されている模様。
こんな事情を抱えているわけですから、本作は言わば小説を買ってもらうためのイントロダクション。ビジュアルノベル化と言っても、立ち絵と背景、サウンドを追加した片手間程度の制作なんだろう…と思ってプレイしてみたら…
深夜に遊んだことを後悔しました。(フツーに怖い)
演出周りの作りがガチで、無料のイントロダクション的作品でありながら、ニトロプラススタッフの力量が遺憾なく発揮されてしまっています。元々が演出の恩恵を受けやすいであろうホラー作品なこともあるため、ナメてかかると痛い目を見るでしょう(実際見た)。
…まぁ怖いかどうかは個人差によるでしょうけれど。
しかし特筆したいのは、本作は、物語の臨場感が演出によって大きくパワーアップする様をはっきり体感できる作品であること。
ビジュアルノベルは時々「ライトノベルでいい」と揶揄されることがある。しかし本作を遊べば、きっとその意見は変わるはず。実際に元々ライトノベルである本作。その体験が演出によって何倍にも引き上げられる…本作はこのビジュアルノベルの強みの一つを、無料かつ確実に体感できる一本です。
| タイトル | 『フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない』ビジュアルノベル版 |
| ジャンル | ホラーADV |
| 対応機種 | PC |
| プレイ時間の目安 | 2時間 |
【コラム】2024年上半期のテキストADVをざざっと振り返る
さて今年もいよいよ下半期へと入ることになります。先月までで上半期の新作は出そろったので、ここらで一つ、大まかに振り返ってみます。
まずは主要タイトルを思いつく限りまとめてみました↓
・未解決事件は終わらせないといけないから
・八剱伝 （R18）
・制服カノジョ
・刹那にかける恋はなび（R18）
・飢えた子羊
・東京サイコデミック
・神無迷路
・新宿葬命
・鏖呪ノ嶼（R18）
・岩倉アリア
・ナツノカナタbeyond
なお、これは当ブログで毎月まとめている新作カレンダーをそのまま使ってまとめています。
ただ何度か書いていますが、あのカレンダーは抜けがあります。基本的に月末に次の月の新作をまとめてカレンダーにする…というやり方なので、発表→発売を一ヵ月以内にやる作品はどうしても漏れてしまいます。気づいたときには後から修正もしているんですが、完全ではありません。同時にSteamでの新作は私の判断でカレンダーに入れていない作品もあるため、これまたちょっと恣意的なんです。
とはいえ、それを考慮しても大きなタイトルはほぼ網羅していると言ってよいと思います。
振り返ってみますと、やはり最も注目を集めたのは『未解決事件は終わらせないといけないから』でしょう。新作を発売する度に話題になるSomi氏ですが、少なくとも日本国内では最大のヒット作になった…ように見えます。自分の周辺でも、普段あまりADVを遊ばない人でも注目している方が見られました。
また『飢えた子羊』の中国でのヒットも耳に新しいニュース。ビジュアルノベルが中国で盛り上がっているのは知られた話ですが、その実感を得る一本でした。日本語吹き替えもアップデートでの追加を予定しており、日本でもまだまだ伸び代はあると思います。
一方でパッケージ版も発売される大型タイトルは動きが鈍い印象です。『制服カノジョ』はエンターグラム気合いの一本ですが、ギャルゲー文脈そのままの内容であるため大きな話題には繋がりづらいでしょう。『東京サイコデミック』はクセのある内容で賛否分かれる出足。Steamで評価の割れようが確認できますが、アップデートでの対応も進行中。ぶっちゃけちまうと、体験版の時点でこの評価は見えていたように思います。『岩倉アリア』は発売直後で、評価が固まるのはまだこれからか。
R18界隈は昨年の『サクラノ刻』のようなビッグネームこそないものの、堅調な評価を獲得しているタイトルはいくつか見られます。『八剱伝』は順当な評価を得ている印象で、Switchへの移植も決定済み。クロックアップの『鏖呪ノ嶼』、CRYSTALiAの『刹那にかける恋はなび』も評価は手堅い。ただ名作クラスのタイトルもでていないようにも。
総括しますと、まぁ予想通りというか、そうなるだろうなってところに落ち着いている感じですかねぇ。
元々2023年末の時点で、2024年上半期はネームバリューのある大型タイトルが不在であることは明らかでした。そのぶん、主戦場になりつつあるインディーズシーンからはヒット作が出ています。ただ上記の通り、大型タイトルにもR18も含めて話題作は結構あって、Keyやタイプムーンなども新作なり移植なりを準備中。チュンソフトもリマスターですけど久々にサウンドノベル関連の動きがあり、こちらもあまり悲観的になることはないと思います。
正直、2023年末の頃は2024年は完全に「凪」の一年になるんじゃねぇか…とか思っていたので、私としては意外と盛り上がってるなーと思っています。下半期もさっそく『Hookah Haze』や『リルヤとナツカの純白な嘘』なんかが発売されますしね。観測範囲外ですが、乙女ゲームも変わらず活発なようで安心です。
皆さんからの情報も募集中
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