五・七・五・七・七。リズムで楽しむギャルゲータイトル。独断で選ぶ良タイトル大賞、準大賞発表もあり。

ゲーム雑記
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ギャルゲーのタイトルには、言葉のリズムが良いものがたくさんあります。

「夜明け前より瑠璃色な」や「それは舞い散る、桜のように」はその代表と言えるでしょう。
そのリズムの秘密はズバリ、短歌、そして俳句のリズムである五・七・五・七・七が取り入れられていること。

日常でもふとした場面で見られる短歌、俳句のリズム
特に短歌は実に七世紀、1300年前に遡るほどの歴史を持っており、このリズムを気持ちいいと思う感性は、日本人の魂に刻み込まれているといって良いでしょう。




実はギャルゲーのタイトルにも、これを取り入れたものが数多くあります。

例えば「夜明け前より、瑠璃色な」は、俳句のリズムである七・五ですし、「それは舞い散る、桜のように」は、短歌の七・七のリズムにピタリとハマっています。

そこで今回は「リズムで楽しむギャルゲータイトル」と題しまして、タイトルに五・七・五・七・七のリズムが取り入れられた、気持ちの良いタイトルのギャルゲーを集めてみました。
本当にたくさんの作品があり、選びきれないほどです。

後半には、私が独断で選んだ大賞、準大賞の発表もあります

それでは、いつもとちょっと違うギャルゲーへの世界へと旅立ちましょう。

※CS移植無し、と添え書きされているものは、PC用18禁タイトルなので購入される際はご注意ください。
当記事に18禁描写は一切ありません。

七・五のリズム

俳句のリズムである五・七・五
その中の七・五は、ギャルゲーのタイトルでも数多く使われる定番リズムです。

夜明け前より瑠璃色な

まずは冒頭にも書いたこのタイトルから行きましょう

よあけまえより(七)
るりいろな(五)

2005年に発売されたオーガストの代表作
黄金期を象徴するタイトルの一つであり、今なお根強い人気を誇る作品です
2020年にはシリーズを全て収録したコンプリートパックが発売されるなど、15周年を迎えた今でも動きがあるほど。
CSではPS2、PSPに移植されました。

月のお姫様が自宅にホームステイをしに来る…というおとぎ話らしいストーリーが展開される純愛物語です。



夜明け前より瑠璃色な

リズムもそうですが、言葉の美しさも持ち合わせるタイトル。
瑠璃色なんてどんな色かわかりませんし、夜明け前より…って言われてもさっぱりイメージがわきません。
しかし、どこまでも澄み渡るような、心が洗われるような「色」
そして幻想的な物語を感じさせてくれます。


「けよりな」の略称でも親しまれる本作ですが、正式タイトルも一度は声に出して読みたくなりますね

遥かに仰ぎ、麗しの ※CS移植無し

二本目はこのタイトルをご紹介。

はるかにあおぎ(七)
うるわしの(五)

PULLTOPより2006年に発売された本作は、2007年美少女ゲームアワードの大賞を受賞した作品。
更にBGM賞、純愛系作品賞、シナリオ賞、ユーザー支持賞も獲得するなど、とにかく高評価を受けた作品です。

残念ながらCS移植はありません。

とあるお嬢様学校に赴任した主人公と、その学園の生徒たちとの恋愛が描かれた作品。

遥かに仰ぎ、麗しの

お嬢様学校を舞台にした作品として、その厳かな、淑やかな雰囲気をよく現したタイトル。
麗しの…とはきっと学園のヒロインたちなのでしょう
あえて主語を入れないことで、私のような低俗な人間は踏み入ることができない、高貴な場所での物語であることを思わせます。

蒼の彼方のフォーリズム

最後はやや変化球

あおのかなたの(七)
フォーリズム(五)

後半がカタカナであるため気づきづらいですが、リズムは七・五になっています。

こちらはSpriteより2014年に発売されたタイトル。
どこまでも広がる海と空が美しい離島を舞台に、”フライングサーカス”という架空のスポーツで競い合うヒロインと、そのコーチを務める主人公たちの戦い、そして成長が描かれた物語です。

これもまた評価の高いタイトル。
2014年の萌えゲーアワードで大賞を受賞しています。

CSでも手広く展開されており、現在Vita、PS4、Switchでプレイ可能。



人気作でありながら、一度はブランド解散の憂き目にあったこともある本作。
現在は再始動しており、後日談を描いたファンディスクの展開が予定されています。こちらは18禁。

蒼の彼方のフォーリズム

フォーリズムとは、音楽の基本リズムを作るギター、ベース、ドラム、キーボードの4つのこと。
本作には4人のヒロインが登場するため、それらの結束の意味をこめてつけられたのでしょうか。
蒼、とはやはり、作中でも印象的に描写される空、そして海を指しているのでしょう。


七・七のリズム

お次は短歌に使われる、七・七のリズムで作られたタイトルをご紹介。
いずれも言葉の美しさを感じさせられます。

それは舞い散る、桜のように ※CS移植無し

2002年に発売。人気ブランドnavelの前身…と言えなくもない、BasiLから発売された作品です。

それはまいちる(七)
さくらのように(七)

あまりに古いタイトルなので私はプレイできていません
しかし当時は大ヒットしたようです。

BasiLは既に解散済み。
navelの中核であり、いまでも業界の最前線にいる西又葵や王雀孫が在籍していました。

それは舞い散る桜のように

美しいけど、儚い…そんなイメージの象徴として用いられる桜
その一字がタイトルに使われ、しかも舞い散るとくれば…これはもう泣きゲーの予感しかしません。
実際どうなのかは知りませんが…

月に寄りそう乙女の作法

つきによりそう(七)
おとめのさほう(七)

こちらはnavelより2012年に発売。
同年の萌えゲーアワードで大賞……なんか多いですね。

服飾を学ぶ超お嬢様学校に、男である主人公が女装して、あるヒロインのメイドとして入学
共に勉強し、キズナを深めていく物語が描かれます。

女装して潜入…というと、どことなくとも変態的なシチュエーションしか想像できません。
しかし本作の場合、お約束はあれども本題は全く別のところにあります。
性別の壁を越えて結束していく姿に、思わず涙が流れてしまうような作品でした。


CSではVita、PS4でプレイ可能。
「乙女理論とその周辺」という、続編というか1.5的な作品もVitaで発売されています。
PCでは2の名を冠した明確な続編がでていますが、こちらの移植は無し。



月に寄りそう乙女の作法

本作の場合、リズムの気持ち良さだけでなく、その意味がゲームのシナリオに明確に関わってくるのが特徴。
「月」とは本作のメインヒロインをイメージした一文字なのですが…
このヒロインのルートが泣けるんだこれが…

俺が独断で選ぶ、良リズムタイトル 大賞、準大賞

さて、ここからは数あるタイトルの中でも、これは特に良い!と思ったものをご紹介。
大賞、準大賞をつけてみました。
どちらも業ありの名タイトルですよ

準大賞 「ノラと皇女と野良猫ハート」

ノラととの略称が有名なHARUKAZEの人気作を選びました

のらとおうじょと(七)
ノラネコハート(七)

さて、これだけ見ると七・七なだけなのですが…

ぜひ”韻”に注目していただきたいのです。

ノラと
皇女と
野良猫
ハート

おわかりいただけただろうか…

そう、このタイトル、母音「お」で、きれいに韻を踏んでいるのです。

七・七のリズムだけでも気持ちがいいのに、韻まで踏まれてはまるでやり手ラッパーのセンスあるリリックのようではありませんか。

さぁ、声にだして言ってみましょう

ノラと皇女と野良猫ハート

CSではVita、PS4に移植されています
ノリが独特だけど、絵が可愛いよ

大賞「お兄ちゃん、右手の使用を禁止します」※CS移植無し

ぼかしだらけですまんな…

Oh! bravooooooooooooooooooooooo

選考中に本作のタイトルを見た時、感動しました。

おにいちゃん(五)
みぎてのしようを(七)
きんしします(六)
(字余り)

Oh! bravooooooooooooooooooooooo!

なんということでしょう。
字余りではありますが、HAIKUのリズムがそのままタイトルに使われているではありませんか!!

「けよりな」にせよ「あおかな」にせよ、俳句のリズムはありますが七・五のみです。
これをまるっきり五・七・五にしてしまうと、途端に狙い過ぎ感が出てしまい、逆に風情がなくなってしまうと思うんですよね。

しかしほぼ俳句のリズムそのまんまの本作「お兄ちゃん、右手の使用を禁止します。」からは、そんな狙いすぎな印象をまるで受けません。
風情のカケラもない(褒めてます)言葉が実はHAIKUのリズムにノッており、知らず知らずのうちに忘れられなくなる。

決して詩的な表現ではなく、ふっと仕込まれる、リズムの美しさ
なぜこのタイトル、こんなに印象的なんだろう?→あーッ!HAIKUのリズムだからだ!!という驚きをもたらしてくれるのに、その中身はオタクの欲望丸出しの抜○ゲーだというのだから全く面白い。

妹たちを守った結果、右手に怪我(軽傷)を負ってしまったお兄ちゃん。
そんな優しいお兄ちゃんのために、妹たちがつきっきりで「右手の代わり」をしてくれる…そんな兄妹愛あふれるハートフルストーリーが楽しめる作品です。
18歳未満は買っちゃだめだぞ絶対。約束だ!

文句なし、当ブログが選ぶ良リズムギャルゲー(?)大賞、本作に決定です。

終わりに


言葉の力で勝負するゲームだからこそ、タイトルもまた力の入ったものが多いギャルゲーの世界。
まだまだ紹介しきれなかった作品がたくさんあります。

当ブログでは読者の皆さんからの「まだこんなゲームもあるよ!」という情報をお待ちしています。
第二回もある…かも?

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